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02-13_ヒーローとパンティー好き

今回はレジスタンスと接触します。

・・・サブタイがおかしい。

02-13_ヒーローとパンティー好き


「まずは状況の整理からですね。」


自分がレジスタンスである事を告白したイザークが現状確認を提案。

ナナシ達もそれに同意し、イザークの話に3人を代表してナナシが応対する。


「最初にあなた達の目的は『賢者の石』の破壊だが、今後も旅を続ける上で国際指名手配になる事は避けたい。」


「はい、そうです。」


「次に私達の目的ですが、魔法王と『賢者の石』をこの国から排除し、魔力なしへの差別を無くすこと。その為の最大の障害はあの『賢者の石』」


「・・・つまり『賢者の石』を破壊してくれる人間を探していたと。」


「その通りです。本当は我々であれを破壊したかったのですが力が及ばないのは火を見るより明らか。

魔法王は国で最も魔法に長けた存在である上に『賢者の石』でその力は何倍にも増しております。

正直この国の人間では太刀打ちできないでしょう。」


「それで、自分達に・・・というわけですね。

事情は分かりましたが、信じる根拠が欲しいです。」


「もっともな意見です。それでは私達の拠点へと案内致しましょう。

ただし、危険なサンドワームの巣を超えないといけませんので嫌だとおっしゃるならそれまでですが。」


ここで今まで黙っていた篝が口を開く。


「あの~、サンドワームの巣と言うからにはそのサンドワームは複数いるんですよね?」


「ん?・・・いえ、私達の拠点の近くには1体しかおりませんが、それがどうかしましたか?」


「・・・もしかしてそのサンドワームのおかげで拠点が守られていたりしますか?」


「別にサンドワームを飼っているわけではありませんが、拠点の守りに利用してはいますね。」


この瞬間、篝だけじゃなくナナシとアリエルも青い顔をする。


「もしかしてカガリさんが倒したサンドワームって。」


「多分そうだよ・・・どうしよう・・・イザークさん達の拠点が無防備って事になるよね、これ。」


「ああ、急いで向かった方がいいかもしれないな。」


「皆さん、どうかされましたか?」


こそこそと話すナナシ達に対して、少し遠慮がちにイザークが疑問を投げかける。


「いえ、一度皆で拠点に向かいたいと言う事で話はまとまりました。

ただ、イザークさんは自分達を信用してもいいのですか?」


「愚問ですね。危険を顧みず子供達を救ってくれたカガリさんとそのお仲間です。

信用しないわけがありません。」


「・・・・では案内をお願いします。」


ナナシが無表情な顔の口元をわずかに緩ませながら、案内を頼む。

それを合図にカガリが箒を大きくして全員が乗れるようにする。


「さあ、みんな。お姉ちゃんの箒に乗って。」


「え!もしかしてナナシ君も乗るの。どさくさに紛れてあたしの事触ろうとしないでよね。」


「誰もそんな事はしない・・・イザークさん達の前で誤解を生むような事を言うのはやめろ。」


「ナナシさん・・女性に同意なく触るのは関心しませんね。」


「もしかしてナナシお兄ちゃんってエッチな人なの?」


「知ってる~。そういう人の事をスケベって言うんだよ。」


「違うよ~。エロオヤジって言うんだよ。」


「・・・早速誤解されたじゃないか・・・もし誤解が解けなかったら裁判所に訴えるからな。」


「はいは~い!仲が良いのは結構だけど出発するから早く箒に掴まって!!」


結局順番は前から篝、アリエル、クー、シー、ハー、イザーク、ナナシとなった。

この事に篝が大いに不満を漏らしたが女性と男性は離すべきだというアリエルとイザークの意見に押し切られる形となった。

結局最終的にはアリエルの『お姉ちゃんだったら分かってくれるよね。』の一言に丸め込まれたあたり、篝は結構チョロいと思われる。

チョロ魔女篝ちゃんの操る箒に乗り、一同はイザークの指示の元、レジスタンスの拠点へと向かう途中の事。

目的地の方向から煙が立っているのを篝が発見した。


「ねえ、イザークさん。煙が見えるけどもしかして拠点ってあそこ?」


「あそこです。何故煙が、まさか!!」


「いや、でも肉の焼ける匂いといっしょに調味料の匂いがするな。」


「へ?ナナシ君、どうしてそんな事分かるの?」


「いや、匂うとしか言いようがないのだが。」


「・・・・取り敢えず急ぎましょうか・・・」


ナナシの発言により一気に緊張感がなくなった一同ではあるが、一応念の為に急ぐことにした。

そこで見た光景は、巨大なサンドワームの死骸を捌く男性達とそれを焼く女性達。

それを交代で美味しそうに食べる光景はさながらバーベキューパーティーである。

そんなバーベキューパーティーをしていた集団の中から一人の男がイザークに近づいてくる。


「よぉ!イザーク、お疲れ。今日は随分大人数で来たな。

しかも空からとは。新しい仲間の勧誘にでも成功したか?」


「おい、ジェフ。これは一体何だ?」


イザークは近づいてきた男ジェフに状況説明を要求する。

それに対して、ジェフは頭を掻きながら唸りながら説明をする。


「う~ん・・実は俺にもよく分からんのだよ。

昨日の昼頃にいきなりサンドワームが降って来たんだ。

体が半分吹っ飛んで絶命していたが残り半分と魔石が無事たったんで、解体と保存食作りとついでに焼肉パーティーをしていたわけだ。

サンドワームみたいな高級肉をたらふく食えるなんて、今まで飢え死に寸前の生活をしていた俺達に取っては天の助けだよ。

魔石のおかげで暫く活動資金にも困らんだろうしな。」


「・・・あれって、カガリさんが吹っ飛ばしたサンドワームだよね。」


「うん・・・そうだね・・・まさかレジスタンスの食料になっているとはね。」


「・・・・」


喜びに沸くレジスタンスを見ながらなんとも言えない表情になるナナシ達。

そんな皆の様子に若干呆れながらイザークが状況確認を行う。


「取り敢えず皆、無事と言う事でいいんだな。

食べながらで構わないから我々の今の状況について聞いて欲しい。」


ここでイザークはここにいるレジスタンス約50名に街で起こった事を説明し、それに対してジェフが応える。


「つまり、お前の家で世話をしていた子供達が今回のターゲットになったわけだな。」


「ああ、おそらく今夜あたりに『双子の怪異』がやって来るだろう。」


「じゃあ、子供達は24時間護衛付きだな。」


「え~っと、ちょっといいですか?」


ここで何やら納得して話を進めようとするレジスタンス達に対してアリエルが質問をする。


「あたし達、まだ状況がうまく飲み込めていないんですけど、あの『賢者の石』に姿を映し出されると何か問題なんですか?」


「おっと、すみません。そういえばあなた達は異国の人でしたね。」


ここでイザークが説明不足に気づき、ひと呼吸おいてから説明を始める。


「まず、『賢者の石』についての説明が必要ですね。

『賢者の石』はこの国の神器で魔法王に力を与える事で知られていますが、もう一つこの国の体制を支える上で重要な力があります。

それは次に『双子の怪異』にあう人間を告げるというものです。

今回のウチの子供達の様に、お披露目の儀式で映し出されたものが次の『双子の怪異』の犠牲者となります。」


「つまり、クー、シー、ハーの3人は近いうちに自分そっくりの化物に襲われると。」


「はい、ただしこの『双子の怪異』ですが、魔法使いが数人で掛かれば倒せない相手ではありません。ただ・・・」


「「「ただ・・・」」」


「ただ、今回は3人同時に相手をしないといけなくなる可能性が極めて高いのでこちらの戦力で足りるか少し不安です。」


「そうだな。今いる魔法使いがお前を合わせても10人。『双子の怪異』を相手取るには少し厳しいな。」


「え~っと、すみません。ここの魔法使いってどのくらい強いんですか?」


戦力に不安を覚えるイザークとジェフに対して篝が質問する。

それに対してジェフが答える。


「そうだな。みんなそれなりに強いぜ。

ウルフなら一人で10匹相手取れる。」


この答えにナナシが顔を顰めながら話を引き継ぐ。


「それでは、サンドワームを倒せるものはいますか?」


「ん?なにを馬鹿な事言ってるんだ。あんな化物100人いても無理だろう。」


今のジェフの答えを聞いて、ナナシ達3人はヒソヒソ話を始める。


「2人とも・・・ここの連中だが恐ろしく弱いぞ。」


「・・・そうだね。あんなミミズも倒せないようじゃヒーローにはなれないね。」


「ちょっと、2人とも失礼だからね。普通はサンドワームは強敵だから、あたしだって一人じゃ無理だから。」


「でもまあ、『双子の怪異』は自分達でなんとかなりそうだな。」


「そうだね。じゃあ、私達が警護をする方向でいこうか。」


「・・・・それがいいでしょうね。」


ここで篝がレジスタンス達に対して話を切り出す。


「ねぇ、3人の警護だけど私がやってもいいかな。」


「あぁ、お嬢ちゃんも子供達を守ってくれるのか。ありがてぇな、それじゃお願いするよ。」


「そうだな、みんなで『双子の怪異』をぶっ倒そうぜ。」


「・・・」


どうやら篝の提案に対してレジスタンスは篝も『双子の怪異』退治の『お手伝い』をしてくれるのだと思ったらしい。

これに対してナナシが無言で前へ出ようとするのをアリエルは見逃さなかった。

すかさずアリエルがナナシの行動に割り込む。


「あの~、出来たらあたし達3人に任せてくれますか。

あたしこう見えてガードナーの『結界の聖女』なんですよ。」


この一言に周囲が色めき立つ。


「え!ガードナーの『結界の聖女』って言ったら結界術を使いこなす世界最強の防御魔法師のことか。」


「知らなかった。聖女って言うからにはもっとボンキュッボンのお姉さんかと思ってた。」


「全くだ、まさかこんなちんちく・・・じゃなかった。スレンダー少女だったなんて。」


「でも、例え胸の平たい族の女の子でも強いんだろ。

そんな子が守りに加わってくれるなら100人力だぜ。」


何故かやたらと胸がない事に言及された上にまだ護衛に参加するつもりみたいだ。

それを聞いたミスタートラブルメーカー_ナナシが口を開く。


「いや、さっきアリエルが言ったが護衛は自分達だけだ。

正直な所、君達がいると足手纏いだ。」


このあまりにストレートな物言いにレジスタンスの一人が気を悪くしたようで喧嘩腰に詰め寄ってくる。


「おい!あんた。ちょっと口の利き方に注意しろよ。

さっきも言ったが俺達はこれでもそこそこ戦えるんだ。

まさか俺ら魔法使いよりあんたの方が強いって言うんじゃないだろうな!」


「・・・はぁ、イザークさん。レジスタンスは魔法使いの差別を無くす為に結成されたんですよね。

どうやらここでも差別があるようですが・・・」


この挑発とも取れるナナシの言葉にイザークが顔を青くし、言われた男が顔を真っ赤にして怒り出す。


「テメー!言う事欠いて俺をあの街のクソ魔法使いと同じだと抜かすのか!

せっかくテメーの事を心配して言ってるってのに。」


「そうです、ナナシさん。あなたにも思うところはあるでしょうけど今のは言い過ぎです。」


「いえ、自分も戦士です。実力も見ないで侮られたのでは引っ込む訳には行きません。」


「うっ!それはその通りですが・・・・」


「ちっ!上等じゃねーか!!じゃあ勝負だ!何がいい。」


ナナシと男は売り言葉に買い言葉で勝負をすることになった。

この言葉にナナシは少し考えこんで口を開く。


「それでは狩りはどうですか?これから制限時間内にどれだけ多くの獲物を狩れるかで勝負するというのは。」


「いいだろう、制限時間は30分で獲物の重さの合計で競うって言うのはどうだ。」


「いいでしょう。審判はイザークさん、お願いします。」


「・・・分かりました。それでは開始は30分後とします。それまでに双方準備を済ませてください。」


「ああ、分かったぜ。そこの自信家の坊やに俺の実力を思い知らせてやる。」


そう言って男は一旦この場を離れる。

そこへアリエルと篝がナナシに駆け寄ってくる。


「ちょっと!ナナシ君。せっかく人が上手いことやろうとしたのに!どうしてあなたはいつもいつも・・・」


「それでうまくいきそうだったのか?」


「うっ!それは・・・・」


「まぁ、この国の魔法使いってみんな自信家っぽいし難しかったと思うよ。」


「ところで勝算はあるのですか?あれであのパティンスキーは一人でオークキングを仕留められる強者ですよ。」


「えっ!パンティー好き・・・」


「パティンスキーです。」


((・・・プルプル・・・))


「???」


イザークが口にした男の名前を聞いた瞬間、ナナシと篝の体から震えが止まらなくなり、アリエルはその意味が分からず困惑する。

この男はパンティーが好きなのか?そんな考えが頭から離れず、2人は笑いを堪えるのに必死だったからだ。

当のパティンスキーはそんな2人の様子に自分の実力を知って恐れおののいているのだと少し気を良くしていた。

ちなみにこちらの言葉では『パティンスキー』=『パンティー好き』にはならないので、この意味が分かるのはナナシ達だけである。

こうして締まらない雰囲気の中、ナナシとパティンスキーの勝負が始まった。

すみません。今までの重い内容に耐えられなくなりました。

話が重くなるとついしょうもない事をしたくなります。


次回、レジスタンスのパティンスキーとの勝負です。

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