04-03_閑話_ヒーローと片思いの破壊魔
今回は地球のヒーロー紹介第一弾、No.7葉山純です。
04-03_閑話_ヒーローと片想いの破壊魔
「えっ!嘘!フレイムが戻って来たって本当か!赤坂!」
「はい、純の姉御。さっき情報部の奴が話していました。どうやら龍堂総帥と露木局長に呼び出されたみたいです。」
ここはヒーロー連合の大食堂
2人の男女がハンバーガーを片手に話をしていた。
1人は身長175cmくらいの少しウェーブのかかったショートボブの黒髪、切れ長の黒目、筋肉質にも見える引き締まったスレンダーボディ、中性的な顔立ちの王子様系の女性、葉山純。
もう1人は身長165cmくらいで黒の短髪に赤みがかった黒の瞳の少年、赤坂列人。こちらも筋肉質な身体つきだがまだ成長期という事もありやや線が細い。
その2人が何を話しているのかと言うと、
「なぁ、赤坂。フレイムって極秘任務で外に出ていたはずなんだよな。戻って来たってことは任務が終わったってことか。」
「さぁ、そこまでは。」
「よし、今度こそ勝負に勝って・・・それから付き合ってもらうんだ・・・頑張れ俺、負けるな俺・・・」
「姉御~、これで何回目ですか。大体その約束本当なんですか?勝負に勝ったら付き合ってくれるって。」
「あぁ、確かに約束した。試合に勝ったらなんでも一つ言う事を聞くってな。今まで85戦全敗だが今度こそ負けねえ。」
「いや、無理でしょう。だって姉御、フレイム先輩相手の時、全然本気出せてないもんな。」
「うるせぇよ!テメェは黙って俺にフレイムの情報を寄越せばいいんだよ!」
「分かってますって。俺これからお姉ちゃん(笑)の特別講習があるから失礼しますよ。ついでにフレイム先輩の情報も聞いておきますんで。」
「あぁ、そうか。篝ちゃんによろしくな。」
どうやら純は邪な動機でフレイムとの勝負に勝ちたいらしい。
その事に列人が呆れながら話を聞いていたが用事があるようで、ハンバーガーを素早く食べ、その場を後にする。
列人が去ってから純もハンバーガーの残りを食べていると、ふと別の席からの声が耳に入る。
「なぁ、さっきなんかスゲー人達とすれ違ったんだけど。」
「なんだよ。スゲー人って?」
どうやら、ヒーロー研修を受け始めて間もない新人達らしい。彼等の内の1人が少し興奮気味にまくし立てる。
「いや、実習室からこっちに向かっている最中なんだけど、みんなのアイドル『フレアウィッチ』篝ちゃんがいてな、その隣にあの名無しのフレイムさんと井戸亜開発部長もいたんだ。」
「うわぁ~。スゲー顔ぶれだな。でも篝ちゃんと井戸亜部長ってあんまり仲良くなかったよな。大丈夫だったのか?」
「いや、そこはフレイムさんがいたから。それよりもその集団の中に見慣れない女の子がいたんだよ。」
ピクッ
「へぇ~、それは気になるな。どんな子だ。」
ピクピクッ
「なんか髪の毛と目が緑色っていうあり得ない色してたけど、西洋風の顔立ちで小柄な美少女だった。」
ピクピクピクッ
「ほぅ、美少女か。もしかしてフレイムさんのこれだったりして。」
新人の1人が小指を立てながら相槌を打つ。
その言葉を般若の形相で耳聡く聞いている女性が自分達の後ろに立っている事も知らずに。
般若は静かで且つ聞いた者の重力を10倍にしそうな重たい声で新人に詰め寄る。
「なぁ・・・その話、俺にも聞かせてくれねぇかな~。」
「はぅ!は・・葉山さん。何故ここに!」
「俺がどこにいるかなんてどうでもいいだろうがよぉ!それよりほら、さっきの続き。」
「はぃいいいいい~~~~ッ!!!!実は・・・・」
ここで新人研修生は純の圧力に必死で耐えながら、何とか見た事を全て話し終える。
それを聞いた純はと言うと、
「・・・そうか・・・情報提供・・・サンキューな。」
この世の全てに絶望したような顔でその場を後にする。
そのあまりの落ち込みように新人達も少し心配になったのか、口々に原因について語りを始める。
「なぁ、葉山さんの背中がスゲー煤けてるけど、何でだ?」
「お前、知らなかったのかよ。葉山さんはフレイムさんに片想い中なんだぞ。」
「えっ!そうなのか!つか、お前よくそんな事知っているな。」
「でもよ、それじゃ今の話は拙かったんじゃねぇか。だってフレイムさんと仲良さげにしている美少女がいて、もしかしたら彼女かも、とか言ったんだから。」
「・・・あの人、感情が昂るとすぐに物を壊すからな。」
「・・・・何も起きなきゃいいけど。」
純が歩いた床が足の形にへこんでいる事に息を呑む新人達。
彼等は自分達の話のせいで良からぬ事が起きないか気が気ではなかった。
ナナシに問題児扱いされている純ですが、実は恋する乙女でした。
しかし相手はあのナナシ。絶対に無事で済むはずがありません。
次回は第二弾、神崎蒼太の紹介をお送りします。




