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02-17_『フレアウィッチ』神崎篝

篝ちゃんの変身回です。

『賢者の石』との決着の時です。

02-17_『フレアウィッチ』神崎篝


「ねぇ・・フレイム君・・・ここはお姉ちゃんに任せてくれるかな。」


「・・・それはいいですが、勝算はあるのですか?」


「大丈夫!あんな雑魚に負けるお姉ちゃんじゃないよ。」


魔法王から篝へと姿を変えた『賢者の石』を不快そうに睨みつけるナナシに対して篝が自分に任せる様に申し出る。

それに対し、『賢者の石』は篝の顔で嘲笑うかの様に口角をつり上げながら、篝を罵る。


「どうやらその女は力はあるようだがオツムは空っぽのようだな。

我は貴様の力をコピーした上で、我自身の力を上乗せできるのだ。

単純に我の力分だけこちらが勝っていると言う事がどうして分からない。」


「御託はいいから掛かってきたら。」


「ふん、図に乗りおって、まずは小手調べだ!『火球』×10000」


「『火球』×10000」


「「!!!!」」


「・・・・」


『賢者の石』が人間大の大きさの火の玉を無数に放った瞬間、篝も同等の火の玉をぶつけ相殺する。

この神話の一ページの様な凄まじい炎の打ち合いにアリエルとイザークが驚愕するのに対してナナシは静かに沈黙してこれを見守る。


「ふふっ、小手調べでこの威力!素晴らしい!!これであの名前を持たない悪魔にも勝てる!!

それでは次はこれだ。『炎槍』×10000」


「『炎槍』×10000」


『賢者の石』が今度は巨大な炎の槍を大量に放つとやはり篝は同じだけの炎の槍でこれを相殺する。

この地上に地獄を再現した様な光景にアリエルとイザークが不安の声をあげる。


「ねぇ、ナナシ君。カガリさん大丈夫なの。

ナナシ君のあの力を使えば助けられるんじゃないの。」


「えっ!ナナシさんもカガリさんと同等の力もお持ちなのですか。

ならばすぐに助けて差し上げないと。」


「・・・・・」


「ちょっと!!ナナシ君。さっきから黙って、聞いてるの!!」


アリエルとイザークがナナシに対して篝に助力しようと詰め寄る中、当のナナシは考え事をしていた。


(なぁ、タイラント。どう思う。)


『どう?というのは篝のことか?それとも邪神のことか?』


(両方だ。)


『おそらく貴様と考えは同じだ。どちらも全く本気を出していない。

特に篝は完全に遊んでいる。』


(君の見立てでは。)


『それも貴様と同じだ。』


(そうか。)


『それより貴様の仲間が騒いでいるぞ。うるさくて適わんから少し静かにさせろ。』


ここでナナシはようやく自分が思考に没頭していてアリエル達が不安そうにしている事に気づいてなかった事に思い至る。

ナナシは彼女達を落ち着かせるべく言葉を紡ぐ。


「アリエル、イザークさん。篝さんなら問題ない。あれで全く本気を出していないからな。

それよりも子供達の方が気になる。すぐにこちらに連れて来てくれないか。」


「構いませんけど、こんな危険な戦場に連れて来ても良いのでしょうか。」


「大丈夫、むしろここが一番安全です。

ここは神崎篝に守られていますから。」


ナナシの言葉を受けたイザークが不安そうな顔をしながらもその指示に従い、家の中の子供達を呼びに行く。

その間にアリエルがナナシに詰め寄る。


「ナナシ君の事を疑うわけじゃないけど、本当にカガリさんの事助けなくていいの。

そりゃ、あたしが行ったんじゃ100%足手纏いだけどナナシ君なら力になれるんでしょう。

ほら、今だってお互いすっごい大きさの炎の竜巻ぶつけ合ってるじゃない。」


「そうだな。邪神が何故あんなに手抜きをしているか分からないが篝さんは遊んでいる。

久しぶりにそこそこ術を使える相手と戦えるからちょっとした訓練気分なのだろう。」


ナナシのこの言葉にアリエルは口をポカンと開けて間の抜けた声をあげる。


「はぁ?あそこでラグナロクやってるあの2体の化物はあれで本気じゃないの。」


「物凄く失礼な物言いだがその通りだ。もっとも邪神の方が篝さんをコピーした割には弱すぎるのが気になる。」


「えっ!弱すぎる!あれで!!」


またもやアリエルが驚愕した所でイザークが子供達を連れてやって来る。

子供達は篝と『邪神』の間で巻き起こる灼熱地獄に怖がりながらも声をあげる。


「ねぇ、あれってもしかして『双子の怪異』って奴なの?」


「カガリお姉ちゃんが2人いる。片方はカガリお姉ちゃんでもう片方の悪そうな顔の奴が『双子の怪異』だよね。」


「カガリお姉ちゃん!!頑張れ!!『双子の怪異』なんかやっつけちゃえ!!」


この声援を受けた篝は思わず子供達の方を振り向く。


「隙有り!!これで仕留める!『獄炎鳥』」


ゴゥ!!!


『賢者の石』は隙を見せた篝に全長100mはあろうかという巨大な炎の鳥をぶつける。

本当に隙だらけだった篝はそれをモロに被弾。辺りに悲痛な叫びが木霊する。


「嘘!カガリさん!!」「そんな!!カガリさん!」

「「「カガリお姉ちゃん!」」」

「・・・・・」


「ふふふ!!どうだ!!貴様の力と我の力を合わせた最大威力の炎の味は・・・・」


「ふぅ・・失敗、失敗。あんまり温い攻撃だったから油断しちゃったよ。」


そこには炎の鳥の直撃を受け、全身火傷だらけの篝がいた。

篝が生きていた事に驚きを見せる『賢者の石』だが満身創痍のその姿にほくそ笑む。


「ふん!あの炎を受けて生きているのは驚嘆に値するがもうズタボロではないか。

もう一発お見舞いして今度こそ息の根を止めてくれよう!!」


「大変!!またあの火の鳥が来ちゃうよ。」


「このままじゃ、カガリお姉ちゃんがやられちゃうよ。」


「先生!アリエルお姉ちゃん!ナナシお兄ちゃん!誰か、カガリお姉ちゃんを助けてよ!!」


「これで終わりだ!!『獄炎鳥』!!」


またしても篝は『賢者の石』の巨大な炎の鳥に被弾する。

直撃の手応えを感じ、立ち上る土煙の中、勝利を確信する『賢者の石』。

アリエル達の中に悲壮な空気が漂う中、ナナシだけは土煙の先を見据えながら声を上げる。


「篝さん。遊びはその辺にして下さい。子供達が今にも泣きそうです。」


「え!嘘!ごめん、ふざけ過ぎちゃった?」


「「「「「え!!!」」」」」


土煙が収まるとそこには先程より若干火傷が増えたが未だ健在の篝がいた。

それを見た子供達は歓声を上げ、『賢者の石』は驚愕で言葉を失う。


「「「わぁ~~!!カガリお姉ちゃんだ!!!」」」


「そんな馬鹿な!!」


「クー君、シーちゃん、ハーちゃん。心配かけてごめんね。

ちょっと火傷治すから待っててね。『リザレクション』っと。」


篝が軽い調子で術を発動させると身体中の火傷がみるみる消えていく。

篝の精霊_不死鳥『フェニックス』は再誕の力つまり蘇りの力がある事で有名だ。

その力は篝も持っており、流石に死んだ後の復活は無理だが死ななければどんな傷でも一瞬で回復する力を彼女は有している。

この光景に『賢者の石』は初めて恐怖する。


「知らんぞ!我は奴の力をコピーしたはず!!なのにどうして我が知らない力を奴が使える!!」


「フェニちゃん?あいつはああ言ってるけどどう思う?」


『おそらくキャパシティ不足ね。奴の持っているエネルギーの総量よりあなたの持っている力が上だったって事よ。

それで不完全な再現で終わったんじゃないかしら。全くあなた達日本ヒーロー連合の最強の10人はみんな化物ね。』


「あ~、フェニちゃんひど~い!そんな意地悪言うフェニちゃんとは口きいてあげない。」


『もう、私が悪かったから拗ねないの。あいつはもう限界みたいだけどどうするの?このまま倒しちゃう。』


「そうだね。せっかくだから格好良く倒そうか。フェニちゃん!力を貸して!」


『了解よ。せ~の!』


『変身』


この瞬間、篝の身体が眩い光と灼熱の炎に包まれ、それは数瞬後に消え去る。

そこに姿を現したのは頭に黒の三角帽子、目元に不死鳥の羽をモチーフにしたマスクを着け、炎の様に真っ赤なマントを羽織り、その右手には柄が漆黒で穂先は燃え盛る炎に包まれた魔女の箒を持った篝の姿だった。

だがその髪の毛と瞳の色はいつもの黒から燃え盛る深紅へと染まっている。

これがヒーロー神崎篝と精霊フェニックスが一体になった姿、『フレアウィッチ』である。

この姿にここにいるもの全て(ナナシを除く)があまりの出来事についていけず動きを止める。


ここで篝は皆が自分に注目したまま動かない事をいい事に


「変身完了!正義の魔法少女ミラクル篝ちゃん、ここに見参 (ハート)。」


右手に持った炎の箒を前に突き出し、左手はピースにして左目の前に翳し、右目を瞑ってウィンクするという、実年齢24歳にあるまじき、如何にも魔法少女らしい決めポーズを取る。

そのポーズに地球の常識を知らないアナシスの大人2人は呆然とし、子供達は大いに盛り上がり、ナナシはいつもの事なので沈黙したまま見守っていた。

そして『賢者の石』が発狂しながら猛然と篝に襲いかかる。


「こんな虚仮威しに騙されるものか!!今度こそ確実に貴様を始末してくれる!!」


「うるさい、もうあなたのターンは終わりだよ。」


それに対して篝は目にも止まらない速さで『賢者の石』の懐に入りこみ、炎の箒を腰の位置に構えそれを思いっきり振り上げる。


「くらえ!!『お姉ちゃんアッパー』」


「ぐふぅ!!!」


箒は『賢者の石』の顎を思いっきり捉え、そのまま遥か上空に吹き飛ばす。

だが篝の行動はこれでは終わらない。篝は霊力を箒に集中させ、穂先を吹き飛んでいった『賢者の石』へと向ける。


「これで終わりだよ!!マジカルミラクル超奥義『スターフレア』!!!」


「!!!!!!!!!」


篝の霊力の箒から放たれた超極太の熱破壊光線が『賢者の石』を貫きそのまま爆発を起こす。

この際に発生した光はこの国全土を照らし、夜にも関わらず一瞬だけ昼の様な明るさを齎した。

この後、篝は探索の術で近くに邪神の反応がない事を確認して変身を解く。


そこにはいつも通りの無表情のナナシと今起きた事に呆然とするアリエルとイザーク、目をキラキラと輝かせ尊敬の眼差しで篝を見つめる子供達がいた。


「カガリお姉ちゃん、凄~い!カッコイイ!!」


「カガリお姉ちゃん!!あのバーンってなってドカーンってなる奴、最強!!」


「魔法少女ミラクルカガリちゃん、可愛い!!」


「・・・ははは~、そうでしょう、そうでしょう。篝『お姉ちゃん』は最強なんだよ!!!」


「「「・・・・・」」」


そこには国の神器を破壊するという大事を働いたにも関わらず、子供達に賞賛されて鼻をピノキオにしながらテンションを天元突破させる魔法少女(24)の姿があった。

子供相手にやたらと『お姉ちゃん』を強調する24歳に対して何とも言えない気分の大人3人(内2人は年下)であった。

無事、『賢者の石』を撃破した篝。

次回はその後始末を行う予定です。

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