北風の音楽
北風が扉を叩く
まるで音楽のように
リズムを取りながら
たぶん一晩中鳴らし続けるのだろう
この北風の音楽を聞くと
冬なんだなと実感できる
一種の風物詩のようだ
夕方頃から北風は吹き始めて
寒さも同時に連れてくるから 寒い 寒いと言いながら
部屋に素早く駆け込む
がしかし部屋も寒いのだ
まあ冬なのだから
どこに居ようが寒いのは
変わらない
さてと ゆっくりと
北風の音楽でも聞きながら
眠り支度をしようか
灯りを消して暗くして
無音に近い状態も
なかなか良いものである
わずかに温風器のファンの音だけが伝えてくる
温まらない部屋に仕方なく
布団に潜りながら
明日も良い日であるようにと 祈りながら手を合わせる