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03-08_ヒーローと孤島探索

今回は孤島の石碑の内容の確認からですね。

03-08_ヒーローと孤島探索


「つまり、君達はこの文字が読めるという事だね。早速読んでもらえないだろうか。」


『孤島の石碑』の元にたどり着いたナナシ達が見たもの、それは巨大な石碑に記された夥しい量の日本語だった。

ナナシ達が『孤島の石碑』を読める事が分かったルーファスは早速読むように催促する。

しかしここでナナシと篝は少し渋い顔をし、その理由をナナシが語り始める。


「ルーファスさん、とても言いづらいのですが、ここに書いているのは『勇者ナベリウスの物語』みたいです。」


「そうなの?なんか日本昔話みたいな感じで書かれてるけど、一番上に書いているあれがタイトルなのかな?」


それを聞いたルーファスが少し黙り込んでから意見を口にする。


「すまないがカガリ君。この石碑に書いている事を読み上げてくれないか。」


「ん?分かりました。え~っと・・・昔々ある所に・・・」


篝が読み上げた石碑の内容はまさしく『勇者ナベリウスの物語』そのものだった。

まぁ口調は完全に日本昔話なので、図書館で見た原本や絵本で発売されているものに比べたら少し間の抜けた読み口ではあるが、問題はそこではない。

『勇者ナベリウスの物語』の内容を知らないはずの篝が石碑からその内容を読み上げたと言う事が重要なのである。

この事実にルーファスは大いに興奮し、全文読むように促す。


「・・・以上で終わりだよ。何か分かりましたか?」


「そうか、それで終わりか。ありがとう・・・」


篝の読み上げた内容にルーファスが少し気落ちした様子で返事をする。

その様子に心配になったカトラとリルが気づかわしげに質問する。


「どうしたの?先生凄くがっかりしてるみたいだけど。」


「『孤島の石碑』の内容が分かったんだからもっと喜んでもいいと思うのに。」


「・・・すまないね。気を遣わせたみたいで。確かに内容が分かったのは嬉しいんだけど・・・」


カトラとリルの言葉に何とか返事をしつつも、落胆から立ち直れないといったルーファスの様子にナナシが助け舟を出す。


「つまりルーファスさんはここに書かれているのが今まで見つかっている『勇者ナベリウスの物語』の1部と2部の内容だった事にがっかりしているんだ。

ルーファスさんの目的は3部を探す事だったからな。」


「その通りだよ。『孤島の石碑』に3部の手がかりがあればと思ったのだが。」


「なるほど~。それでがっかりしてたのか。」


「でも、この島を調べれば別の石碑が出る可能性もあるんじゃないかな。」


カトラとリルがルーファスを慰めようとした言葉にルーファスは更に気を落とす。


「それは無理だよ。まずどこにあるか分からない物を探すとなると大規模な発掘調査が必要になる。

そういった場合、所有者の許可が必要なんだけどこの島は領主のもので、島のものをいじるには領主の許可が必要なんだ。

勝手に掘り返したり、ものを持ち出したりしたら罰せられるんだよ。

許可を取ろうにも僕に領主との伝手なんてないし。」


「う~ん、確かにそれは問題ですね。」


ルーファスの言葉にアリエルが相槌を打った直後、篝がまたしても良からぬ事を口走ろうとする。


「はいは~い、お姉ちゃんに良い考えがありま~す。」


「却下!」


「アリエルちゃん!お姉ちゃんまだ何も言ってないよ!」


「どうせ碌でもない事でしょう!聞く前から却下よ!」


「アリエル。気持ちは分かるが話が進まないので聞いてやって欲しい。」


「フレイム君も優しいふりして手厳しい!!」


「取り敢えず話を進めてくれないかい。」


いつまで経っても話が進まない3人の遣り取りに業を煮やしたルーファスが話を促す。

その言葉で漸く篝が咳払いと共に話を切り出す。


「コホン、つまり問題なのは勝手な事をしたのがばれる事だよね。」


「もう、その単語だけで嫌な予感しかしないんだけど。」


「こら、アリエルちゃん。茶々を入れない!」


「それで結局どうするのですか?」


「つまり人間がやるから罰を受ける事になるんだよ。

だから精霊にお願いすればいいとお姉ちゃんは提案します。」


「と言っているがタイラント、フェニックス、どう思う。」


『却下』×2


「えぇ~!なんで~!」


篝の名案?に対して精霊二柱は即座に否を示し、篝がその理由を問い詰める。


『我らに実体がないからだ。』


『私達単体では石ころ一つ動かせないのよ。』


「うぅ・・・いい作戦だと思ったんだけどな。」


「・・・いや、悪くない作戦かもしれませんよ。」


篝の他力本願な作戦に対して、何かを思いついたのかナナシが意見を口にする。


「まず、島に何かがありそうかタイラント達に先行して探索してもらう。それで何か見つかればそれを理由にこの島を所有する領主に許可を取りに行く。

発掘の理由は学者であるルーファスさんの研究の結果何かありそうだからとでもしておけば、許可も下りやすいだろう。」


「まぁ、何もないよりはマシだよね。」


「先ほどからよく分からない単語が色々と出ているが、君達は地中を調べる手段を持っているんだね。

確かに許可を取るにしても何が出るか分からない状態より、出る可能性が高い方が説得もしやすいね。」


「そう言う訳だから、すまないが2人とも探索を頼めるか?」


『承知。』『分かったわ。』


ナナシの願い出に精霊二柱は了承の意を示し探索へと向かう。

それから待つこと暫し、


『島の中心に大きな空洞を見つけた。そこになにかあるようだ。』


『この島の東の海岸に入り口が塞がれた洞窟があってそこから入れそうよ。』


「なるほど、ありがとう。助かった。」


「フェニちゃんもご苦労様。おかげでお姉ちゃん株も急上昇したよ。」


「精霊の株は上がったけど、カガリさんの株は別に上がってないよね。」


「フェニちゃんの手柄はお姉ちゃんの手柄、お姉ちゃんの手柄はお姉ちゃんの手柄なんだよ。」


『篝、あんまり調子に乗るとタイラント経由でフレイムさんに色々聞かれたら困ること告げ口するわよ。』


「フェニ様!すみませんでした!だからそれだけは勘弁して下さい!!」


「・・・」×5


虚空に向かって土下座する篝に対して、残りの5人は無言で視線を逸らす。

これは見てはいけないものだと5人とも判断した為である。

そして謎の儀式を終えた篝を待っていたのは可哀そうなものを見る様な皆の視線だった。

こうして1回目の孤島探索は一定の成果を収めたと言えるが、哀れなお姉ちゃん(笑)はその心に多大なダメージを受けるのであった。

取り敢えず、第一回目の孤島探索が終わり、新たな目標が出来たヒーローズジャーニー。

果たして孤島の空洞には何があるのか。次回は領主とアポを取れたらいいなっと思います。

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