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02-おまけ_ヒーローショー予行演習

おまけです。ヒーローショーの裏側についてお送りします。

02-おまけ_ヒーローショー予行演習


「じゃあ、シナリオも出来たし、練習行ってみよ~!!」


篝のこの掛け声と共にレジスタンス達はヒーローショーの練習を始める。

そんな中、今回の主演の篝と悪役のナナシは立ち回りについて打ち合わせを始める。


「アクション場面なんだけど、お姉ちゃんがフレイム君を箒で打ち上げてそのまま特大の術を放つから。」


「分かりました。自分はその術を相殺しつつ、派手に爆発させてその場を離脱ですね。」


「それじゃ、これからその場面に入るまでのアクションを練習してみようか。」


この一言をきっかけにアナシス史上初の怪獣大決戦の火蓋が切って落とされるのであった。


「なんだ、なんだ。こりゃ何の騒ぎだ。」


「なんでもあのカガリちゃんとナナシ君が模擬戦するらしいぞ。」


「ちげーよ。今度王都でやる大芝居の練習だとよ。」


「危ないから1キロ以内には近づくなって言われたけど、そんなに離れる意味あるのか?」


「おっ!始まったぜ。まあ、見てれば分かるんじゃないか。」


レジスタンスが野次馬をする中、


「『変身』!!マジカル、ミラクル、魔法少女ミラクル篝ちゃん、只今参上!!」


篝は頭に黒の三角帽子、目元に不死鳥の羽をモチーフにしたマスク、背には炎の様に真っ赤なマントを羽織り、その右手には柄が漆黒で穂先は燃え盛る炎に包まれた魔女の箒を持った、深紅の瞳と髪の少女『フレアウィッチ』に、


「『変身』チェンジ、ガンナーフォーム。」


ナナシは真っ赤なプロテクターにシャープな形のガントレット、如何にも頑丈そうなグリーブ、頭全体を覆うマスクの目は他の部分より更に深い赤で、耳と肘と踵の部分に炎を型どった様な装飾、腰には銃を佩いた真紅のヒーロー『フレイム_ガンナーフォーム』へとその姿を変貌させる。


二人の彼我の距離はおよそ50m、二人は同時に動き出す。


「じゃあ、まずは小手調べだよ。『蝶炎舞(ちょうえんぶ)』×10000!!」


「『クイックバレット』×1000」


篝が10000匹の炎の蝶をフレイムに向けて飛ばしたのに対して、フレイムは1000発の特大の銃弾にて対抗。

蝶の方が数では勝っているが、威力の方は銃弾の方が遥かに上で、銃弾の群れは蝶を飲み込み篝へと殺到する。


「流石、フレイム君。次はこれだよ!『飛翔鳳凰炎(ひしょうほうおうえん)』!!」


「くっ!『ヒートバレット・フルバースト』!!」


ナナシの銃弾の群れをあっさりと篝の鳳凰が蹴散らし、今度はフレイムが攻撃を受ける側になる。

すかさずフレイムは両の拳銃から最大出力の熱光線を放ちそれを相殺する。


「フレイム君、流石だね。じゃあもう少しギアを上げていくよ!『龍炎波(りゅうえんは)』!」


『サウザンドバレット』


蛇炎葬送(じゃえんそうそう)


『バレットテンペスト』


鳳凰獄炎衝(ほうおうごくえんしょう)


『ミリオンバレット』


篝が放つ極大の炎の龍、蛇神、鳳凰をフレイムの弾丸が次々に相殺していく。


「ここまで耐えるなんて、すごいよフレイム君。苦手だった飛び道具の扱いもかなり上達したね。」


「ご冗談を・・・自分はもう全力なのに対して篝さんは全然余力があるじゃないですか。」


僅かに息を切らしながら話すフレイムに篝が満面の笑みで応対する。


「うん、それは仕方ないよ。だってガンナーフォームって対お姉ちゃん用としては一番相性が悪いからね。

間合いを詰められてグラップラーフォームとか、超高速のフェニックスフォームとかされたらお姉ちゃんの方がやられちゃうもん。」


「まあ、今回は派手にやられないといけませんので、このガンナーフォームが最適なんですがね。

それでは仕上げに移りましょう。」


「OK~。じゃあ行くよ!!『お姉ちゃんアッパー』!!」


「くっ!!」


この時、篝から放たれた箒による強烈なアッパーを、フレイムは顎の下で銃を交差させながら防ぐと同時に派手に空中に飛び上がる。

一見すれば顎に直撃しているように見える当たり、もはや職人芸と言っても過言ではない。

そして見事に吹き飛んだフレイムに篝が追撃を掛ける。


「行くよ!マジカル、ミラクル、超奥義『スターフレア』!!!」


「・・今だ!!『バーストバレット・フルファイア』!!」


篝が放つ超高出力の熱破壊光線に対して、フレイムは高エネルギーの爆裂弾を放つ事で爆風を生み出し、それに乗ってその場を離脱。

このまま爆風に乗って10キロ程吹き飛ばされた地点で着地し、それから約2分後、なに食わぬ顔で篝と合流する。


「今の感じでどうでしょうか。」


「うん、いいと思うよ。爆風でトドメになってる感じに見えたと思うし、見栄えも良かったよ。」


「では、本番はもう少しアクションを増やして行きましょうか。」


「うん、そうだね。その方がきっと観客も喜ぶよ。」


などと2人が話しているところに鬼の形相をしたアリエルがやってくる。


「・・・バカ言ってんじゃないわよ!!この破壊神どもが~~!!!」


「「えっ!なんで?」」


「なんでじゃないわよ!!見なさい!あなた達が戦った場所の惨状を!!」


そこには元々平坦だった砂漠にできた無数のクレーターと巻き添えを喰らい消し炭になったモンスターの死骸、その様子を見てビビりまくるレジスタンス達の姿があった。

この光景に冷や汗を垂らすナナシと篝にレジスタンス達の怯えたような声が聞こえる。


「なぁ、あの二人、やばくねぇか。」


「いきなり姿が変わったかと思ったら馬鹿みたいに爆発起こしまくるし。」


「そうだな。しかもナナシ君は完全に人じゃなかったよな。」


「あれってもしかして魔人って奴か。」


「そうだ。俺達、もしかして魔法王よりやばい奴に目を付けられたんじゃないか。」


この空気に流石にまずいと思った篝が弁明をしようとするが、


「ちょっと、お姉ちゃん達は別に危なく「黙らっしゃい!!!」」


鬼の形相を深めたアリエルが遮り説教を始める。


「まず、二人共・・・正座。」


「「・・・はい。」」


「す~~ぅ、は~~~ぁ。」


ここでアリエルが大きく深呼吸をして力を溜める。そして、


「この単細胞共が!!こんなの街中でやったらどうなるかくらい分かるでしょうが!!

マギルートを廃墟にするつもり!!」


「いえ・・そんなことは・・・」


「さっき、アクションを増やすとか言ってたわよね!!!」


「それは・・・その方が派手で喜ばれると思って・・・」


「あぁ!派手になるでしょうね!!そしてマギルートは木っ端微塵!

あなた達はこの国を救いたいの?破壊したいの?」


「それは・・もちろん・・救いたいです・・・」


「だったらやる事は分かってるわよね!!」


「・・・派手に演出してショーを印象付ける?」


「このメガトン馬鹿!!派手な演出で街が崩壊するって言ってんでしょうが!

自分達の規格外っぷりをいい加減自覚しなさい!!」


この後、2人はアリエルによる説教を延々1時間受けるのであった。

そしてレジスタンス達はと言うと


「なぁ、あの恐ろしい破壊を撒き散らした2人にとんでもない罵声を浴びせながら説教してるぞ。」


「実は最強なのってアリエルちゃんじゃないのか。」


「取り敢えず、あの2人の手綱はアリエルちゃんに握ってもらおう。」


「んだな。それが一番良さそうだ。」


ナナシと篝への恐怖心はどこへやら。その恐怖心がそのままアリエルへの畏怖の念へと変化していた。

こうして人知れずアリエルは街一つとヒーローの心を救うのであった。

そしてショーのアクションは大幅にカットされ、篝のアッパーと爆裂魔法だけになった。

破壊神2人に説教するアリエルちゃんって最強ですね。

魔法王国編はこれにて終了です。


次の舞台は島国。そして海・・なのですがその前に港に立ち寄らないといけませんね。

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