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Vampire&Witches  作者: hshshs
2/14

爺ちゃんとの会話


「じゃぁ行ってきま~す。」


俺は爺ちゃんにそう言って家を出ようとした。

そしたらだ。


「おい、千吉。ちょっと話がある。五分でいい。」

「お、おう。」


なんだ急に思いつめた感じだったけど。

いつもみたいに明るい感じで見送って欲しいよな、まったく。

千吉はちょっと重たい足を運び、書斎に向かった。


「よく来た千吉。話というのは、他でもない。」

「な、なんだよ。」


いつにない圧迫感があるな。

少しびびっちまったじゃねえかよ。


「実はな・・・お前に婚約者がいるんだ。」

「はぁ?何言ってんだよ、爺ちゃん。吸血鬼もボケはじめるのか。」

「ボケてなどない。事実だ。今まで黙ってて済まなかったな。」

「そうかしこまるなよ、爺ちゃん。いつもみたいに孫として見てくれよ。これじゃぁ俺がなんだか偉いみたいじゃないか。」

「仕方がなかろう。だって千吉。お前は、国を救う運命の吸血鬼なのだから。」

「はぁ?悪い冗談は、やめてくれ!いくら爺ちゃんだからって怒るぞ。」


本当になんなんだ。

爺ちゃんは、いつも冗談なんか言わない。

それはよく分かっているけど、今回は冗談にしか聞こえない。

何を考えているか全くわからない。

婚約者?運命の吸血鬼?

意味がわからない。


「急な話なうえ戸惑っているのは、仕方がない。でも分かっていて欲しい。お前は、学園に行って私とは、離れる。だがなお前は、一人じゃないことを知っていて欲しい。」


新太郎が千吉を優しく抱く。


「婚約者の名は、奉下 カノンというそうだ。きっとお前を支えてくれるはずだ。一応言っておくがその子は、魔女だ。だが敵ではない。」

「それってどういうことだよ。」

「・・・この国の民は、魔女を嫌う。だから私は、魔女を敵としているという考えを民に伝えた。だがな、私は、昔から魔女とは結託して国を作りたかった。でもな、そうすると反乱が起きる。知っているだろう?私の宝は、民とお前だ。」


新太郎は、穏やかに笑った。


「爺ちゃん。」

「これを持っていけ。」


新太郎は、小さな箱を机から取り出した。


「これは、奇跡の輝石だ。」

「奇跡の輝石?それって確か国宝じゃぁ?」

「あぁそうだ。これは、もう一つある千力の閃緑岩というものと混ざりし時、世界を救うことができるという伝説がある。だからこの石をお前にたくそう。」


新太郎が千吉に渡した。


「爺ちゃん、楽しみにしておけよ。俺は、世界を救ってみせるさ。」


はっきり言って自信は、あまりない。

でも期待は、裏切りたくない。


「話も終わったならもう行くな。」


俺はそう告げると爺ちゃんは、何だか寂しそうで悲しそうな顔をしていた。


「話したいことは、たくさんあるけど俺は寮生活だ。・・・だから三年後まで会話は、とっとこうぜ。」


新太郎はちょっと嬉しそうにな顔になり、すぐ引き締めた。


「立派に言うようになったな、千吉。」


ちょっと嬉しいな、爺ちゃんの笑顔が見れた。

これで不安な学園生活もなんとかなりそうだな。

俺は、書斎を出て玄関についた。


「じゃぁ二回目だけど、行ってきま~す!」

「あぁ行ってらっしゃい。」


こうして学園生活が始まった。


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