表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
惚れたのは貴方じゃありません!!貴方のお父様ですっっ!!!  作者: じんたろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/24

19 湖のほとりでデート








エミリヤはギルベルトから正式に湖に行く誘いを受けた為、迎えに来たギルベルトと共に馬車で湖へ向かっている。

ギルベルトは最初は見送りの為にいた子爵の手前スチュアートと共に対面に座っていたが、走り出しカーテンを閉めてからはエミリヤの隣の席に移動した。


 「・・・待てないんですか」


スチュアートが何かボソッと呟いたが今のエミリヤには聞こえない。ギルベルトは無視している。

隣に移ったギルベルトに肩を引き寄せられ、ギルベルトの胸にしなだれかかる様に倒れ込んでしまう。ギルベルトの身体に密着すると、エミリヤの大好きな香りがする。

嬉しくなって顔を上げると目尻に皺が出来る優しい笑顔で見つめてきたギルベルトに、啄む様な口付けを何度もされてしまう。この空間に2人だけでは無い事を思い出したエミリヤは、恐る恐るスチュアートの方を見るとスチュアートは腕を組み目を閉じていた。


 「・・・エミリヤ、今は私だけを見なさい」


そう言うと優しく頬を撫でたギルベルトに再び口付けを再開された。まだ王都を抜けておらず、外では徐々に人の往来が増え始めている。まさか隣を走っている馬車の中で侯爵とその息子の婚約者がイチャついている事等思いもしないだろうなと深く口付けをされる中思っていた。



ーーコンコンコン



 「イグリール公爵家の馬車で間違いないかの確認でございます。」


ギルベルトと抱き締めあって口付けを交わしていたエミリヤは激しく動揺した。今、中を見られたらギルベルトと親密な関係だと知られてしまうと焦っていると、いつ起きたのか窓近くに移動したスチュアートが窓を少し開けて門兵と会話を少しした後窓とカーテンを閉める。じっとスチュアートを見ていた為、視線に気がついたスチュアートがこちらを見た。


 「はぁ・・・、せめて門を通ってからにして欲しいのと、ここは確認がある事位思い出して欲しかったですね。それから、エミリヤ嬢は艶かしい声を出し過ぎです。気になって寝ようにも寝れませんし、これが中心地でしたら外の者に聞かれてますからね?主も王都でやり過ぎです。」


 「ご苦労だった、着くまで寝ていろ。」


 「は〜理不尽なご主人様だ〜。エミリヤ様、主に理不尽な扱いを受ける(わたくし)を慰めて下さいませ・・・。」


 「ーーくだらない事を言っていつまで見ている。眠れないなら私がお前が熟睡出来る子守唄でも歌ってやるが?」

 「ーーーはいはい、寝ます寝ます。分かりましたから殺気向けないでくださいよ。エミリヤ様、御者は知ってますから王都の外に出たらいくらでも仲良くして構いませんからね?」


エミリヤに御者の事を伝えると端の方に移動して起きる前と同じく、スチュアートは腕を組み目を閉じる。スチュアートの言葉に耳まで赤くしたエミリヤは湖に着くまでギルベルトに可愛がられた。










ドアがノックされ御者が着いたと教えてくれた。



 「・・・主、エミリア嬢。着きましたよ」



若干呆れ気味に触れ合っていた2人に声を掛けたスチュアートが、先に降りドアの横に控えている。馬車ないで終始べったりとくっ付いていた2人はお互い顔を紅潮させ恋人の様な初々しさが見て取れる。ギルベルトはエミリアが降りる際に手を貸した時、エミリアと目が合うと思わず顔を逸らして咳払いをしていた。エミリアも気恥ずかしそうにギルベルトの手に自分の手を重ねた。



 「お2人共恥ずかしがるくらいなら、馬車内で適切な距離を保って下さいね」



エミリヤとギルベルトはスチュアートの注意に不承不承頷いた。


王都の近くの湖は聖なる加護があるとの言い伝えで、貴族がよく遊びに来る場所である。今日も遠くの木陰に貴族がちらほら見える。



お昼を過ぎていたので公爵家で作ってもらったお昼を2人で食べる。スチュアートは少し離れた所で食べている。この機会なのでエミリヤは疑問に思っていた事を聞く事にした。


 「あの、疑問に思っていた事聞いていいですか?」

 「何でも答えよう。」

 「なぜギルベルト様は私が香水を売り出した頃から私の事知っていたんですか?」

 「ーーーっ!?そ・・・それは・・・。」

 「??」


ギルベルトが一瞬言葉に詰まり、視線を彷徨わせながら落ち着きがなくなる。ギルベルトが覚悟を決めた様に大きく息を吐いた。


 「それなら昔の事をまずは聞いて欲しい。ーー以前君に言ったが前世で君と会っていた。君は国のお姫様で継承権が無く、忙しい国王夫妻に蔑ろにされていたのだが国王夫妻も国民にまで姫様を蔑ろにしている事が知られ支持されなくなり焦った国王夫妻は君に好きな護衛を選ばせた。」

 「もしかしてそれがギルベルト様なのですか?」

 「あぁ。まぁ私は副隊長で護衛選定の中に含まれてはいなかったのだが、選定を受ける近衛騎士の監視にいたら君は後ろに控えていた私に振り返り『このひとにきめたわっっ!!』と大きい声で告げてきたのだ。他の者が『この者は姫様の護衛騎士になれない』と言ったら、大泣きされてその場に居た全員が流石に不味いと思いその場は一旦私が仮の護衛に決まった。」

 「まぁっ!!きっと一目惚れですわねっ!!」


 「そうだと良いんだが・・・。その後国王夫妻は私が姫様の護衛騎士になる事を正式に許可され、ずっと一緒だったのだが幼い姫様が頼るのは全部私で、私以外の宮廷の者に心を許さない事に嫉妬や政治の駒として操る算段が崩れた者達の悪意によって君の護衛を外された。」

 「酷いわっっ!!唯一信頼していた大人を子供から離すなんて!!」

 「私が居ない所為か明るい性格が嘘だったかの様に暗くなり国王夫妻によって再び君の護衛に戻された。そしてその日再会に涙する姫様を見ていたらつい目尻に口付けをしてしまい・・・姫様は私の事を好きとおっしゃられてその日から姫様の秘密の恋人にして頂いた。」

 「うぅぅ・・・羨ましい・・・。その位の歳の差なら姫様が私位の年齢になった時素敵なおじさま騎士になってるじゃ無いっっっ!」


想像して嫉妬するエミリヤの頭をギルベルトに引き寄せられ、肩に寄りかかる形になった。


 「幸せがもう少し長く続く事を願っていたが、私が団長に指名されて姫様は変わられた。護衛が続けられないなら団長にはならないと言っていたのになったのは、姫様が私を護衛から外したからなんだ。」

 「えぇっっっっ!!!好きなのに!?」

 「真相は分からないが、姫様は魔術師団の男達と逢瀬を重ねている噂もあったんだ。それを姫様が肯定した。」


 「・・・それ、ギルベルト信じたの?」

 「いや。姫様は私の事を常に考えてくれる優しく純粋なお方だった。ずっと恋人だった私だから断言できる。あれは私の為の嘘なんだと。」

 「・・・なんか嫉妬する・・・。」

 「そうだな・・・君はあの世界の事を覚えていないのだから、私が他の者に心を想っている様に聞こえてしまうだろう。でも、この世界で初めて君を見かけた瞬間『あぁ、やっとまた逢う事が叶った』と思ったんだ。」

 「・・・で、どこで私を見かけたんですか?」


少し頬を赤らめたエミリヤがギルベルトに一番聞きたかった事を聞いた。


 「・・・・・・で・・・」

 「すみません、もうちょっと大きい声で言ってもらえますか??」


今度はギルベルトが困った様に眉尻を下げ頬を赤らめてしまう。


 「早く言って差し上げて下さい。エミリヤ様の母君が赤ちゃんの定期検診に病院を訪れ帰る際、主も近くを馬車で通りかかったんです。そしてすれ違う際馬車に乗り込む一瞬で姫様だと分かり、どこの家か調べ上げエミリヤ様の人間関係や趣味嗜好をずっと調べさせているって。」


離れていたスチュアートは気付けばエミリヤ達の後ろに居た。

エミリヤは流石にスチュアートの誇張だと思いギルベルトを見ると、ギルベルトは顔を真っ青にさせていた。


 「(・・・え?それ本当なの?ストーカー予備軍と言うかむしろストーカーでは・・・?)」


 「ね?主、気持ち悪いでしょー?公爵家に嫁いだら監禁されちゃうかも知れませんよ?結婚辞めるなら今ですよ〜」


スチュアートは楽しそうに忠告してきた。


 「ーーあの、以前隣国に嫁いで行って内乱で亡くなったって言ってましたよね?」


ギルベルトがエミリヤの言葉に我に返ると話の続きを始め、スチュアートは下がった。


 「・・・私が団長になってから1年後に何も告げず隣国の王子の元に嫁いで行った・・・。その後隣国は内乱が起こるが国王夫妻は援軍を出さなかった。姫様の婚儀によって隣国と協定を結んだにも関わらず、利益がないと姫様を見捨てた国王夫妻によって姫様は亡くなった。」

 「政略結婚だったのですね・・・。」

 「姫様はイタズラで刺繍の練習をしているハンカチを私の上着に勝手に入れるのだが、私のハンカチはどこにやったのだろうと思った事がある。姫様が亡くなった時に握り締めていたのが私のハンカチだと知り彼女の愛の深さを知ったよ。」


 「その後ギルベルトはどうしたの?」

 「私はお姫様が幼少時イタズラでポケットに入れた、リボンやハンカチを持って国を出た。」

 「幼少時の物を・・・ずっと信じてたんですね?」

 「私が姫様を信じ無いでどうすると思い、ずっと持っていたんだ。いつかまた会えると思っていたのにそれが叶わなくなった。姫様の居ない世界は色がなかった。姫様の物に宿る想いを連れて、籠の鳥だった姫様にみせたかった世界を見てまわったのだ。供養になればと・・・いや、姫様と一緒だと思い込もうとしていた。」

 「ずっとお一人で旅を?」

 「ーー分からない。何年も旅を続けていたのだが途中から記憶がないんだ。恐らく怪我か盗賊によって死んだのだろう・・・。」

 「死ぬまで愛されて姫様幸せ者ですね・・・。私はその世界の記憶は無いですが、最初から最後まで貴方の事を愛していたのは間違い無いと思います。じゃなきゃ子供の時勝手に交換したハンカチなんて持って嫁ぎませんよ?」


ギルベルトはエミリヤを目を丸くして見ていた。


 「ーー前世の私以上に私の事を愛して下さいな!」


満面の笑みでギルベルトに伝えると、いつの間にかギルベルトの腕の中に捕らえられた。ギルベルトの体温が心地よい。


 「前世からずっと君のことばかり見ていた私でも愛してくれるのか・・・?」

 「まぁ、ぶっちゃけ都合が良かったです!!前世が無かったらギルベルト様の事知らないままの人生だった可能性高いですから!!何もしなくて格好いいギルベルト様に愛して貰えるとか前世どんな善行したっけ?って思いました!!!それに普通なら爵位差で目にも留めてもらえないと思いますよ?」


 「凄いですね〜こんな女性滅多にいませんよ。前世は少女に恋して今度は赤子の時ですよ。それを生まれてからずっと周辺を探られてるって・・・私が女なら気持ち悪くて無理ですね!!変態ですよ!!」


スチュアートが笑顔で再び辛辣な事を言っている。本当に公爵様の侍従なのかしら?と思ってしまう。


 「スチュアート・・・お前は私の恋を成就させたいのか壊したいのかどっちなんだ?」


眉間に皺を寄せたギルベルトがスチュアートを睨むも、勿論成就に決まってるじゃ無いですか〜と元の場所に戻って行った。



 「君の前世も教えてくれないか?」



ギルベルトに聞かれたので家族構成や生活どんな仕事をしていたのか自分の前世について話した。ギルベルトもスチュアートもそれを静かに聞いていた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ