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03-07_ヒーローと『孤島の石碑』

今回は『孤島の石碑』とご対面です。

03-07_ヒーローと『孤島の石碑』


「どう、この水着!似合ってるかな?」


「おぉ~、カガリちゃんエロ~い。」


「さっきまでおこちゃま扱いしてすみませんでした!カガリちゃんは(胸が)立派な大人でした!」


「コラ~!!!カガリさん!!なんて恰好してるのよ!!」


「・・・・」


これから『孤島の石碑』まで行く事になったので、篝達を呼びに行ったナナシとアリエルが見たのは、観光客用のビーチで水着に着替えすっかりバカンスを楽しむ3人の姿だった。

カトラはトランクスタイプの海パン、リルは子供用の水色のワンピースの可愛らしい水着、そして篝はその無駄にでかい胸の存在感をさらに主張する黒のマイクロビキニを着て、トロピカルジュース片手にデッキチェアで思いっきりくつろいでいた。

篝の恰好にリルが囃し立て、カトラが前屈みになりながら謝る姿は実に平和なものだった。(ただし今が調べもの中でなければ)

それを見たアリエルは破廉恥な恰好に対して当然の様に怒り、ナナシは無言のまま炎使いであるにも関わらず絶対零度の視線で篝を見据える。

ナナシの視線に篝が若干怯みながらも反論する。


「だって、せっかくリゾート地に来たのに全然それらしい事してないんだよ。ちょっとくらい羽を伸ばしてもいいんじゃないかとお姉ちゃんは主張します!賛成の方は挙手!!」


「は~い。」×2


「では反対の方。」


「・・・」×2


「はい、3対2の賛成多数により今日はこのまま遊ぶ事に決定です!!」


「わぁ~~~~!!」×2


(イラッ)

おこちゃま3人のふざけた様子にこめかみをひくつかせながら、アリエルが寒気がする様な静かで低い声で呟く。


「カトラ君、リルちゃん。あなた達の雇い主は誰でしょうか?」


「はぃ!!アリエル姉ちゃん(お姉ちゃん)です!!」×2


笑顔で且つとても丁寧なアリエルの口調に逆に恐怖を感じた子供2人は軍隊張りのハキハキとした声で返事をする。

それを見たアリエルは笑顔を更に深め話を続ける。


「職務放棄するとペナルティがつくのは社会の常識です。」


「はい!仰る通りです!!」×2


「では、質問です・・・あなた達がこれからやることは?」


「皆様をガイドすることであります!!」×2


「宜しい。ではこれから『孤島の石碑』の探索に行く方は挙手をお願いします。」


「はい!!!」×2 「・・・・」


「4対1により『孤島の石碑』探索に向かう事に決定しました。」


「そんな~~~、ちょっと待ってよ~~。」


アリエルの脅迫に屈したカトラとリル。それでも尚、篝は往生際悪く食い下がろうとする。

そこへナナシが無表情でトドメを刺しに掛ける。


「篝さん・・・電気椅子に座ったまま反省文10万文字の刑に処されたいですか?」


「へっ!フレイム君・・・冗談だよね?それやったら普通に死んじゃうよ。」


「大丈夫です。死なない程度に電圧は調整しますから。実験は赤坂で済ませています。」


「もしかして一か月前くらいに赤坂君が一週間使い物にならなくなったのってそのせい?」


「はい。奴が『胸囲の格差社会廃絶の会』なる怪しげな秘密結社を立ち上げようとしていましたので。」


「それって立ち上がってたらお姉ちゃんも標的になってたのかな・・・ってそうじゃないよ。

あの体力馬鹿でお姉ちゃんパンチ10連叩き込んでもすぐに復活する赤坂君を瀕死にする刑とかされたら、流石のお姉ちゃんもキツイよ~~!!」


「ではやる事は分かりますね?」


「はい、真面目に調べものをします・・・」


「この人達、怖いわ~~~~。」×3


ナナシが口にする拷問に心を折られる篝と恐怖で震える残りの3人。

着替える時間が惜しいという事で3人には上着だけ羽織ってもらい、そのままルーファスの元へ向かう事になった。

その時、篝はナナシの上着を借りる事が出来た事で一気に機嫌が良くなったのだが、ナナシは当然その事に気づいていない。

どうやら篝はナナシにかまってちゃんだったらしい事に、アリエルはなんとも言えない表情を浮かべる。

そんなこんなでようやくルーファスと合流した5人なわけだが、彼が用意した船に対して思わず声を漏らす。


「ルーファスさん・・・これで行くんですか?」


「なんて言うか・・・」


「オンボロだな・・・」


「ははっ、すまないね。予算があまりなくて。一応強度は大丈夫なはずだけど。」


そう、今から大海原に出ようというのに、彼の船は手漕ぎのオンボロボートだった。

これにはさすがにアリエル、リル、カトラも呆然とする。

一方、ナナシと篝に動じた様子は見られない。ナナシはボートに近づきその強度を確認する。


「・・・見た目は古そうだがしっかりしているようだ。これなら問題ないだろう。」


「・・・・お姉ちゃんも術で調べてみたけど、見た目より強度が高いよ。」


「へぇ~、お兄ちゃん達ってそんな事も分かるんだ。」


「まぁ、2人がそう言うなら大丈夫でしょう。」


「所で誰が漕ぐの?」


「それは自分がやろう。」


「じゃあ、出発しようか。新たなる発見の為、いざ『孤島の石碑』へ。」


「了解、では行くぞ。」


「ちょっと待って!ナナシ君!みんなしっかり捕まって!!」


「えっ、どうしたの、アリエル姉ちゃん・・って、うわぁぁぁぁぁぁぁ~~~!」


「落ちるぅ~~~~!助けてぇ~~~~!!!」


「フレイム君!!ゆっくり!!ゆっくり~~~~!!」


船の強度確認が終わった所で全員を乗せた船は、ナナシを漕ぎ手として走り出す。常人には少しばかりハード過ぎるスピードで。

それからしばらく、ルーファスの予定よりだいぶ早く目的の島まで辿り着いた。ただし一般人である4人は船酔いでグロッキーである。

4人の体調が回復するまで少し休んだ後にルーファスの合図で行動を開始する。


「じゃあ、これから『孤島の石碑』に案内するよ。」


そう言って歩くこと暫し、ナナシ達の目の前には大きさが約10mの金属の様な独特の光沢がある石碑が佇んでいた。

その石碑にはルーファスの言った通り、模様の様に文字がびっしりと書かれているのだが、それを見た時ナナシと篝は驚愕の表情を浮かべる。


「・・・どうしたの、二人とも。そんなに驚いて、何か気づいたことでも?」


今、見ているものが信じられないと言った風情の2人に対してアリエルが質問すると、それにナナシと篝が答える。


「この石碑に書かれているのは確かに文字だ。だがこれは本来ありえないことだ。」


「うん、しかもこれって偶然の一致とかじゃ片づけられないレベルだよね。」


「一体何が分かったんだい?」


「ここに書かれている言語は()()()つまり私達の故郷の言葉なんだ。」


「!!!」


「・・・」×3


篝が発した言葉にアリエルは驚愕で言葉を失い、他の3人はその意味が分からず黙りこむのであった。

なんと石碑に刻まれていたのは日本語。

これが意味することは、一体何か。

次回、孤島探索を予定しております。

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