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01-11_ヒーローの変身

これからフレイム無双始まります。

01-11_ヒーローの変身


「では目的も決まった所で、ダニエル陛下に話をつけよう。」


ナナシのこの一言から話は今後の行動方針へと移った。


「そうだね。流石にナナシ君一人だけが護衛だと厳しいし、他にも護衛をお願いしないと。」


「いや、邪魔だから余計な護衛は付けないようにお願いする。」


「はぁ!何馬鹿言ってるの!あなたが強いのは分かってるけど流石にあの大群は無理でしょう!」


「あの程度、自分なら1億いても全く問題ない。」


「ほぅ、この一大事にまだそんな中二病みたいな事言うのね。」


「だから本当の事だと「分かった、分かった。助けをお願いするのが恥ずかしいのね。私が頼んであげるから。」」


護衛の追加について早速意見が食い違う二人。

ナナシから言えば護衛対象が増えるだけなので人数は増やしたくないのに対して、護衛を追加して安全性を高めたいアリエル。

ナナシの実力を知らなければこういう考えになるのは当然だと言えよう。

二人は言い争いをしながら王の謁見への手続きを済ませ、待つこと暫し。

意外に早く国王との謁見は叶った。

普通なら日をまたぐ等当たり前なのだが、それだけ王もこの案件を重要視していると言う事なのだろう。

今度は謁見の間ではなく、王の執務室に案内された。


「おぉ、よく来たな。すまないが少し執務が溜まっているのでな。

話は仕事をしながら聞くがよいな。

確か護衛についての相談と聞いているが、具体的には?」


茶髪で白髪混じり、青目の男、国王ダニエルが書類仕事をしながらナナシ達に質問をする。


「はい、陛下。恐れながら申し上げます。

現在、国は『大結界』消失により未曾有の危機に晒されております。

速やかに『結界の聖女』としての任務を完遂したいと考えておりますが、任務達成の為の戦力が不足していると愚考致します。

つきましては護衛の増員を希望するものであります。」


「・・・まぁ、正論だな。

フレイムはどう思う。そなたはこの意見に不満そうだが。」


「はい、陛下。自分は一人で十分ですが、当のアリエル君が主張を曲げようとしません。

申し訳ありませんが陛下にアリエル君の説得をお願いしたく思います。」


「・・・フレイムよ。そなたが強者である事は認めるが、今回は『結界の聖女』に理があるな。

護衛の準備が整うまで「お話中に失礼します!!!」」


ダニエルとナナシ達が話していると血相を変えて顔を青くした近衛兵がノックもせずに部屋の中に乱入した。

その様子にダニエルとアリエルは驚きを見せるが、ダニエルの方はすぐに冷静さを取り戻し状況説明を促す。


「どうした。申してみよ。」


「は!北の方角約10キロの地点にモンスターの大群が突如出現しました。

その大群は今もこの王都に向かっております。

その数およそ1万、2時間程で王都に到着すると推測されます。」


「なんと!!すぐに全兵士に通達!!防衛戦の準備を急がせよ!」


「は!直ちに!!」


ダニエルの指示に従い、近衛兵は急いでその場を後にする。

それを確認したダニエルがナナシ達の方へ向き直る。


「聞いての通りだ。すまないが護衛の話は後だ。

私はすぐに出なくてはならなくなった。」


「私も行きます。おそらくそのモンスターの大群は『結界の聖女』を狙ったものです。

私が行けば王都への進行は防げるかもしれません。」


「馬鹿な!それでは『大結界』の復活が出来なくなってしまう。

『結界の聖女』はこの場に待機せよ!」


言い争いをする二人に対して、ナナシが静かに口を開く。


「すみません。その程度なら自分一人で十分です。

10分ほど下さい。今から行って倒してきます。」


「・・・はっ!ナナシ君、今なんって言ったの!!」


「1万のモンスターを全部倒すだと!大言壮語も大概にするがいい!

いくら君が強くても不可能なものは不可能だ!!」


「・・・・・」


ナナシは今の状況にため息をつきたくなるのを必死で堪えていた。

地球ならヒーローと言うだけで全てを任せてくれるし、バックアップだって万全だった。

理解を得られず、バックアップも期待できない状況の煩わしさにうんざりしそうになる。

しかしこのまままごついていても時間の無駄なので、ナナシは強硬手段に出ることにした。


「言っても無駄なので行動で示します。アリエル君、すまないがついて来てくれ。君に証人になってもらう。」


「え!行動でって、わぁ!いきなり何するのよ!このエッチ!変態!!!ってちょっと嘘でしょ!!ストップ!!スト~~ップ!!!」


ナナシは言うだけ言うとアリエルの返事を待たずに彼女を抱えて執務室の窓から飛び降りる。

アリエルの抗議に対しては当然無表情で無視をする。

そして部屋に残されたのは呆然とする国王一人だけだった。


それから走る事およそ2分

ナナシとアリエルはモンスターの大群の1キロ手前まで到着した。

なおアリエルは高速移動のせいでグロッキーである。


「うぅっ・・・男の人にお腹触られた・・・もうお嫁にいけない・・・」


「どうした、アリエル君。具合でも悪いのか?」


「ええ!最悪の気分よ!そしてその原因はあなたよ!この馬鹿!!」


「そうか、喋れる元気があるなら大丈夫だな。

では早速あのモンスターを倒すからちょっとそこで見ていてくれ。」


「ちょっと倒すってどうやって。」


「こうするんだよ。『変身』!!」


ナナシが叫ぶと彼の周りは灼熱の炎に包まれ、その炎が真紅のプロテクターへと姿を変える。

見るからに硬質なプロテクターにどこかシャープな形のガントレット、如何にも強固で走るのに最適な形状のグリーブ。

頭全体を覆うように守るマスクの目は他の部分より更に深い赤で、耳と肘と踵の部分に炎を型どった装飾が施されている。

ナナシはヒーロー『フレイム』へとその姿を変貌させる。

フレイムの姿を見たアリエルはその余りの光景に絶句する。


「・・・・え!・・・ナナシ君・・だよね?」


「ああ、自分はナナシ。ヒーロー『名無しのフレイム』だ。」


呆然とするアリエルを置いてフレイムはモンスターの大群へと一人突撃する。

モンスターの群れは報告通りおおよそ1万。

種類はハイウルフとキラーエイプとハイオークを中心として混成部隊。

指揮官として複数のオークキングがおり、軍勢の奥の方には司令官と思しき首なしの騎士の姿がある。

その姿を見た時、アリエルは言葉を失った。


「デュラハン・・・そんな、危険度Sランクの化物がこの軍勢を指揮しているの。これじゃナナシ君でも勝てない。」


デュラハンとは体長3mはあろうかと言う巨大な馬にまたがったこれまた巨大な騎士の亡霊である。

その能力は一個大隊にも匹敵すると言われ、軍勢を指揮するのに優れ、兵を持たせれば一軍ですら敵わないと言われるほどの危険なモンスターである。

これは流石のナナシも勝てないだろうとアリエルは絶望した。


だがアリエルのその予想は裏切られた。


デュラハンが指揮する軍勢がフレイムの突撃に対して迎撃行動を取る。

フレイムが近づく前にハイオークの軍勢が無数の矢を放ち、ハイウルフに乗ったキラーエイプが縦横無尽に動きながら投石による攻撃を行う。


それに対してフレイムは全く回避行動を取らずそのまま突っ込む。

何故ならフレイムが前進する速度が早すぎて、それだけで狙いが逸れるからである。

そしてフレイムは突進の際、攻撃行動すら取らない。

何故ならフレイムに触れるだけでモンスターが勝手に吹き飛ぶからである。

ただがむしゃらに走るだけでまるで暴走列車の如く敵を次々と蹂躙していく。


この様子に首がないデュラハンにも焦りの表情が浮かぶ。

側面からの攻撃は速すぎて当たらない。

正面からの攻撃は強すぎて通用しない。

理不尽な真紅の災害を前にデュラハンはただただ呆然とする。

なまじ知性が高く指揮能力に優れているからこそどうしようもない事態というものを理解してしまう。

そしてものの数分でデュラハン一体を残し、他は全て全滅した。


『貴様・・一体何者だ!!』


どうやらこのデュラハンは人語を解するようだ。

デュラハンは怒りと憤りを載せてその災害に向かって叫ぶ。

それに対してこの惨状を引き起こした当人は淡々とした様子で受け答える。


「『名無しのフレイム』、日本ヒーロー連合所属のヒーロー、人と星を守る者だ。」


『ほざけーーーー!!!!』


「チェンジ『グラップラーフォーム』」


デュラハンがその手に携えた人の身の丈ほどある大剣をフレイムに振り下ろした瞬間、フレイムも姿を変容させる。

今まで身に纏っていた以上の炎が手足に集中し、その炎が強固で厳ついガントレットとグリーブへと変わっていく。

そして振り下ろされた大剣をまるでおもちゃの剣を掴むように易々と左手で受け止める。


『なっ!馬鹿な!!』


「その程度か、ではこちらから行くぞ!」


言うや否や、フレイムが掴んだ部分から大剣が赤熱し、そして


バキッ!!!!


激しい破壊音と共に粉々に砕かれる。

だがフレイムの反撃はこれだけでは終わるはずもない。


『紅蓮拳』

フレイムの右手に圧縮された炎を集め、纏わせ、そして拳撃と共にデュラハンに叩き込む。

そしてその圧倒的な熱量と破壊力の前にデュラハンの肉体は耐え切れず、この世から跡形もなく消え去る。

それを確認したフレイムが変身を解く。


後に残ったのは広大な荒地とモンスターの死骸の山だけだった。

もうこいつ一人でいいじゃないかな。

そんな言葉が頭を過ぎりました。

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