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悪役令嬢みたいですが、明るく楽しくのびのびと生きようと思います!  作者: ロゼ


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建国祭イベント

建国祭3日目はマギーと回る事になった。


当初はメリーと約束していたのだが、レナンから誘われたらしく気を利かせてみた。


私だって気くらい利かせられるのだ!


マギーは昨日、パーシー先生と婚約に漕ぎ着け、10歳差があるものの恋人同士みたいな関係になれた事が余程嬉しいらしく、顔のニヤケが止まらずに顔面崩壊している。


幸せそうで何よりだ。


しっかし喪女とか言ってたけどあのパーシー先生をしっかり落としちゃうなんて、実は恋愛偏差値高いんじゃない?


パーシー先生って女生徒にも女の先生にも密かに人気が高い。


あの顔であの声なら納得だけど。


そんなイケメンを中身がアラサーだとは言え外見13歳の女の子がGETしてしまうなんて普通であれば信じられない。


貴族の間の婚約や結婚は政略だったり互いの利益重視だったりで勝手に親に決められる事が多く、恋愛結婚なんて稀だから10歳の年の差なんて別に大した事はないんだけど、マギーの場合はどう考えてもパーシー先生を攻略しちゃった、所謂恋愛結婚の方になる訳で……凄すぎる。


今日だって待ち合わせ場所までパーシー先生がしっかり送って来た(学園の入口なのに)し、帰りも迎えに来るそうだ。


入園してからまだ3ヶ月。


その間に2人に何があったのか非常に気になる所だけど、惚気話を聞かされるのもむず痒いし聞かない。


話されれば聞くけど自分からは、ね。



屋台はお互い回ったから今日はイベント広場でやっている大道芸等を見る事になった。


ピエロの格好で玉乗りする人やナイフ投げをする人、ジャグリングを披露する人とかがいる中で一際異様だったのは傘回し(前世の番傘)をする芸人さんだった。


前世の羽織袴を彷彿とさせる形の、でも柄なんかは西洋風の、色味的にはド派手(上が鮮やかすぎる赤で下は真っ黄色)な衣装を身に纏い、1人が傘を回し、もう1人がその傘に枡や果物をポンポンと投げて乗せていく。


桝があった事にもビックリだ。


終わると「おめでとうございまーす!!」とやたら陽気な声でめでたさアピール。


うん、見た事あるわ、前世のお正月番組で。


本当に何でもありだなぁ、この世界。


一頻り見た後、ベンチに座って一休み。


屋台で買ったフルーツジュースで喉を潤す。


私はオレンジ、マギーはダイアンマスカット。


ダイアンマスカットとはどこぞの果樹園農家のダイアンさんが品種改良の末に生み出したジュースに最適な、とっても果汁が多くて甘いマスカット。


マスカットジュースと言えばダイアンマスカット!と言われる程にジュースとして広く愛されている。


「なーんか忘れてる気がするんだよね…何だったかなー?」


ジュースを飲みながらブツブツ言っているマギー。


お祭りに来た時からずっと「何か忘れてる気する」と言っていた。


「そう言えばさ、お祭りってイベントになりそうだけど、花乙では祭りイベとかなかったの?」


「あぁぁ!!!それだー!!ヤッバ!!」


突然立ち上がったマギーに手を引かれ、訳も分からず走り出した。


走りながら聞かされたのは花乙のお祭りイベントの事。


その内容はヒロイン補正や強制力が働いてしまうアイネちゃんには危険な内容だった。


「祭りイベはルート分岐イベでもあるんだよ!ヒロインが破落戸達に襲われて怪しい小屋に連れ込まれそうになるのを助けるのがその時一番好感度の高い攻略対象者!でも今のアイネには好感度の高い攻略対象者なんていない!だけど強制力でイベントは起きるはず!」


「それって相当ヤバいじゃん!!」


「激ヤバ!!」


イベント発生場所を覚えてるマギーに連れられて、お祭り会場からは少し離れた路地裏に行くと、正にアイネちゃんが破落戸達に囲まれている所だった。


「お巡りさーーん!!こっちです、こっち!!女の子が襲われてるの!!早くっ!!」


マギーが大声で叫ぶと破落戸達は「チッ!」と舌打ちしたり「ヤベェ!逃げるぞ!」なんて口にしながら走り去って行った。


因みにこの世界には警察署があり、交番もあり、お巡りさんや刑事さんが普通にいる。


だけど普通に騎士もいる。


王家を守るのは騎士だし、国境等を守っているのも騎士だ。


この微妙さが花乙なのだとマギーは言っていた。


「アイネちゃん!」


駆け寄るとアイネちゃんは私達を見て安心したのかヘナヘナと座り込んだ。


目からは涙がポロポロと零れている。


その泣き顔の美しい事よ!


「立てる?またアイツらが戻って来てもマズイから、取り敢えずここから離れるよ!」


マギーにそう言われ、私達は人の多いイベント広場まで走った。


アイネちゃんをベンチに座らせるとマギーは「飲み物買ってくる!」と行ってしまった。


「ありがとう…助けてくれてありがとう…」


アイネちゃんは泣きながらもずっと感謝の言葉を口にしている。


未遂で済んだとは言え襲われかけたんだもん、怖かったよね。


アイネちゃんの体をそっと抱き締めると、アイネちゃんは涙腺が崩壊してしまったかのように大号泣し始めた。


「うぇーーーん!ごわがっだぁぁぁー!!!ありがどうぅぅぅ!!」


アイネちゃん?


お顔がとんでもない事になってますが大丈夫ですか?


もう『可愛いヒロイン』なんて言える状態ではなくなっていますが、本当に大丈夫?


でもまぁそれだけ怖かったんだよね。


いっぱい泣けばいいよ。


何事もなくて本当に良かったよ。



「でも何だってあんな路地裏に行ったの?普段でもあそこは結構危ない場所じゃん」


やっと落ち着いたアイネちゃんにマギーがそう問いかけた。


「蝶々がいたの…お祭りに行こうと思って歩いてたら、レクリエーションの時にいた蝶々がいて…気が付いたらあそこにいたの」


「取り敢えず今後は知らない蝶々には着いて行かない方向で」


思わずそう言ってしまった。


多分蝶々はイベントを起こさせる為の強制力の1つだと思う。


マギーもそう思ってるみたいで、私の言葉に頷いてた。


「でもね、あの蝶々を見ると頭がボーッとして…気が付いたら違う場所に行ってるの」


遺伝子レベルで組み込まれてるどうしようもない事だとしても腹が立つ!!


今回は私達が間に合ったから良かったけど、誰も来なかったらアイネちゃんどうなってたか分かんないじゃん!!


神様だったらさー、何で強制力とか補正力とか組み込まない方向性で世界作れなかったのかな?!


別にそこまで物語に忠実に作らなくても良かったんじゃないの?!


帰ったら白夜に八つ当たり&もふもふの刑(これは単に私がやりたいだけ)だ!!


「取り敢えず何にもなくて良かったよ」


「2人共ありがとう」


「アイネはお祭り回ったの?まだなら一緒に回らない?1人で回ってまた危ない目に遭っても大変だし、皆で回った方が楽しいし」


「…いいの?」


「「もちろん!」」


「ありがとう!」


一気に花が咲き、後光すら差すんじゃなかろうかという程に明るく輝くような笑顔を向けられ、私は思わず胸を押さえてその場に座り込んだ。


「気持ちは分かるけど、大袈裟すぎん?」


マギーに呆れられた。



アイネちゃんがまだお祭りはどこも見て回っていないと言うのでイベント広場の大道芸を見た後に屋台を回った。


「そういえばマギー!どうやってアロワナすくったの?!」


「え?普通に?」


「アロワナすくったの?!嘘でしょ?!」


アイネちゃんがビックリしている。


そりゃビックリするよねー!


「すくえる人いたんだ…」


「え?簡単だったけど?」


マギーの言葉にアイネちゃん絶句。


それ見て「何故?」って顔してるマギーの方が絶対おかしい。


「もっかいチャレンジしてみてもいいけど、流石にもうアロワナはいらないんだよねー」


「大きくなるもんね、アロワナ」


「これ以上増えたら私の寮の部屋、水槽だけになっちゃう」


「学園の水草水槽で飼えないかな?」


水草水槽とはその名の通り水草だけが育てられている水槽だ。


学園のかなり目立つ所(エントランス脇)にあり、プールですか?って位に大きい。


昔はそこで熱帯魚を飼育していたそうなのだが、寿命でみんな死んでしまってからは水草だけが育っている、実に無駄な感じの水槽なのだ。


観賞用に水草が綺麗に育っているならいいのだが、ほぼ無法地帯状態なので水中ジャングルのようになっている。


「ここに魚でもいたら世話のしがいがあるんだけどなぁ」


水槽の掃除をしているおじさんがそんな事を言っていたのを思い出した。


もしかしたらアロワナ、水草水槽で飼えるかも。


「すくってみて!すくう所見たい!」


「…もしまたすくったら、リリーナが責任取ってよね」


「はーい」


という事でアロワナすくい屋さんへLET'S GO!!


「げっ!」


アロワナすくいのおじさんがマギーを見て露骨に嫌な顔をした。


アロワナすくいはアロワナがすくえなかったら残念賞的にネオンテトラを1匹(せこくない?)貰えるそうだ。


すくったアロワナはそのすくった分だけお持ち帰り出来るシステム。


3匹もすくわれたら「げっ!」とも言いたくなるのだろう。


アロワナ、結構お高いお魚さんだからね。


「1回ね!」


「………あいよ」


お金を渡したマギーはおじさんからポイ(やっぱり普通の金魚すくいサイズ。最中じゃなくて紙の方)を受け取り、無駄にデカい水入りの容器を足元に置いてアロワナの泳ぐ水槽?の前にしゃがんだ。


ポイを片手に真剣な顔付きになったマギーは次の瞬間スチャッ!て感じで腕を動かした。


ポイの上にはどうやって乗ってるのかすら不思議な程綺麗にアロワナが乗っかり、それがそのまま足元の容器にスルンと落とされた。


「凄い…どうなってるの?何ですくえるの?何で片手であんな大きなアロワナ持ち上げられるの?何で?」


アイネちゃんが驚きの声を上げている。


今回マギーがすくったのは50cmをゆうに超えたアロワナだった。


「マギー…ヤバすぎ」


その後マギーはもう1匹、30cm位のアロワナをすくった所でポイが折れた。


ポイの紙が破けたのではなく、ポイの持ち手の付け根部分からポッキリと折れた。


試しにアイネちゃんが挑戦していたが、すくおうとしても片手ではアロワナを持ち上げる事も出来なかったし、アロワナが暴れるのですぐにポイの紙が破れてしまった。


ほんとどうなってんの、マギーって?!


「は?普通でしょ?」ってマギーは言うけど絶対絶対普通ではない!




その後マギーのアロワナは無事水草水槽で飼ってもらえる事になった。


水槽の掃除をしていたおじさんがそのまま水槽管理のおじさんになり、それはそれは楽しそうにアロワナの世話をしている光景を見掛けるようになった。


ジャングル状態だった水草もアロワナの泳ぎの邪魔にならないようにとスッキリと整備され、綺麗な巨大水槽の中を悠々自適に泳ぐアロワナの姿は学園に来る来客の目を楽しませる1つにもなったようだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] マギー凄すぎるやろ… ポイでアロワナは掬えんぞ…(笑) そしてアイネちゃんは無事リリーナ√に入りました!?(笑)
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