3話 はいはいテンプレ
バァさんの家から出て冒険者ギルドに向かい黙々と歩く事数分、目的地まではそこまで遠くなかったので直ぐに着いてしまった。
心の準備がまだ出来ていなかった、勿論テンプレが来た際の事に関してだ。
「よし行くか…」
大きめのドアを開け中に入るとガヤガヤと話し声が止まらず入ってすぐ横の酒場のような場所で数人が酒を呑んでいた。
昼間から呑むなよ飲兵衛共め。
俺は真っ直ぐ歩いてギルドのカウンターに向かった。
まぁ関わっても俺はギリギリ呑めないし仕方ないのだ。
ここに来て一応年齢を晒すが18で来年には社会人になる、遅くなってすまんな。
まぁそれはさておきカウンターに着くと俺はギルドのお姉さんに声をかけた。
「すいません、登録する場合はここで良いんでしょうか?」
すると直ぐに笑顔で説明を始めてくれた、ありがたいな。
「はいコチラで間違いないですよ登録ですね、鑑定石等は使われた事はありますか?」
「ありません、何ですかそれ?」
俺の質問に不思議そうな顔をしながら説明を(ry
「鑑定石はギルド等で管理されている鑑定の魔法が掛けられた特別な魔石ですこれで鑑定してそれを数値化した物を元にしてギルドカードが作られます」
「そりゃ便利な石ですなぁ…」
何と言っても自分の状態を数値化して見る事が出来るんだからな有り得んだろ。
「では早速測ってみましょうか?」
「はいお願いします!」
何か楽しみになってきたぞ!!
「ではこちらに手を置いてください、もし見せたくない情報があればそこに意識してもらえれば一応隠せますので」
「え?隠せるんですか?」
それだと結構やりたい放題なんじゃ…
「年齢や自分の技術を隠したい方等が使われるので犯罪歴等は隠せないので大丈夫ですよ」
「やっぱりそうですよね、んじゃ触らせてもらいますよ…」
さてさてどんな感じだ僕の身体ちゃんは……
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名前 マスダ ウラヤ (種族:ダンジョン)
年齢 18
生命:150
魔力:120(--)
筋力:100
耐久:欠損不可
敏捷:80
幸運:200
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ん?んん?色々あるけど先ず一つ…俺氏人間辞めてダンジョンになった模様尚身体は凄く丈夫そうです。
耐久値が狂ったし魔力の後のカッコ付けも分からんタダ一つ分かるのがこれは見せると面倒だと言う事、即ちここはモザイク掛け待ったナシ。
「……はい完了です」
色々モザイク掛けて結果を見せる。
「おぉ!なかなかの数値ですよ、これなら安心してダンジョンに向かわせる事が出来ますよ!幸運値も他の人より高めですし良かったですね!!」
あぁ…向かうどころか俺がダンジョンなんです……
「じゃ、じゃあ登録お願いします」
「了解です、では少しお待ち下さいね」
笑顔をこちらに向けた後に奥に向かって行った彼女、ギルドカードを作成するとの事。
暫くして彼女が戻ってきた。
「お待たせしました、コチラをどうぞ」
「ありがとうございます、後何か規約とかってありますか?」
「規約は特にないのですが一つだけ守って欲しい物はあります、ギルド内での喧嘩や武器の使用を基本は禁止しています」
「分かりました、後何か仕事ってないですか?」
もし無いなら文無し宿無しなのである。
「最初は誰でも進めるのですが薬草を取りに行くって言うのがありますがどうですか?」
「行きます!行きたいです!!」
「ふふっ、分かりましたではコレと同じ物を出来るだけ取ってきてくださいね」
この人の笑い声はまるで夏の風鈴の如く心に染み渡るなぁ…
「では早速行ってきますね」
「頑張って下さい」
俺はその声援に背を押されカウンターから出口に向かう、望んでいたテンプレを迎える為にも…
「おいガキ…お前みてぇなガキが何しに行くんだ?」
きったぁぁぁ!!コレだよ!これ!待ってたぜぇ…
「や、薬草を取りに……」
「薬草だぁ?」
見た目ヤの付くお仕事の人、こりゃ来たな。
「この時間の森は危険だ明日にしな」
「お金は……え?」
「え?いやだからこの時間はテメェみてぇなガキには危ねぇからやめとけって…」
「なんでやねん!」
「うおっ!何だ!?」
そりゃツッコミてぇよ…ここは脅してうんぬんかんぬんがあるってのがテンプレだろ?暴力禁止をしっかり守るなんて……あぁ、常識人なんだここの人達。
「すみません少し動揺してしまって、後俺これ行かないと金がないんですよ」
「金がねぇ?んじゃあ俺が貸してやるからまた返せよ?宿は俺がいる所で良いよな」
「貴方は神か何かなのか…」
思わず涙しそうなったよ。
「神でも何でもねぇがここはギルドだ繋がりは大切だからな、お前もしっかり稼いで返してくれれば良いのさ」
俺はここに宣言するテンプレ何てクソ喰らえ人情溢れる異世界を愛してる。
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