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04-01_ヒーローとアリエル初めての地球

今回から地球編です。

アリエルにとっては初の異世界。一体どうなる事か。

04-01_ヒーローとアリエル初めての地球


「ノーラの奴、転移させるのは構わないがいきなり研究室に送り込むのはやめてもらいたいものだ。」


「・・・なに・・・ここ・・・どこ・・・」


「ここは自分達の職場。日本ヒーロー連合の研究室だ。」


「取り敢えず自己紹介からだね。」


ノーラの力で転移したその場所はアリエルにとっては見た事のない、文字通り未知の世界だった。

まず清潔で明るい室内。天井についている火も魔力も使っていない照明 (蛍光灯)。それから材質の分からない白い壁(特殊防音壁紙付き特殊コンクリ製)。戸棚には見た事もない道具の数々(井戸亜の実験道具)。

そしてそこには白衣を着た身長が低い、ぼさぼさ頭の研究者然とした男が佇んでいた。

彼はけだるそうに運命神への愚痴をこぼしながらアリエルの様子を観察し、それからゆっくりと口を開く。


「初めまして、僕は井戸亜仁(いとあじん)。彼等の同僚だ。」


「初めまして、アリエル=ユーリアスです。ナナシ君とカガリさんとは向こうで同じチームでハンターをやってます。」


「・・・アリエルさん。君も大変だったね。この無愛想男とお姉ちゃん(笑)の相手はさぞ苦労しただろう。」


アリエルの挨拶に井戸亜が苦笑いを浮かべながら返事をする。

どうやら相手はナナシと篝の非常識を理解してくれる人だったようだ。アリエルは内心ホッとしながら井戸亜に今までの彼等の所業を愚痴る。


「あっ!分かりますか!そうなんですよ。あたしがしっかり監視していないとすぐに犯罪行為に走ろうとするし、放っておくと無意識に大量破壊やらかしますし。」


「ちょっと!アリエルちゃん、ひど~い!お姉ちゃん、ちゃんといい子にしてたのに~~!!」


「・・・・」


「シャラ~~ップ!!!あたしがいなかったら間違いなくマギルートを吹き飛ばしていたでしょうが!!それに犯罪行為に走ろうとしたのも一回や二回じゃないし!!」


「えぇ~~~!!犯罪はバレなければ犯罪じゃないんだよ~~。」


「・・・フレイム、神崎・・・有罪(ギルティ)だ。」


「えぇ~~~!!そんな~~~!」


「篝さん・・・余計な事を言うからです。」


「ちなみに今までの会話は全て録音されている。後で露木局長に提出するからそのつもりで。」


「えぇ~~~!!あのお説教ババァにそんなの聞かせたら・・・考えただけで胃が痛くなるよ~~!」


「自業自得よ。諦めなさい。」


「ちなみに今の会話も録音しているから、安心して局長の所に行くといい。」


「オ~~~!マイ!ガ~~~~~~~~~~~~~!!」


こうしてお説教が確定した哀れなお姉ちゃん(爆)の悲鳴が研究室を埋め尽くす。

その様子にアリエルが苦笑しているとプルルルル~と言う聞きなれない音(電話の着信音)が井戸亜の方から鳴り響く。

井戸亜が懐から四角い何か(電話)を取り出し、なにやら独り言を呟いた(通話)かと思うと険しい顔になってアリエル達の方に向き直る。


「早速、総帥と情報局長から呼び出しだ。僕と君達3人で司令官室に来いとの事だ。」


「了解です。では2人共、行こうか。」


「うん、分かったよ。」


「えぇ~~ッ!お姉ちゃん、パ~ス!」


「さっさと来い!このバカ女!」


「アァッ!!テメェ!ブッ殺すぞ!クソ井戸亜!!」


『篝、本性漏れてるわよ。』


「おっといけない・・・や~だ~!お姉ちゃん、露木局長、怖~い。」


「篝さん。あまり駄々をこねないで行きますよ。」


「う~ッ、分かったよ~。(よし、2人にはバレてないようだ。井戸亜!余計な事言ったらマジで殺すからな!)」


呼び出しを受けた井戸亜が篝を引き摺りながら司令官室へとヒーローズジャーニーを先導する。

その際、井戸亜と篝の間でひと悶着あったようだが、ヤンキー篝の本性は何とか隠しきれたようだ。

なお、現在殺人鬼の眼光で睨まれている井戸亜は篝の猫かぶりを知る数少ない人間の一人(ただしヤンキー篝の全容は知らない)である。


そんな少し騒がしい様子で司令官室へと向かう4人。途中で数人の人間にすれ違うが皆、余所余所しく挨拶をしてその場を足早に立ち去る。

その様子を少し疑問に思ったアリエルが3人に対して疑問を口にする。


「ねぇ、他の人の態度がちょっとぎこちないと言うか、緊張している感じがするんだけど、何でかな?」


その質問に答えるのは比較的常識人の井戸亜だ。


「あぁ、僕達はこれでもトップクラスの実力者なんだ。

一番ランクが低い僕でもNo.6、フレイムがNo.5、そこのお姉ちゃん(笑)に至ってはNo.2だからね。」


「むぅ!お姉ちゃんは年下の子の面倒とか見ているからそんなに余所余所しくされたりしないもん。

むしろそっちの引きこもりが研究室から出た事が珍しかったんじゃないかな。」


「神崎、それは喧嘩を売っているという事でいいのかな?僕がそれほど辛抱強くない事は知っているだろう?」


「井戸亜さん、篝さん。お二人が揃っているから周りが心配しているんですよ。お二人はすぐに喧嘩を始めますから。」


「・・・」×2


「いや、あたしが思うにナナシ君への視線が一番余所余所しい感じなんだけど。」


「それは彼の普段の行動が原因だな。彼の別名は『ヒーロー連合の風紀委員長』なんだ。」


「そしてこれから説教ババァ、『ヒーロー連合の風紀顧問』の所まで行くんだけどね。」


「篝さん、露木局長の所ではなく、龍堂総帥の所に行くんですよ。」


「なるほど、大体状況は把握したよ。ところでそのツユキさんとリュウドウさんってどんな人なの?」


「ちょっと説明すると長くなるな。それよりもうすぐ目的地に着くから直接見てもらった方が早い。」


などと話しながら歩いていると4人はちょうど目的地である司令官室の扉の前まで来ていた。

そこで井戸亜が四角い箱 (インターホン)のボタンを押すと、ピンポ~ンという電子音がなり、それから少ししてインターホンから女性の声が聞こえる。


「井戸亜部長に篝さんにフレイムさんに異世界からの御客人ですね。どうぞお入りください。」


その声を合図に扉がカチリと音を立て勝手に開く。

アリエルがその光景に目を見開いていると井戸亜を先頭にナナシと篝もそれに続く。


「アリエルさん、行くよ。」


「・・・あっ!はい!ごめんなさい。」


「ははぁ、どうやらアナシス出身のアリエルさんはこっちの道具に驚いているようだね。まぁ、気持ちは分かるよ。あっちの文明レベルはこっちで言うと500年くらい前になるからね。」


「・・・イトアさんはどうしてそれを?」


「君は意外に鋭いね。その事については追々ね。それより今は目の前の事だ。

これから日本ヒーローの最高責任者に会うから。」


「えっと~、怖い人じゃないですよね。」


「大丈夫、2人共一般人にはとても優しい人だから。」


「ヒーローには?」


「悪魔だよ!特に露木のババァが!」


「篝さん・・・そういう事を言うから露木さんの当たりがきつくなるんですよ・・・」


などと話している内に4人は司令官室の中にある応接間の前まで辿り着いた。

先頭の井戸亜が扉をノックすると中から先ほどの女性の声が返事をする。


「井戸亜部長ですね。どうぞお入りください。」


「はい、失礼します。」


扉の中に入るとそこは机とソファー、それから少しの調度品が置かれただけのシンプルな部屋で、ソファーに腰かけた2人の男女の姿があった。

1人は座っていても分かるくらいの大柄で身長2mを優に超え、巨大な筋肉を身に纏った白髪交じりの黒髪と黒く鋭い眼光の壮年の男性。

1人はナナシより少し低い170cmくらいだろうか。女性としては少し高めの身長とスレンダーな身体つき、見た目30代後半くらいの凛とした女性。

2人の姿を確認すると井戸亜が代表して挨拶をする。


「龍堂総帥、露木局長。井戸亜並びに神崎篝、名無しのフレイム、異世界人アリエル=ユーリアス。お呼び出しを受け、只今参りました。」


「ご苦労様です。では早速ですが、そちらの事情を教えて頂いても・・・」


「おい、露木局長。まずは自己紹介からだろうが。あちらには異世界からの客人がいるんだからよぉ。」


「おっと、これは失礼しました。」


ここで堅い表情で話を進めようとする女性露木を大柄な男性龍堂が窘める。

そして龍堂はその厳つい顔からは想像もつかない、人懐っこい快活な笑みを浮かべながら口を開く。


「すまねぇな。アリエルさん、でいいかな。俺がここ、日本ヒーロー連合の責任者龍堂帝(りゅうどうみかど)って者だ。

そしてこっちは俺の右腕で情報局長の露木雫(つゆきしずく)だ。まぁ、今後ともよろしくな。」


「アリエル=ユーリアスです。よろしくお願いします。」


こうして史上初の異世界人と日本ヒーロー連合最高責任者との会談が幕を開けた。

アリエルは地球のものに色々と興味津々の様ですね。

次回は日本ヒーロー連合の内情に少し触れて行きたいと思います。

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