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ありがち、異世界転生!

異世界転生の流行りに身を任せて玉砕します。

良ければ、お楽しみください

俺の名前は波風なみかぜ霧夜きりや

年は17。高校二年。もちろん彼女無し!

特に何かあるって訳でもない、ラノベ風に言うなら『どこにでもいる普通の男子高校生』だ。


唐突だが、今俺の目の前には白い髭を伸ばした『神様』がいらっしゃる。

何てことはない。ネット小説で流行りの『異世界転生』ってやつらしい。


「なんでまだ俺が…?」

「やっぱり普通の奴が人気なんじゃよ。我々神の間でもな。元々凄い人間を異世界にやったところで何も変わらんわい。『異世界転生で劇的な変化』これを我ら神々(かんきゃく)はのぞんでいるのじゃ」


「つまり…神様はあなた以外にもいて、その人たちの娯楽のために俺はとばされると?」

「そんな目で見るな、なぁに悪いようにはせんからの」

俺はため息をつく。


「拒否権はないんでしょ?お好きにどうぞ」

「ふむ。悟り系というやつか…ギャーギャー喚かれるのもめんどうだがそれがまたたのしかったりもするのじゃがなぁ…嘆かわしい世の中じゃ」

人を娯楽の道具とする神々に言われたくないが、全知全能の神様達だ。刺激がないとやっていけないんだろう。


あぁ、でもやっぱり名残惜しいなぁこの世界も。まずは家族。別にかわいい妹がいるわけでもないけどさ、お袋の味ってのも味わえなくなるわけだ…。

なんて言っててもしょうがない。俺もゲームは好きだし、せいぜい異世界を楽しませてもらおうか。


神様が俺に手をかざす。まっしろな光が溢れ出る。

目を閉じるとともに俺は意識を失った。




目を覚ませば俺は数人の女性に取り囲まれていた。

「勇者様がお目覚めよ!報告を!」

いうやいなやその中の一人が部屋を飛び出す。皆メイド喫茶にでもいるような服装だが、本職のメイドさん達と言ったところだろう。

…え、勇者?!

のんびり解説をしていたところで重要なことに気づく。

いや、うん、転生するのはいいんだ。それは。

勇者なんて聞いてないよ!普通だからこそ面白いとかいうもんだから勇者召喚の可能性は切り捨てて考えてたわ!


「勇者様、失礼します。私はクロード・ファーシルともうします。王の元へとあなたを案内させて頂きます。よろしくお願いします」

焦る俺を取り残して事態が進む。

あんたが勇者やれば?と思える長身で細身なイケメン、クロードさんに連れられ王の元へ辿り着く。



俺の前でふんぞり返る王。肥え太り、なかなかに脂ぎった顔つきをしている。正直気持ち悪い。

身をジャラジャラの装飾品でかためており、もともとの体型と相まってある意味威圧感が凄い。

「勇者様、王の御前です。」

クロードに注意を受ける。あぁ、跪けということか。

クロードに倣って体制を変える。正直いい気はしない。


「フン、勇者よ、よく来たな。ワシのために思う存分その力を振るうがよい」

…あぁ、そういう(・・・・)奴か。

ツッコミたいところは多いが、俺はまだこの世界での俺の強さをしらない。勇者って言うぐらいなんだから、髪神がどうにかしているのだろうけど、あいにく地球にステータスなんてものはなかったからな。

俺のそもそもの戦闘力なんて、喧嘩もしたことないくらいだしな。


「はい」

こんな時にどんな敬語を使えばいいかなんて知らない。おれは成績も良いわけでは無いんだから。


形だけの謁見をすませ、またクロードさんの後ろをついていく。

向かい合った椅子が置かれた部屋へと連れられる。やっと事情説明といったところか。


「まず、説明をさせて頂きたいのですが、その前にお名前を伺ってもよろしいですか?」

そう言えば、まだ名乗ってすらいなかったな。そんなやつ相手に無条件で働けとは、めちゃくちゃな王だ。


「波風霧夜…いや、キリヤ・ナミカゼと言います。早速事情説明をお願いしたい。」

クロードさんの話をまとめるとこうだ。


この世界は大きく、人族、魔族、亜人族の3つに別れている。

千年前の世界戦争の後、その勢力図は拮抗していたが、ここ数年で魔王と名乗る指導者が魔族に現れ、力を付けてきている。

それにより勢力に小さな差が生まれ、人族や亜人族は危機感を覚えている。

先日、ついに魔王が戦争に向けて準備を始めたという情報が流れ、人族は大混乱。

禁忌とされていた儀式『勇者召喚』を持つ、人族で上から3番目の国力があるイースラリア王国は、その禁忌を破り人族の希望、勇者へ未来を託した。


千年前起こった世界戦争の終止符を打ったとされる先代勇者は、特別な力を持ちついには先代魔王を屠ったのだという。


なかなかにむちゃくちゃな話だ。何がむちゃくちゃって、テンプレにも程がある!

ここの王様があんなに態度でかいのは、この勇者召喚でさらに力をつけたからなのだと思うと凄く嫌な気分だ。


「先程も説明しましたとおり、先代勇者には、特別な力-ユニークスキルを所持していました。」

なるほど、やはりそこらへんもゲームみたいな感覚なのか、ということは…

「そこで、これです。」

クロードが一枚のカードを取り出す。


「これはステータスカードと呼ばれている魔法具です。広く普及し身分証明などにも使われている便利なもので、個人の情報が詰まっています」

なるほど、現代社会にあろうものなら、恐ろしい物だね。

「これで、キリヤ様のステータスを御確認ください。」

なんか、普通にステータスとか言っちゃうあたりに違和感を感じるけど、そういう(・・・・)世界なのだろう。いちいちつっこんでも仕方ないか。


「どうすれば?」

「このナイフで手を切って、血を垂らしてください」

Oh…まさか生きているうちに自傷行為をする事になるとは、思っても見なかったな。

恐る恐る刃先を指に突き刺す。切れ味がいいのか、一点から微量の血が出るだけで済んだ。


「ステータスカード登録完了です。『ステータス』と唱えればカードにステータスが表示されます。任意で情報の公開は制限できますが、犯罪歴等は隠せませんので、くれぐれもご注意を」


『ステータス』


キリヤ・ナミカゼ

17 勇者Lv.1


スキル

状態異常(ステータスバグ)

鑑定



「いかがでしたか?」

「えーっと、こんな感じです」

ゲームと違い体力や魔力みたいな値は記されていない。まぁ、自分の身体能力を数値化されたくはないし、俺には丁度いいかもしれない。


「状態異常…これはユニークスキル!それも聞いたことのないスキルですね!」

クロードさんが興奮気味に詰め寄る。

「鑑定もなかなか有用なスキルです。腕の立つものはこのスキルをよく所持しているようですしね…ちなみに私も所持しています」

茶目っ気を土だして微笑むクロード。くそ、イケメン爆発しろ!


素人目にはただの細身のイケメンだが、予想ではこの人はかなり強いはず。何せ不確定要素の勇者の世話係だからな。間違っても口に出して爆発しろとか言えない。


「キリヤ様、鑑定では、他人のスキルの詳細までは分かりませんぜひ御自分で状態異常のスキルの詳細を!」

まぁ、この国にとって一番大事なのは俺が持つ(・・)ユニークスキルなのだからな。


「鑑定はどうやって使うんですか?」

「鑑定対象を認証し、意思を持って『鑑定』と唱えてください」

なるほど、長い詠唱とかは無いんだな。

『鑑定』


「状態異常」…全ての状態異常魔法に通じるスキル。状態異常に関わる魔法への詠唱の破棄、効果を増大し、敵からの状態異常攻撃を全て無効果する。


なんか、凄く補助がうまそうなスキルだな。麻痺とか毒とか。…あれ、続きがある


「状態異常」…『鑑定』により、魔法を習得しました。


『…ステータス』

クロードさんに聞こえないよう小声で唱える。


キリヤ・ナミカゼ

17 勇者Lv.1


スキル

状態異常

鑑定


魔法

麻痺(パラライズ)Lv.1

(ポイズン)Lv.1

忘却(オブリビオン)Lv.1

透明(インビジブル)Lv.1


どうしよう、これ…かなり強い。

一話目からツッコミどころの多い物語ですが、二話目で話は大きく動きます。

ご都合主義なので、霧夜くんのスキルや魔法を考えて頂ければ展開は読みやすいかも…。


異世界転生ものを読んでてたまに思いますがどちらかというと異世界転送ですよね…といいつつちゃっかり霧夜君も転送されてます。


転送の歳に魂や肉体が異世界に馴染むよう再構築されるから転生…みたいな設定も考えましたが、特にストーリーに関係なさそうなので省略…


このように、後書きや前書きが多めの作者ですが、ぜひ

よろしくおねがいします!

ご指導、お気に入りのほど、歓迎しております。

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