真実!
ピ~ンポ~ン
部屋のチャイムが鳴り響く。
「は~い。」
千吉がドアを開けてカノンを迎え入れる。
「とりあえず入ってってえええええええええ!??!?!?!?」
「すみません。学園からの指示で千吉様と同室に
なれって。」
「それ本当?いくら何でもそれは、いいのか?一応、吸血鬼だし。」
「いいんですよ。吸血鬼でもいいんです。だって婚約者じゃないですか。」
「まぁそれもそうだしな。」
なんか同居するながれだけどすごい不自然だから。
いきなり物凄い量の荷物が運び込まれて3時間後。
「やっと片付いた。」
「すみません手伝わせて。」
「いいよ別に・・・てか同じ部屋に何でなったんだろ。」
「多分それは、お祖母ちゃんとおじ様が理事長と仲がいいからですよ。」
「そうなんだ。知らなかった。」
「私たち一度、奉下家と鬼堂家は会ってるんですよ。」
「そうなのか?!俺・・・記憶がないんだよ。」
「えっ!?なんでですか。」
「俺にもわからん。ある記憶は、九年前までしかないんだ。」
「九年前?・・・!」
カノンは何かに気づいたようだ。
「何か知ってるのか?」
「多分ですけど・・・隣の国に同種族ならず他種族も殺す吸血鬼がいると聞いたことがあります。その凶暴な性格なので、力に枷をつけたらしいです。・・・もしそれが千吉様なら記憶を消されてもおかしくないと思います。しかもその事件、九年前ですし・・・」
俺が殺し?
そんなはず・・・。
だって六歳だぜ?
自分の手を見ながら自身が怖くなって震えた。
「大丈夫ですか?」
「カノン近づくな!」
「えっ!?」
「・・・俺に近づいてもしまた暴走したらどうする?」
「それは・・・」
「やっぱり怖いだろ?・・・今回の婚約は、なかったことにしよう。そのほうがカノンの為だ。」
「そんな!私は怖くありません!」
「俺が怖いんだよ!これから少しずつ愛そうと思う女が知らない自分によって殺すかもしれないんだぞ?もう無理だ。」
「・・・なんでそんなこと言うんですか。なんで自分を信じられないですか!」
俺はカノンの声を聞かず背を向けながらドアに向かう。
「こんなウジウジした千吉様は、嫌いです!!」
「・・・そのほうがお互い幸せかもな。」
最後にカノンの微かに聞こえたがドアが完全にしまり、聞こえなくなった。