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魔法少女≠勇者  作者: 岸寄空路
第二章 勇者の飛行方法≠箒
21/22

転移魔法は便利なだけではない

久しぶりの投稿です。

「ケツァルコアトルの対処法はなんだ?」

「ん~とね」


 まだ空を飛ぶ方法を確定していないとは言え戦わない訳にはいかない。

 元が人間である以上、元に戻すために戦わなければ。


「……頭……特に口の中への攻撃……が効果的」

「なるほど――」

「……多分」

「多分!?」

「あまり見ないタイプだからねー。情報も少ないんだよー」


 マジか。まさか飛行方法も確立していない時に珍しい魔獣と戦う事になるなんて……。


「しかし蛇に翼が生えた程度で飛べるのかよ……」

「魔獣相手にそれを気にしても意味無いよ?」


 それもそうだ。


「……そろそろ……転送時間」

「あ、早く準備しなきゃ!」

「準備?」

「変身するの! 転移魔法を利用する時は安全のために変身して使用するんだよ!」

「意味あるのか?」

「……え~と」

「…………」

「意味は……有ると、思うよ?」


 うん。赤理も良く分からないんだな。


「……転移魔法は」

「ん?」

「……緻密な計算と……とことんまで細分化された設定……これらが揃ってやっと……安全? ……と言える」

「そこまでやっても疑問形なんだな……」


 赤理はともかく青波が言うと本当に転移魔法は難易度が高く感じられるな。


「難しいことは考えないでそう言うものだと思えば良いよ! とにかく時間無いから早く準備して!」

「ああ、そうだな」


 魔獣が出現しているんだから早く行かなきゃな。


「それじゃ行くぜ」

「「「魔法衣装着チェンジ・マジックフォーム!」」」


 俺達はウィッカ・コアを起動して変身魔法を唱える、すると室内は光に包まれた。学園に入ってから知ったがこの魔法衣装着チェンジ・マジックフォームの掛け声は魔法らしく変身後の衣装も魔力で構成されていて、どれだけボロボロになっても魔力を補充するか変身を解除すると自動で修復される優れものだ。

 あ、言っとくけど変身後に魔力が無くなっても裸になったりはしないからな。その前に変身が解除されるように設定されているから期待するだけ無駄だ。……服は破けるけど。


「――よし」


 すっかり着慣れた戦闘服を着て、手に馴染むようになった剣を持って戦闘準備を終える。


「もう慣れたみたいだねー」

「ほとんど毎日着ていれば、そりゃ慣れる」


 赤理の衣装もすっかり見慣れたな……。最初は短いスカート(と胸部装甲)が気になって視線が安定しなかったが今では目に入れない様に赤理の方を見ることが出来るぜ。


「……準備は……オッケー?」

「ああ、大丈夫だ。青波――」


 妖精。妖精を見た。思わずそんな感想が出てきた。魔法少女の服を着た青波はそれぐらい可愛い。

 ショートカットの髪は青く染まり、服は同じチームだからか赤理と似たようなデザインでミニスカートだ。しかし赤理の服が揺らめく火をイメージしているのに対して、青波は流れる水の様な透明感のある青い衣装で胸元に青い星のブローチ、髪飾りには水球が流星の様な形になっているなどの差異が有り、それが青波の雰囲気に合っている。


「…………?」

「星司くん? どうかした?」

「――あ、いや、なんでもない」


 おっといけない、これから魔獣と戦うんだ。気合を入れなければ。


「早く転移しよう。ここに何時までも居る訳にはいかない」

「そうだね! 青波ちゃんお願い!」

「……しょうがない」


 そう言って青波は杖を地面に描かれた魔方陣の中心に立てる。……さっきは青波の姿に見惚れていて気付かなかったが杖のデザインが若干銃に近い気がするが、目の錯覚か?


「……魔力認証開始――」


 青波が魔力を魔方陣に少量流す。


「魔力はそれだけで良いのか?」

「転移魔法の魔方陣には事前に魔力がチャージされているから後は転移する人と場所をちゃんと確認するだけなんだよ」


 なるほど。今流した魔力も本人かどうか確認する為か。


「……説明するのは良いけど……早く魔力認証して」

「あ! ごめんごめん。星司くん! 青波ちゃんの杖に魔力を流して」

「わかった」


 赤理に言われたとおりに青波の杖に魔力を流す。


「本当にちょっとで良いから。次は私ね」


 続けて赤理も同じように魔力を流す。


「……認証完了……続けて転移先の確認」


 再び青波が杖に触れる。


「今更だけど青波は何をしているんだ?」

「本当に今更だね……」


 流されて確認していなかったんだ……。


「あれはここの魔方陣と転移先の魔方陣の両方にアクセスして転移に問題無いか確認しているんだよ」

「確認?」

「転移先が合っているかどうか、他に転移先に何かないかとか魔力が足りているかとか確認しているんだよ」

「何かって?」

「なんでも。転移先には何もない状態しなきゃいけないんだよ」

「そうなのか?」

「聞いたことない? 転移先に他の生物がいた所為で融合しちゃったって話」

「……有名なゲームで有ったな。そんな話」

「まあ、別に生物じゃなくても有機物、無機物でも転移先に存在していると転移した時に混ざっちゃう可能性が有るから絶対に確認すること! ……って先生にも何度でも念入りに注意されるぐらい重要な事なんだから」

「転移魔法も便利な様で危険が満載なんだな」

「近距離とか見える範囲に転移する分には問題無いんだけどね~」

「転移先は何もない状態にすると言ってたけど、ガスとか水で満たされている状態だとどうなるんだ? まあ、気体は関係無いと思うけど」

「液体が有っても特に問題無いよ。逆に言うと転移先が水没していても転移できるから危ないけど、それも魔方陣を使えば確認できるから大丈夫」

「徹底してるな……」


 まあ便利な分、それだけ危険性も高いと言う事か。


「……準備出来たよ」

「おっと、ありがとう青波」


 赤理と話している間に転移の準備が出来たようだ。


「じゃあ早速転移だよ!」

「そうだな。急ぐか」

「……わかった……転移!」


 青波が何時もより力の入った声で宣言すると、一瞬浮遊感を感じたが特に変化は無かった。


「?」

「よーし! 外に出るよ!」

「え?」

「早く! 速く! 星司くんも急いで!」

「あ、ああ……」


 状況が把握できずに戸惑ってしまう。まだ転移していないのに――


「――はぁ!?」


 外に出た俺はそれしか言葉に出来なかった。なぜなら


「ここ何処だ!?」


 部屋の外の景色が先程とは全く違うものになっていたからだ。


もうちょっと短い間隔で投稿出来る様に頑張ります。

楽しみにしてくださっている方は気を長くしてお待ちください。


次回はようやく戦闘(予定)

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