13話 空間を作れ
さてはて、マデュラ様…マデュラとの挨拶も終わり漸くダンジョンの素晴らしい使い道も見えた。
そして同時に「あれ?よく考えたらコイツどうしよう」と言う単純かつ大きな問題が浮上した。
「な、なぁマデュラさん?君はこれからどうするつもりかね?」
『ン?勿論貴様の後ろをついて歩こうではないか』
(うせやん……コイツが後ろに着いてくるとか俺の事周りの人俺が奴隷かなにかにしか見ないぞ!?)
『オイ主よ吾のちょっとした戯れだぞ?吾は貴様の中におるから外に出ても問題あるまい』
「俺の中?どういう事だ俺の中にお前が入ったら俺は口から裂けてしまうぞ?」
コイツさてはアホだな…?
『阿呆を抜かすな…はぁ…主の体内にこの空間を作ればよかろう主の魔力量はぶっ飛んでおると見たならば話早い』
「方法があるのか?」
ため息ついた事は見逃してやる、怖いからとかじゃない。
『勿論だ吾は魔族の皇である大概の魔法やら魔術は知っておる任せろ』
ハッハッハと笑っているがコイツやっぱり偉いんだよなぁ……
俺は早速教えてもらった…と言ってもコイツが一番楽な方法を教えてやるとか言ってきたので当然受けた。
やめときゃよかった…こんな事されるとか………
ウガァァァァッ!?俺の叫びが宿に広がった、勿論マドゥラが防音してくれた。
コイツ無茶苦茶しやがる…頭に魔術をぶち込みやがった。
「痛い痛い痛い痛いッ!?」
『まぁ待てハッハッハッもう少しだハッハッハッ』
て、テメェェ笑ってんじゃねぇよ!!さっさと終わらせろ!?と恨みがましい目で睨むとまたコイツはわらいやがる。
『ほれ終いだフフッ…ハッハッハッ』
「いつまで笑ってんだボケが……いっつつ」
めっちゃ痛いけど事実頭の中でめっちゃ感じるわこれ。
『何でも良いから扉を思い浮かべてみろ』
「ふむ…こうか?」
俺は魔力を込めてマドゥラの見た目に合った扉を思い浮かべた。
『主よ…?コレは吾を見て創ったのであろう?な?そうであろう?』
「いやっ…違っ…」(違わない)
『ま、まぁ良い今回は目を瞑る如何せん極悪過ぎる見た目だが魔法自体はバッチリだからの』
そうこの扉見た目だけなら地獄の門と言われても言い返せない、死を呼びそうと言われても言い返せ……したい。
『ではいざ…』
マドゥラは扉を開けて中に入ってゆく。
「俺も入って大丈夫なのか?」
『ム?勿論だぞ…お前が作った空間にお前が入れずしてどうする』
「へへっ…では入らせてもらいますぜ」
『何を戯れておるのだ…?』
ちょっとくらい良いだろ……
中に入るとなんと言うか芝生の広がっていてひとつだけ一軒家が立っている。
「なんなのこの空間」
『あ、主よ…どれだけの魔力を有しておるのだ…』
隣で唖然とした表情で怖い顔がコミカルになってるマドゥラ、こいつに説明は期待出来なさそうだな…まぁ聞くけどもね?
「マドゥラさん、君の反応からしてこれは普通では有り得ないのだろう?何がおかしいのかね教えたまえ」
『は…ハッハッハッ!主よ!!主について行くと決めて誠に良かったこの選択に誤りなどなかった!!』
嬉しそうに笑ってる、質問に答えろバカちん。
『この空間の広さは本人の魔力量で決まるのだが見てみよ!無限に続くかの如く平原!!街程度簡単に収められるぞ!!』
わ、悪い顔がこれまた悪どい顔になってやがる。
「お前ここで住めそうか?」
『勿論だ!ありがたい!ここでは吾の力が上がっているような気が……上がっておる…』
「上がった?」
『あぁ!大幅にの!!住ませてもらうからの!』
コイツの住処が決まった。
つーか大魔皇を強化ってマズイだろ……
「そ、それじゃあまた必要になったら喚ぶからね」
『何時でも喚ぶが良い直ぐに飛びててやろう!』
「あ、ありがとね?じゃ…じゃあまた」
コイツテンション上がってからすっごい怖いのよね……
まぁトンデモナイ忠実配下はありがたい、これで働かずにすm……仲間が出来るの嬉しいな。
俺は謎空間を出て宿に戻った…そう言えばこの部屋トンデモナイ魔力込めたよな?いつ戻るんだこれ………ヤバイぞ…きゅ、吸収!吸収だ!!
俺はまだ出来るのかも分からない吸収をする為に手を伸ばしてぶんぶん振り回した。
一分もしないで諦めて結局また眠りについた。
まだやるぞ