カノン登場!
おいおいもう学校に入学式から一週間も経ってるのに全然婚約者現れねえじゃん。
あんなに目立ったんだから現れてもいいはずだろ。
むこうは俺の名前知らないとか?
いやいやそれはないだろ。
婚約って名前も知らなくてなるもんじゃないしな。
俺が言えることじゃないけど。
「も~お。何処にいるんだ、カノ~ン!」
「はい?」
えっ!?
後ろから声が聞こえたのは、きのせい?
振り返って見ると、
「あのお呼びですか?」
「君は、奉下 カノンさん?」
「は、はい。どこかでお会いしましたか?」
「いや会ったことはないんですけど・・・婚約者の名前が奉下カノンっていう魔女だって爺ちゃんに聞いて。」
「えええええ。本当ですか?!私も実は、鬼堂 千吉という人が婚約者って聞いてたんですけど・・・もしかして。」
「俺、鬼堂 千吉。」
「ええええええ!!?」
「すごい偶然だな。」
「ええ。こんな出会いかた初めてです。」
二人して苦笑いをする光景は、変わっているみたいで周りがじゃっかんひいている。
「俺さぁ爺ちゃんにカノンと一緒に国を救えって言われたんだけど。」
「えっ!?わ、私も。」
「本当?なんか俺さぁ、世界を救える能力があるとか言われたんだけど・・・」
「私もです!ヘコと一緒に千吉様を助け、支えなさいと。」
「ヘコって何?」
「ヘコとは、このことです。」
カノンが出したのは、一匹の猫だ。
「うわっ!!?猫?どこから出したの?」
「ずっといましたよ、背中に。」
「背中!?」
「はい、くっついていました。」
「へぇ可愛いね。」
「生まれた時からずっと一緒ですから。」
「お手!」
「ニャー!」
「おお~可愛いな。」
ヘコをなでなでしているとカノンも嬉しそうに笑った。
「あ!!もう授業に行かないと。」
「じゃぁ今後について話したいこともあるし、放課後学生寮の15階の部屋に来て。」
「へ、あっはい。」
その場でカノンとヘコとは、別れた。
「・・・ふ~。演技大丈夫だったかな?向こうは今日、会うまで気づかなかったな。」
カノンは、千吉と別れた後にヘコに向かって話かけた。
「でもいい感じになれたからいいかな。・・・入学式は、かっこよかったしね。」
フフフと可愛く笑った。