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01-02_ヒーローと聖女の出会い

フレイムとヒロイン?の出会いです。

でもこの筆者、書いてる内にヒロインが予定外のキャラになった前科があります。

この子は最後までヒロインでいられるのでしょうか?

01-02_ヒーローと聖女の出会い


「タイラント、一面真っ青で綺麗な空だな。」


『何を淡々としている!!確かに一面空だ!!何故ならここは地上から1万m以上離れているからな!!』


「タイラント、慌てすぎだ。自分がその程度でどうこうなるわけでもないのに。」


『貴様が落ち着き過ぎなのだ!!いきなり空に放り出されれば普通はもっと驚くのだ!!』


先程、異世界転移の女神の手により転移したフレイムは今地上から1万m離れた上空を自由落下していた。

どうやら転移時の女神のくしゃみが原因らしい。

まぁ不可抗力だし、次会った時は説教くらいで勘弁してやるか、などとフレイムは考えながら地上に意識を向ける。


何やら動物?の群れが一人の少女を追いかけているようだ。

少女は緑髪のツインテールで身長は160センチ手前くらい、体型はやや痩せ気味で凹凸は控えめ。

服装は金属製の胸当てと腰には剣、おそらく兵士か何かだろう。

体の動きを見る限り鍛えてはいるようだが、フレイムから見ればかなり未熟。

少女が動物達の進路上にいて追いかけられているのか?取り敢えず救助をするか。

フレイムは炎の術を使い自由落下の速度を上げ、一気に少女の元へと近づく。



少女は焦っていた。なんでこんなところでモンスターの群れが?

護衛を勤めてくれていた2人の騎士もやられてしまった。

このままでは任務を達成することができない。

自分が失敗すれば多くの人に迷惑がかかる。

とにかく今は逃げないと。

いけない、息が上がってきた。このままでは追いつかれる。


ズドーーーン!!!


もうダメかと思った次の瞬間、背後の地面が大気を震わせるような爆音とともに揺れ動く。

驚いて振り返るとそこには一人の青年が立っていた。


「そこの少女、これから君を保護する。悪いが失礼するよ。」


そう言って青年は少女を抱えて走り出す。

その凄まじい速さに少女は舌を巻くが同時に危機感を覚える。

このままではこの人を巻き込む。


「あの、助けて頂いたのに申し訳ありません。今すぐ私を置いていってください。

あのモンスター達の狙いは私です。このままではあなたも巻き込まれます。」


そう告げるとなぜか青年はその無表情な顔を僅かに緩ませながら少女にゆっくりと語りかける。


「なるほど、あの動物?の群れはモンスターと言って、意思を持って君を狙っているわけだな。

では奴らを退治する所からだな。」


そう言って青年は私を地面に下ろし、モンスターの群れと対峙する。


「うむ、見た所どれも大したことないな。これなら変身するまでもないだろう。」


青年が何やら呟きながら、モンスターの群れに高速で突っ込んでいく。

そして


ドカ!!バキッ!!!ゴゴゴ!!!


その体一つでモンスターの群れを蹂躙していく。

近づいて来たゴブリンを殴り飛ばし、オークを蹴り倒し、オーガを投げ飛ばす。

そして吹き飛ばされたモンスターに巻き込まれる形で別のモンスターも次々に倒されていく。

その圧倒的な力と速さはモンスターに攻撃の機会すら与えない。

モンスター達はみるみる内に数を減らしていく。

そしてよく見ると空中のキラーホーク相手に彼は空中を多段ジャンプする事で近づき、そのまま飛び蹴りを叩き込む事で退治していく。

空中の飛行モンスターを格闘技で倒す人間なんて見た事がない。

その姿は全てをなぎ払う暴風、人の形をした災害だった。

ものの数分で100を超えていたモンスターの群れを一人の青年が蹂躙し尽くす。

その鮮烈な光景を少女はただただ見ている事しかできない。

これが少女と青年『名無しのフレイム』のファーストコンタクトだった。


モンスターを全て倒した青年が息一つ切らす事無く、無表情に少女に話しかける。


「怪我はないか。それから2、3聞きたい事があるが構わないか。」


「はい、助けて頂きありがとうございます。怪我とかは大丈夫です。」


少女は改めて青年の姿を確認する。

年の頃はおそらく20いかないくらいだろう。少女は青年は自分と同じか少し年下だと思った。

端正な顔立ちで背は少し高め、髪と目はこの国には珍しい黒、髪の長さは短く、赤と黒をベースにした服は丈夫で無骨だが清潔感がある。

その体躯は細身に見えて猫科の肉食獣のようにしなやか、この人は戦う事を生業とした人物で間違いないが、それにも関わらず武器などは持っていない。

おそらく先程の様な体術を主体とした戦闘に特化しているのだろう。

少女がその緑色の大きな瞳でまじまじと青年を観察していると青年の方から口を開く。


「まずは自己紹介といきたいところだが・・どうしたものか。

自分には名前がないし、『名無しのフレイム』とでも呼んでもらおうか。

君の名前は?」


「あっ!失礼しました。

私はアリエルって言います。歳は18歳です。よろしくね『ナナシ』君。」


「18歳か、じゃあ君の方が年下だな。自分は22歳だ。

ではまず質問だがここはどこだ?」


「えっ???」


「ああ、すまない。いきなりこの質問をしては困惑するな。

少し事情を説明しようか。・・・・」


ここで青年ナナシは事情を説明する。

勿論、異世界から来たとかそんな事は言えないので、事故でよくわからないところまで飛ばされたと、かなりぼかして説明する。

少女アリエルも色々と疑問に思いながら、話せない事情があるのだろうと自分を納得させながら話の内容を確認をする。


「・・・つまり、ナナシ君は故郷では治安維持のお仕事をされていて、今は故郷の治安を乱す存在を追っている。

追跡中に事故に遭い、よくわからない場所にたどり着き今に至る、っと言う事でいいですか。」


「ああ、概ねその理解でいい。それで先程の質問に戻るがここはどこだ?」


「えっとここは『ガードナー王国』の王都『シルディオ』からおよそ10キロ北東のラウンズ平原です。」


「うむ・・・聞かない名だな。タイラント、どう思う?」


『これは完全に異世界だな。あの異世界転移の女神とやら、どうやら本物だったらしい。

その証拠に精霊の自動言語通訳が発動している。彼女が話している言葉は地球には存在しない。』


「なるほど、半信半疑だったのだが、君が言うなら間違いないだろう。」


「えっと?どうしたんですか?さっきから独り言を話しているようですが?」


『フレイムよ、我の声は貴様にしか聞こえないのだ。余り人前で我と話すな。』


精霊タイラントにいつもの調子で声を掛けたナナシは今人前である事を指摘されハッとする。

表面上は分からないがナナシは少し慌てて誤魔化しながらアリエルと話を続ける。


「おっと、すまない。なんでもないんだ。少し状況を整理していただけだ。

出来れば人がいる所までいきたいのだが、ご迷惑で無ければ道を教えて欲しい。」


「分かりました。これから王都に向かう予定ですのでよければご一緒ください。

本当の所を言いますとあなたの様な強い人が一緒だと心強いです。」


「なるほど、君は道案内で自分は護衛というわけか。

お互い渡りに船というわけだな。それではよろしく頼む。

ついでにこちらの常識を教えてもらうと助かる。なにせ他国から来たのでね。」


「はい、分かりました。それが道中の護衛料という事で。

正直お金も少ないですし助かります。それでは行きましょう。」


こうしてナナシとアリエルは王都に向かって歩き始めた。

ここでフレイムの呼称についてです。

フレイムはヒーロー名

ナナシは個人名という風に使い分けします。

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