4話 明日に備えて
さてこの世界の人情に触れた俺がやって来たのは親切で人情の厚い兄貴に言われた宿。
だが見覚えがあるのだ、何故だ?
来る途中に見た訳じゃ……あぁ思い出した、俺が転移して来た宿だ何という偶然。
「ん?おぉお前かやっとこさ帰ってきたのか」
何故か帰ってくる前提のお話をしてきたおっちゃん。
「お金をお借りしてここに舞い戻りましたよ」
異世界初日にして借金をしています。
「そういう事しそうな奴だとガドラか」
そういやお名前聞いてないや、お金どうやって返そうかな。
「酒場でお酒飲んでて強面の兄貴にお借りしました」
「ならガドラだな、アイツ顔に似合わず新人のサポートが趣味みたいなとこあるからな」
笑いながらガドラさんの事を話すおっちゃん、アンさんもなかなかやで(ニッコリ)
「なんだ?気持ち悪ぃなニヤニヤして…とりあえず女将呼ぶか、おーい客だ!」
気持ち悪いはないでしょ……
「あら坊やがお客さんかい?」
「はい、とりあえず二日お願いします」
「あいよ朝と晩付きで銅貨20枚だよ」
安いのかどうかは分からんがおっちゃんに渡された分全て渡す。
「丁度だね、じゃあ部屋は二階に上がって直ぐの部屋だよ」
「はい、所で晩飯って今食べれますか?」
時間は正確には分からないが8時くらいだろう。
「大丈夫だよんじゃ適当に座って待ってな」
そう言うと女将は奥に向かって行った。
「またお前が隣かもう騒ぐんじゃねぇぞ?」
「もう落ち着いて…はないですけど騒ぎはしませんよ」人間諦めが肝心である、まぁ俺ダンジョンなんだけども。
俺はその後おっちゃんにお金の事を聞きながらビックリするぐらい美味いご飯を食べ部屋に戻って寝てしまった。
お金についてはこんな感じだった。
銅貨が100枚で1銀貨、銀貨が同じく100枚で1金貨、金貨も同じく100枚で1白金貨であった。
数年前に金貨までは半銅貨、半銀貨、半金貨等もあり細かめのお会計も便利になったそうだ。。
因みに薬草のクエスト1回だいたい銅貨10枚前後でその日の取れ高に左右されるそうだ。
討伐はスライムから翼付きトカゲ所謂ドラゴンまであり今の俺では到底倒せなさそうである。
そして何よりの事で冒険者になり稼ぐならダンジョンに入る事が一番良いらしい。
低階層でもモンスターは出るしそこで鍛えて奥に進めば宝もある。
一攫千金を目指すならダンジョン以外有り得ないとかなんとか。
暫くは薬草取りに行って適当にスライム倒してこの宿分のお金を返してしまわないと…目標が出来たしとりあえず動きを見せてみようじゃないか。
そういや忘れる所だった明日バァさん所に行って一つ聞かなきゃいけない事があったんだった。
これだけは忘れちゃいけない事だ。
そんな事を考えているといつの間にか意識が途絶えていたしい。
PS.おっちゃんの名前はルドルフだったよ。
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