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04-11_ヒーローとアリエルの結論

今回はナナシと純の決闘後の話です。

04-11_ヒーローとアリエルの結論


「おい、アリエル~。その辺で許してやれよ。」


「ダメよ!ジュンさん。このスカポンタンにこの世の常識ってやつを叩き込まないといけないんだから。」


これはフレイムと純の決闘が終わった少しだけ後の事である。

ナナシが行った圧倒的な鬼畜戦術と女性に対して情け容赦なく暴力を振るう悪魔の所業に対して、アリエルが世界を代表してお説教と言う名の罵詈雑言を浴びせていたのだが、


「まぁ、気持ちは分かるけどよ。これは俺とフレイムの決闘だったんだ。それを外野があれこれ言うのは少し違くねぇか。」


「いえ、ジュンさんはそうでしょうけど、この無表情鬼畜漢にはこの世の道理を叩き込む必要があるのよ。」


「・・・」×3


蒼太の回復術で復活した純がアリエルを窘めているところである。

純としてはお互い全力で戦えた事に納得しているようで、最後の一撃も決着に必要なものだったと認識している。

だが世間一般の人間からすれば、戦術がえげつなさすぎるし、最後の一撃は決着後の不要なものという認識である。

そんな女性2人の言い争いに周囲が沈黙する中、割って入る勇者が1人にいた。研究が恋人、絶対にモテない男No.1井戸亜仁である。


「取り敢えずその話は終わりにしないか。フレイムは戦闘に関しては情け容赦ないからいくら言っても無駄だよ。

そして何よりその言い争いは不毛だ。そんな事よりもアリエルさんの感想を聞きたい。葉山純はどうだったかい?」


この質問にアリエルは若干不満そうな顔をしながら、少し考えこむ。

一方勇者井戸亜の所業を垣間見た男3人は思わず感嘆の声を上げる。


「あっぱよ~。あの空気の中に割って入るたぁ、恐れ入るたい。」


「井戸亜さんは合理主義というか・・・必要とあれば場の空気を無視できる人ですから・・・」


「アリエルを真っ向から黙らせられる人は珍しいです。」


「うるさいわよ、男ども!少し静かにしてくれる!」


「・・・すまない(すみません)(すまんたい)。」


まぁ、その声は目の前にいるアリエルには丸聞こえで、当然の事ながら男達は怒られる。

素直に謝る男3人を余所にアリエルは井戸亜の質問に答える。


「ジュンさんが一緒に来てくれればとても心強いと思います。まず戦闘面については申し分ないですし、あの圧倒的な攻撃力はあらゆる場面で切り札になってくれると思います。

それに実直な人柄も好感が持てますし、彼女と友人になれた事を嬉しく思います。・・・ただ、やはり改善すべき問題もあります。」


「問題・・・とは?」


「・・・」


アリエルの感想に少し考える素振りをしながら先を促す井戸亜と神妙な顔で黙って耳を傾ける純。

そんな2人の様子に目を向けながら一呼吸置き、アリエルは先を続ける。


「器物破損癖です。今日彼女が廊下一面を破壊する所を見ましたが、あれは普段日常的に行われているという認識で問題ありませんか?」


「・・・その認識で問題ないよ。」


「率直に言います。アナシスの建物はこちらほど頑丈ではありません。

あんな事をアナシスですれば、家なんて簡単に吹き飛びますし、街はすぐに廃墟になるでしょう。

そうなれば何の罪もない一般人が犠牲になりますし、何よりあたしの胃に穴が開きます。

現時点ではいくら強かろうと彼女をアナシスには連れていけない。それがあたしの結論です。」


「・・・まぁ、至極真っ当な意見だね。」


「・・・」


アリエルの出した答えに井戸亜が納得し、純が俯きながら黙り込む。

だがここで別の方向から少し弱々しい声で意見が飛び出す。


「あの・・・アリエルさん。『現時点では』とおっしゃいましたが、何かお考えがあるのでは。」


蒼太のその言葉にアリエルが悪い笑みを浮かべながら口角を攣り上がる。


「ソウタ君は鋭いですね。要するに器物破損癖を治せばいいんです。

具体的には誰かに監視してもらう・・・あたしはナナシ君が適任だと思いますが。」


「おまッ!!アリエル、テメェ!!」


「うむ、自分は一向に構わないぞ。」


「フレイム!!テメェまで!!」


「ハハァ!そいつはよかたい。取り敢えず今日一日、純の嬢ちゃんはフレイムどんと一緒に行動するって事でよかとね。」


「アリエルさん。君も存外、人が悪いね。」


「・・・純さん・・・諦めた方が良さそうですよ。」


「テメェ~~~ら!!!いい加減にしろ!!!!」


「ちょっと!言ったそばから!きゃぁあああ~~~ッ!!」


顔を真っ赤にしながら咆哮を上げる純。その瞬間彼女が立っていた地面から半径5mの範囲に巨大なクレータが出来上がる。

この時アリエルも巻き込まれ尻もちをついて軽く太ももに痣を作ってしまう。その事でアリエルが抗議するが、完全に拗ねた純は頬を膨らませそっぽを向くだけ。

どうやら純のアナシスへの道はまだまだ先が長そうだ。

こうして純と一緒に行動する事になったアリエル達。

姉御の受難はまだまだ続きそうです。

次回は蒼太にスポットを当てていこうと思います。

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