最終話 めでたしめでたし
花園へのピクニックからさらに半月後、今夜はとうとうアウロラが王宮へと引っ越す日だった。
茅屋の中は、そこまで片付かなかった。薬のための設備を整えていると、どうしても小屋は煩雑になった。
「じゃあ、行こうか」
リーノとチェロに声をかける。それぞれの籠の中に一羽と一匹は収まっている。
イルザがリーノの籠を持ってくれたので、アウロラはチェロの籠を持つ。
外に出る。
外ではミヒャエルが侍従や騎士を従えて、アウロラを待ち構えていた。
「こんばんは、アウロラ」
穏やかな微笑みでミヒャエルがアウロラを迎える。
「こんばんは、ミヒャエル」
アウロラもそれに笑顔を返す。
アウロラの手に抱えられた籠をホルガーがうやうやしく取り上げる。
そうされることにも、すっかり慣れてしまった。
「じゃあ、行こうか」
ミヒャエルがアウロラに腕を差し出す。
アウロラは頬を染めながら、それに腕を預ける。
やさしく月が照らす中、アウロラとミヒャエルは歩んでいく。
月の光がアウロラの銀の髪を照らす。虹色の瞳はミヒャエルの緑色の瞳を見上げている。
ふと、緑色の瞳が、虹色の瞳に気付いて柔らかな弧を描いた。
虹色の瞳の主はその動きに頬を染めた。
ふたりはやがてどちらからともなく小さな笑い声を上げていた。
魔女と王太子は寄り添いながら長い道のりを進んでいった。
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