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神社さいばん

「周辺諸国とか教えてー」

「僕達の家は、フォブナーリンドの近くにある生命創造樹林の中だね」

「なにその頭悪い名前」

「僕が名付けた訳じゃないからなんとも言えないけど、まぁ考えがあったんじゃないかな」


首輪を付けないお散歩なんて久しぶりだなぁと私です。すっかり畜生根性染みついたな。

通行手段どうするんだろーまた転移かなー楽だなーって思いながら外出たら、キリンみたいに首が長くてダックスフントみたいに足が短い生命体がいた。キルと仲良く二人乗りして移動してる。背後から抱き締められる感じ。しゅき。

今、ダックスフントって違和感なく変換したけどまじかよお前正式名称フンドじゃなかったのか。


「あっ名付けと言えばこのセグウェイ(仮)って名前何て言うの?」

「種族名はトーラスト。名前は付けてないよ」

「愛着が湧くからとか?」

「レイ以外の名前を呼びたくないから」


………。唐突な直球で照れよりも驚きがきた。これは…依存…いや、嫉妬じゃな?私にはわかる。


「まぁ実際は、僕が名付けると変異種に進化してしまうからだけど」

「期待とドキッとしたのを返して」


なーにが私にはわかる、だよ。私にはわからん。


「まーいいや。モノ受け取りに行くんでしょ?なんそれ?あとどこ?」


キルって何でもできるイメージだから、注文とかするんだーって感じなんだけど。

…どうでもいいけど、ほんとこのセグウェイ(愛称)セグウェイしてんな。揺れとか速度のムラがほぼない。


「あぁ。屋敷を動かす魔力結晶だよ。屋敷付近は、あまり魔力がないからね。魔力が満ちてるところで創ってもらった方が効率いいのさ」

「ほう…つまり行き先は魔力の満ちてるところ、と」

「うん」

「つまり…ダンジョンじゃな?テンプレ的に」

「いや、神社だよ」


………。


「神社…?」




「神社…」


およそ異世界に似合わない言葉にフリーズし、セグウェイに運ばれる事5分。たどり着いた先は本当に神社だった。というかセグウェイで10分てわりと近いな。


「あールイナ様。頼まれてたのできてるよー」


しかもここの巫女猫耳生えてる。猫耳っ娘が神社の巫女をしているのか。

………何で?

あとキル、デフォルトで偽名使ってんね。この娘あと何個名前持ってるんだろうね。キルが本名だってのは疑わないけど。


「さ、ついていこうか。トーラストは放っといても大丈夫だよ」

「そうなの?どこにもいかないって信じてるぞセグウェイ」


長い首をぽんぽんっと叩いてやると、汚れたのかと思ったのか私が触ったところを舐めて毛繕いし始めた。なんだぁ、てめぇ…。


「魔力が満ちた場所っていうのは貴重で、僕が確保している4箇所を除き、どれも国やギルドが確保しているんだ。けど獣人の国にあったものは、発見はされど使われはしなかった。獣人には魔力がないからね。使うこともない。それを僕が利用さしてもらってるのさ」

「確保してる4つじゃ満足できないの?この欲張りやさんめ!」

「二つは世界維持、一つは世界調整。もう一つは世界安定に使ってるよ」

「もっと欲張って!世界のほうが大事だから!」


研究とかに使ってるのかと思ったら私用な事は一切なかった。維持と調整と安定の違いわからんけど。

私を苛めているだけの生活に見えて、この娘も頑張ってたんだね。タカキも頑張ってたし。いやキルは休め。


藁箒を地面に置いた猫耳ショートヘアオッドアイ巫女さんは、「こっちこっちー」と先導し始めた。様付けで呼ばれてても、そんな敬われているわけではないらしい。まぁキルも敬われたいと思うような性格じゃないしね。(唐突な彼女面)


お団子食べたり、剣、というか刀の訓練をしている猫耳達を見つつ着いていくと、鳥居とお賽銭箱があった

何だろう。不正してお賽銭箱クリックしたら怒られるゲーム、今知ってる人どんくらいいるんだろうか。


猫耳ショートヘア以下略さんは横にどき、キルがお賽銭箱に向かって一礼二拍する。

そしてお賽銭箱を開けた。…えっそれ開けていいやつなの?神社で買うお守りとかと一緒で中身見ちゃダメなんじゃないの?


私の心配を他所に、キルはお賽銭箱に手を突っ込んだ。神を恐れていないからできる冒涜だろう。おお神様、私だけでもお許しを…。


お賽銭箱からは魔力っぽいなにかがぐねんぐねん蠢いている結晶ぽいナニかが取り出された。


…what's is this it?




「さて、今から僕のことを無神経と決めつけた奴隷の判決を言い渡すよ」

「まってまってまってまって」


あのあと、宇宙の理を悟った猫のような表情で目を見開く私を尻目に、キルは普通に満足そうな笑みで猫耳以下略さんにお礼を言ってた。

で、猫耳の人達に見送られながらセグウェイに揺られ(セグウェイは全然揺れなかったけど)お屋敷に帰ったところで急に裁判が始まった。憲法に従い弁護士を要求します。


「裁判官は僕なので、弁護士は無意味だよ」

「だんなんやら裁判を要求します!」


哀れレイちゃんは不当な判決によりその人生が自分の手から放れるのでした。日本国憲法台38条より黙秘権を行使します。


「まっ、この程度だったらお咎め無しだけどね。僕は寛大な主人だからね」

「んんーその主人っていうのは奴隷を指すのか旦那を指すのか」

「両方」

「肯定するのは旦那の方だけでよかったんだけどなぁー」


ん?というかキルが旦那枠なのか。

いやいや、旦那は私でキルが嫁でしょ。経済しかり(現在キルのヒモ)立場しかり(現在キルの奴隷)夜の主導権しかり(現在キルから有利取れたこと一度もなし)。いやーどこどうとっても完璧に私の方が…だん…な…。うーん面の皮が南極の氷並みに厚いレイちゃんも流石にこれには肯定しづらい!


あっちなみに今もキルに後ろ手に拘束されて後ろから抱え込むようにされてるよ。どうもキルは後ろから抱え込んで私の肩に顎を置くのが好きらしい。私もされるの好きだけど耳がくすぐったい。


「まーいいや。そーいやあの貰ってきた魔力結晶何に使うの?あと体勢はともかく手の拘束は痛いから解いてほしいんだけど…」

「屋敷の稼働に使うんだよ。あれで3ヶ月ぐらい使えるかな。レイは拘束されてる方が好きだろうから解かないよ」

「えっ私って拘束されるの好きなの!?初耳!」

「こうやって抵抗できなくされて、虐められるの好きでしょ」


うーんそうやって改めて言われると肯定しづらいな。いやその通りなんだけど。

とりあえず照れたように笑っとこう。えへへ。


「そこで笑えるところ好きだよ」


えへへ。

ここまでの1話から10話での解りにくそうな元ネタ。あるいは参考、参照。


1

「違うぅぅぅっ!これは私の望んだ解ではないぃぃぃっ!」

PSO2というゲームに存在するボス、DFルーサーのボイス。


[↓ブラジル 飛び込んでください]

マイクラ配布マップのTUSB、ないしトリックというドラマ&映画に登場する看板。


2

ちなみに私が言うまぢゅつ的な何かは主にKIAI。

KIAI。lolというゲームのシンジャオというキャラを全力で使う外人さんから。


心拍数って英語でなんて言ったっけ。BPM?びーとぱうんどます?

Beats per minute 分間拍動数


これ多分目ぇ開けたら目線あう奴ですよ。目と目があう~的な。

音楽の著作権は知らない。有名な奴。(恋は)もう始まってる!


4

「で、何でスーツ?」

「だけど似合っているでしょ?」

「戦場でその格好だったら舐めてるね」

「僕は似合ってると思うんだけどなぁ…。

メタギアにおける迷彩、スーツ着用時の無線。


5

「ふにゃあああぁぁぁ…潜って一息…先に行ってて…」

lolというゲームでのキャラ、パイクの帰還時ボイス。


14へいけ。

一種の死亡宣告。


6

成したのだ。後悔などない!

lolというゲームでヤスオというキャラ、混沌スキンのボイス「成さねばならんのだ。後悔など無い」


おかげで私は完璧で幸福です。

TRPGシステム、パラノイアより。コンピューター様のお陰で私は完璧で幸福です。


8

あっ控え目にだけど私の手に頬擦り付けてる。ラブリー。

のうりんの若旦那。


9

どういうわけか不定期に色が変わる剣を鑑賞する。近くに金魚でも泳いでるんだろうか。

人間が特定の物事に集中するとき、視野が狭まるという実験の奴。作者も記憶が曖昧。


えーっと…リン、酸、カルシウム…?

見た目は完璧に骨だけど…効果は何?対象を強烈に吹っ飛ばす?

マイクラ配布マップのTUSBにおける武器。今無き遺産。


10

「だんなんやら裁判を要求します!」

弾劾裁判。

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