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94 解体って重労働だわ

「この辺りで十分でしょう。この小部屋で魔物の解体をします」


 ハァ……ハァ……疲れたぜ……。スゥ~、ハァ~。身体が重くてしょうがない。この数日で鈍ったとかそんな次元じゃなく思い。まだあの戦いのダメージが残ってるんだろうなぁ。これは前線復帰まで当分かかるぞ。

 ちなみにこの数日で爽やか君たちのパーティと合流することは話してある。俺を除く5人はスライム相手にフォーメーションとかを確認していた。俺はそれを外から眺めていた。


「神崎がどんな魔物を狩ったのか、楽しみだな」

「たぶん楽しくないですよ。寧ろ、物凄い嫌な記憶を持つ人もいると思います」

「は?」


 髭熊は問題ないだろうよ。門番君もだ。アイナはクソ鳥が嫌いだろうし、爽やか君とイケおじはメタボゴブリンがトラウマだろう。でもついてきたのは君たちだからね? 俺は責任取らないよ。

 俺はとりあえずマジックバッグから魔物の山を取り出す。まだ鮮血が滴っているところを見るに、鮮度は最高だろう。そして、同時に「ひっ」という情けない悲鳴が聞こえた。


「厳しいなら近くのスライムでも狩りに行ってもらって構いませんよ」

「いえ……、これは直視しなければなりません。また何処かで会敵する可能性だってあるのですから」


 はー、強いねぇ。おっさん感心しちゃった。爽やか君は立派なリーダーとして成長してるじゃないか。才能とそれに見合う努力をするリーダーだから、そりゃあ人望ありますわ。俺とは大違いだ。


「こいつがあの時ゴブリンを引き連れてた親玉か? 強そうだ」

「強かったぞ。俺たちが束になっても敵わなかった。嬢ちゃんがいなけりゃ俺ともども殺されていただろうよ」

「嬢ちゃんそんなに強いのか。才能は認めるが、そこまでとは……」


 えーっと、まずはメタボゴブリンを解体するか。装備は追い剥ぎしたけど、こいつは他のゴブリンと違ってその皮や骨も強靭で使い道がある。鑑定して分かったけど、こいつゴブリンキングらしい。へー、痩せろよ。


「こいつは俺も見たな。嬢ちゃんが瞬殺していたが」

「これは俺も倒した。こいつは……知らんな。どこで狩ったんだ」

「これは16層の外れにいたはずだが……」

「そうなのか。知らなんだ。俺たちは一直線に攻略していたが、神崎と嬢ちゃんはふらついてたようだ」


 そのヘビみたいな魔物は後でいいかな。俺の装備のレシピには必要ないし。絶対に必要なのはあれか。


「大きいですね、このニワトリ?」

「クジャクみたいな羽もありますから、クジャクニワトリでしょうか」

「見たことないですよ。こんな魔物」

「こいつは強そうだ。神崎が倒れた原因か?」


 こいつはどうやって解体しようかなぁ。ぶら下げるにしても大き過ぎるし……てか皆さん? 暇なら手伝ってよ。お代はこれまでの貸しで。

 そうして爽やか君たちは解体に取り掛かる。俺の指示のもと男衆がテキパキと動いて瞬く間に解体が進んでいく。アイナは椅子を取り出して見学だ。アイナが手伝おうとしたら、爽やか君筆頭にやんわりと断った。幼女に力仕事をさせるなんて日本男児のプライドが許さなかったらしい。

 俺? 身体が痛くてギブアップだよ。おっさんになると体力が続かないものだねぇ。決して、未だに薬の反動に困ってるわけないじゃないから。ナニイッテンダイ? ワケワカンナイヨ。


「けっこう難しいですね」

「九城さんは解体しないんですか?」

「マジックバッグがありますから、基本はそのまま持って帰って冒険者組合の出張所で解体してもらっています。お金はかかりますけど確実なので」


 へー、そうなんだ。でも確かにこの解体の手間を考えたらそっちの方がいいかもな。参考にしよっと。


「そんなことを聞くっていうことは、神崎さんって冒険者組合を使っていないんですか?」

「解体した魔物を引き取ってもらっているだけです。他に何かあるのですか?」


 冒険者組合とか換金できたらそれでいいだろ。寧ろ、それ以外に何かあるの?


「魔物や薬草の資料もありますし、冒険者ランクも上がります」


 あー、そんな話もあったなぁ。忘れてたよ。これまで不便がなかったから困らなかったけどね。なら忘れてもいいかもしれないな。


「冒険者ランクを上げるには実績と実力が必要です。実績は依頼をこなしたり、魔物をたくさん狩る必要があります。実力は昇級試験があるので、それを受けて合格すると上がります」


 あー、聞いたような聞いてないような……。たぶん右から左に通り抜けていったな。ま、どっちでもいいや。俺はFランクでも全然オッケーよ。


「九城さんはランクを上げているんですか?」

「はい。今はDランクになります。30層のエリアボスも倒しましたし、そろそろ昇級試験を受けようと考えています。そうすればクランが設立できるので」


 そんなこと言ってたなぁ。もうすぐ目標達成じゃん。おめでとう。はい、プレゼントだよ。早く解体しておくれ。まだたくさんあるから安心してくれよな。

 こうして丸一日かけて、俺のマジックバッグにあった大量の魔物は解体されて素材となった。後は俺の装備を作るだけだ。最高の装備を作ってやる、と俺は静かに意気込んだ。


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