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03-09_ヒーローとお食事タイム

今回は、探索を終えて一休憩です。

03-09_ヒーローとお食事タイム


「では早速だけど僕は発掘の為の理由をでっち上げるから君達は領主にアポを取ってくれないか。」


「分かりました。それではお気をつけて。」


『孤島の石碑』の調査第一回目を終えたナナシ達は帰還後、ルーファスと宿泊場所、連絡方法の交換をした後、一旦その場を解散する事にした。

ルーファスを見送った後、最初に口を開いたのはアリエルである。


「さてと、昼過ぎだけど取り敢えずご飯かな。」


「そうだね。お姉ちゃんはなんか名物が食べたい。」


「よっしゃ!そういう事なら俺達に任せとけ!」


「高級グルメからB級グルメまでなんでもござれだよ。」


「・・・では今回は自分が持とう。だがその前に着替えてからだな。」


今、篝、カトラ、リルの3人は水着姿に上着を羽織っただけの状態である。

この状態では流石に店には入れないので3人の着替えを済ませる。

そして再び全員が集まった所でこれから店を決めようという段でカトラがナナシに質問するのだが、


「えっと、ナナシ兄ちゃん。予算はいかほどで。」


「そうだな。取り敢えず10万シータもあれば足りるか?」


「はぁ!!!」×3


「・・・フレイム君って相変わらず金銭感覚がぶっ壊れてるよね。普通日本でも一食10万シータ(100万円)は食べないと思うよ。」


ナナシのあまりの金銭感覚のおかしさに絶句するアリエル、カトラ、リルと冷静且つ的確にツッコミを入れる篝。

結局5人はこの島自慢の海鮮料理が食べられる人気高級料理店で食事がてら今後の計画を練る事にした。


「なに、ここ・・・なんか椅子とか調度品とかちょっと値段を聞くのが怖い感じなんだけど。」


「やべぇ~、俺達ここに来たの初めてなんだよ。何頼もうかな。」


「ねぇ、ナナシお兄ちゃん。予算10万シータって本当?」


「いやいや、リルちゃん。流石にそんなには食べられないでしょう。」


「出来ないこともないよ。ほら、アクルス産高級海鮮フルコース1人前1万シータ。これを10人前頼めば余裕でいけちゃうよ。」


「高っ!ってカガリさん・・・これって1人前でもかなりのボリュームだよ。最高級鮮魚のカルパッチョにマグロのカブト煮に海鮮串揚げ盛りに蟹の炭火焼きにアワビの鉄板焼き、それから・・・」


「ちょっとアリエル姉ちゃん。それ聞いてるだけでお腹空いてくるからやめろよ。」


「なんでも厳選された食材と一流のシェフの腕で新鮮な魚介のうま味を引き出した珠玉の一品らしいよ。」


「では、それを取り敢えず人数分頼むとするか。」


「え~~~!!」×3


「わ~い!フレイム君、楽しみだね。」


ナナシは壊れた金銭感覚に任せて何も気にすることなく、一人当たり1万シータ(10万円相当)の昼食を注文する。

この事実に普通の金銭感覚を持つ3人は絶叫し、ナナシに奢って貰えるのが嬉しいのか、テンション高めになる篝。

暫くすると色とりどりの高級料理が運ばれ、一般人3人も最初はビビッていたが、いざ料理を口に運ぶとその美味さに手が止まらなくなる。


「このカルパッチョ、魚のうま味がすげぇ~。弾力があって生きが良いのに口の中で脂がとろけるようだ。」


「カブト煮のがっしりしたうま味と濃厚な味付け。それでいて身は口の中で解けるほど柔らかい。」


「あたし、海の食べ物ってほとんど食べた事ないけど、蟹ってこんなに美味しいの。強烈なうま味と弾力、それから磯の香が体全体を支配するようだよ。」


「うむ、この串揚げの火の通り具合の完璧さ。エビ、イカ、ホタテ、白身魚などなど種類も豊富でそれぞれに合わせて油の種類も変えている。しかも素材に合わせたソースはどれも絶品。値段以上の価値があると言わざるを得ない。」


「アワビがすっごく大きいよ。これ地球で食べたらこれだけで5万は取られるよ。もしかしてこのコースって物凄くお得だったりしない。」


などと一流の料理にご満悦の面々。あれだけのボリュームのコースをペロリと平らげた5人は食後のデザートに出されたトロピカルフルーツのシャーベットをつつきながら今後について話始める。


「まずは領主とのアポイントだな。カトラ、リル。どうすればいいか分かるか?」


「う~ん、普通に役所に行けば教えてくれると思うけど、それだと時間がかかると思うよ。」


「だね。領主様だって暇じゃないだろうし。」


「そうか・・・出来れば2、3日中には会いたいのだが。」


「お姉ちゃん的には取り敢えず役所に行ってみるのがいいと思うよ。今は他に方法もないことだし。」


「・・・そうだね。他に出来る事もないと思うし。」


「では、食事が終わったら役所に行ってみよう。カトラ、リル、悪いが道案内を頼むよ。」


「了解!!」×2


「・・・・」


こうして5人は役所へと向かうのだが、この時ナナシはアリエルの様子にわずかに違和感を覚える。

どうも食事を終えた後あたりから、いつもより口数が少なく覇気がない様に思える。

この様子は昨日の夜と同じだとナナシは感じる。


(さて、アリエルが何か悩んでいる様だが・・・確認する必要がありそうだな。しかしどうしたものか。)


ナナシがアリエルについて考え事をしているうちに役所にたどり着き、早速受付嬢に領主へのアポイントをお願いしたのだが、


「申し訳ございません。領主とのアポイントは3ケ月待ちとなっております。

何か緊急性を伴う用事でないのでしたら、今回の所は予約だけという事でお引き取り願う事になります。」


と言われたので取り敢えずアポだけ取ってその場を去ることにした。

意気消沈するナナシと篝を余所に先ほどより若干気持ちを取り戻したアリエルが話を切り出す。


「う~ん、まぁ予想していた事とは言え簡単に領主様には会えなさそうだね。これからどうしようか?」


「やっぱり内緒で発掘するのが一番手っ取り早いとお姉ちゃんは提案します。」


「確かに3ケ月は待てないな。どうせ調べるだけなんだから勝手に入り口を開けて、用が済んだら証拠隠滅した方がいい気がしてきた。」


「コラ!犯罪者予備軍!そういうのは禁止だっていつも言ってるでしょうが!!

大体、今回はルーファスさんもいるのよ。あたし達だけじゃなくて本当に罪もない一般人を罪人にするつもり!」


「ではどうする?流石に3ケ月は待てないぞ。」


「うぅ!それは・・・」


結果、良い案も浮かばず意見が堂々巡りするヒーローズジャーニーの面々に対して、カトラとリルが口を開く。


「なぁ、兄ちゃん達。取り敢えず他の方法でアプローチするって言うのはどうかな。」


「他のアプローチ・・・とは?」


「そうだね。例えばあの石碑に書かれた文字と同じものを探すとか?実は私達、あれと似た文字を見た事があるんだ。」


「ちょっと!リルちゃん。それ本当!」


「うん、私達が秘密基地にしている場所。よかったら案内するよ。」


「あぁ、頼む。」


こうしてカトラとリルの案内の下、ヒーローズジャーニーは『名前ある者の神』の手掛かりを求めて次の目的地へと向かうのであった。

『孤島の石碑』と同じ文字が書かれたものがあるとの事で、そちらに向かう事になったヒーローズジャーニー。なんかゲームのお使いイベントみたいにどんどん目的から外れて行っている気がしてなりません。

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