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女子アナの決断
テレビ局の女子アナは、自分のロッカーの前で悩んでいた。
これからプロ野球の試合がある。その取材に行くのだ。
出発の時間が迫っているものの、ロッカー内のどれを着ていくのか、まだ迷っていた。
候補を見比べながら、女子アナは考える。
こっちもいいけど、あっちも捨てがたいし。
ロッカーの中にあるのはすべて、これから取材に行く球団のレプリカユニフォームだ。
どれも同じデザインだが、背番号だけが違っている。
こっちの背番号の選手は、年俸が推定三億円。
あっちの背番号の選手は、来年にはメジャー入りしそう。
他にも候補となる選手が五人以上いて、その全員が独身だ。
「ああ、どれにしよう。迷っちゃう~♪」
たかが背番号、されど背番号。
どれを選ぶのかは非常に重要だ。
女子アナたるもの、こういう陰の努力をおろそかにしてはいけない。