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第4話 海モンスターの襲撃2

『キシャァァァアッ!』

『魚ガ自由気ママニ空ヲ飛ブンジャネェ!』

「(こくこく!)」


 ドワーフ港街。

 海面から10mを超える巨大な羽根サメが飛び出し、空を舞う。

 羽根サメは文字通り巨大な羽根のようなヒレを持つ。

 その巨体に見合わず飛び上がった勢いと大きな羽根のようなヒレを使って、空を自由に駆けていた。


 サメのため大きな口にはナイフのような歯がびっしりと並び、強靱な顎で食らいついた獲物を問答無用で囓り、殺害、エサにする。


 通常は遠くの沖合で、海面を移動する巨大鯨型モンスターなどを、群で空海両方から襲撃。狩りをするモンスターだ。

 しかし、なぜかドワーフ港街を狙い海中から飛び出し、空中を移動し、ドワーフ種達を襲っている。


 時折、飛行に失敗して建物に激突。

 倒壊させ、瓦礫の中で暴れて被害を拡大させている羽根サメもいた。


 そんな羽根サメに対して、スズは海中から飛び出す瞬間を狙って、次々にロックで撃墜。

 レベル1500程度のため、だいたい一発、多くても数発で仕留めていく。

 既に飛び上がった羽根サメは、地上の建物、人的被害が少ない場所を狙って撃墜していた。


 ドワーフ王と面識のあるスズが、ドワーフ港街救助に配置されたが、ある意味、彼女が倒すのに適した相手ともいえた。


 ときおり撃墜され、地面に落ちてもまだ息がある羽根サメは、ドラゴンに乗って救助に来た武装妖精メイド達によって始末されていく。

 残る武装妖精メイド達は、負傷者にポーション、安全な場所への誘導指示、護衛などを迅速におこなっていく。


『シカシ、数ガ多イナ。海中ニハ羽根さめ以外ニモ海中もんすたー達ガワンサカ居テ、港ヘ破壊活動ヲシテイルシ……。イクラナンデモ妙ナ動キ過ギルダロウ。コレハ上ニ報告シテオイタ方ガイイダロウナ』

「(こくこく!)」


 海中に潜み港の破壊活動をするモンスターに対してもスズ&ロックは攻撃をしかけて、倒していく。

 にもかかわらず逃げもせず、まるで誰かに命令を受けて、暴れ回っているようにしか見えなかった。


 スズ&ロックを敵と認定した羽根サメが、数の差、群の強みを生かして、集団で襲いかかってくる。


『キシャァァァアッ!』

『イクラ数ガ居テモ、馬鹿正直ニ襲ッテキテモ無駄ダゾ! ムシロ、おいら達ノ得意分野ダ!』

「(こく!)」


 四方八方から襲いかかってくる羽根サメを軽く打ち落としていく。

『UR 両性具有(ダブル)ガンナー スズ レベル7777』にとって、どれだけ数が居ても、この程度の相手では数百匹単位で襲いかかられても相手にはならない。


 スズ&ロックは、襲いかかる羽根サメを撃墜し終えると、現状の報告を上――ライト達に送るのだった。


 ☆ ☆ ☆


「た、助け!」

「ぎゃぁぁぁあ!」

「クソが! 仲間が毒を浴びて、紫色の泡を吹いて白眼を剥いたぞ!」

「ダメだ! 近づくな! 普通の攻撃じゃ効果が薄いぞ!」


 獣人種の港街でも阿鼻叫喚状態に陥っていた。


 海から上がってくるモンスターはイソギンチャクを背負った巨大蟹がメインだ。

 巨大イソギンチャク蟹は、竜人帝国側『マスター』達が用意していた海中ダンジョンにも存在し、その時は主にエリーが相手をしていた。


 巨大蟹達の殻は並の鎧以上で生半可な攻撃では傷一つ付かない。

 その巨大な鋭い爪は鋭利で、簡単に鋼鉄の鎧を切断してしまう。

 極めつけは背負っている巨大イソギンチャクだ。注射針のような触手を複数持ち、そこから毒を飛ばしてくる。

 毒を浴びて、激痛にのたうち回っている間に巨大蟹が爪で切断するのが必勝パターンだった。


 蟹の甲羅は固く、イソギンチャクは逆に柔軟故に刃等が刺さり辛い。

 獣人種の攻撃手段は主に剣、槍、矢などの武器による物理攻撃だ。

 獣人種のレベルでは、巨大イソギンチャク蟹の防御を物理的に突破する方法がない。

 故に獣人種達には倒す手段がなく、港は巨大イソギンチャク蟹達によって、破壊され人的被害を含めどんどん拡大していく。


「ふむ……これは少々、獣人種(彼ら)の手にはあまる相手ですね……。では早速、わたくしが始末をつけましょう。天雷(てんらい)


 百近くの雷が巨大イソギンチャク蟹達、海中に潜むモンスター達へと降り注ぐ。

 巨大イソギンチャク蟹達は固い甲羅、柔軟な肉体によって物理攻撃には強いが、魔術攻撃――特に雷には弱く一瞬で絶命してしまう。

 海中にいるモンスターも同様だ。


 攻撃をした存在――『レベル5000 雷鳴の統括者 ウルシュ』は、毒で死亡しかかっている獣人種に向き直る。


 獣人種が相手のため、見た目がある意味一番近いのと、海モンスターが相手のため雷特化のウルシュが派遣されたのだ。


毒物無効(ポイズン・クリアー)。毒は除去したので、急ぎ妖精メイド達の指示に従い後方へと避難してください」

「ほ、本当だ! 苦しくない! あ、あ、ありがとうございま――犬?」


 毒で死にかけていた獣人種は、ウルシュによって毒物無効され一命を取り留めた。

 彼は苦しみから解放してくれた相手に向かって、お礼を告げるため視線を向けた。しかし、そこに居たのは尖った大きな耳に、つぶらな瞳、短い足。胴が長く、尻尾は短かい犬だった。

 頭に天使のような輪っかが浮かんでいるため、普通の犬ではないことは理解できるが……。

 そのせいでより可愛らしい外見をしている。


「? まだ動けないのはどこか怪我をしているのですか? それともまだ毒が残っているのですか?」

「い、いえ! だ、大丈夫です!」

「なら、急ぎ、ここから離れてください。妖精メイド達の指示に従い落ち着いて移動すれば安全な場所に行けますので」

「は、はい! ありがとうございます!」


 外見とは裏腹に渋い落ち着いた声のウルシュに促され、獣人種は慌てて後方へと移動した。

 彼の言葉通り、海中から巨大イソギンチャク蟹、芋虫のように体をくねらせて陸上に上がってくる巨大ナマコなどが姿を現す。


 彼らは陸上にある同族の死体など一切気にせず、ウルシュへと迫る。


 ウルシュは一切怯えた様子もみせず、目を細める。


(海中モンスターが一斉に各港を襲うだけでも異常事態なのに、仲間の死体を前にしても逃げずわたくし――敵を倒すために進む。これはモンスターを指揮する存在がいますね。念話で上に報告をしておくべきでしょう)


 ウルシュはイソギンチャクから放たれる毒を回避。

 巨大ナマコの触手を、雷の斧で切り裂きつつ、再び天雷(てんらい)で始末をしつつ、ライト達へ伝える内容を頭の片隅で纏めるのだった。


 ☆ ☆ ☆


 ――竜人帝国を任されたアイスヒートはというと……。


「貴殿、『巨塔の魔女』殿の部下らしいな。是非、我と『巨塔の魔女』殿との顔つなぎを頼む! 我こそ次期、竜人帝国皇帝! にもかかわらず周りがそれを認めようともしないのだ! だから、どうか『巨塔の魔女』殿に一言我が『竜人帝国皇帝だ』と宣言して欲しい!」

「何を言うか! 俺こそが次の竜人帝国皇帝だ! 俺は先々帝の弟の従兄弟の愛人の息子だぞ! 血統的にも俺が次の竜人帝国皇帝じゃないか!」

「嘘ですよ! 彼らの言は全て嘘です! 騙されないでください! 私こそたしかな血を引く現竜人帝国皇帝なのです!」

「ええい! 黙れ! 訴えてくるな! 近づいてくるな! アイスヒート達は海中モンスター達を倒しにきたんだ! 次期竜人帝国皇帝など興味もないし、関係ないわ!」


 他港街は海中モンスター達によって襲われていた。

 ならば、当然竜人帝国港街もと考え、救援要請は出ていなかったがライトが慈悲をかけて戦力を派遣した。

 突然、竜人帝国皇帝が引き継ぎもせず、上層部が『プロジェクト・アーク』撃墜により死亡。

 そのため救援要請を出したくても出せないだろうからと気を利かせた結果である。


 実際、竜人帝国港街も海中モンスター達の襲撃を受けていた。


 アイスヒートが到着すると、港街で暴れていた海中モンスター達を炎と氷で一掃。

 妖精メイド達がドラゴン達から降りて、怪我人、瓦礫の下に居る者達の救助、避難誘導などの救援活動を開始した。


 そんな中、自称『竜人帝国皇帝』を名乗る貴族達が、『巨塔の魔女』の部下であるアイスヒートに目をつけて、後ろ盾になってもらおうと声をかけ出したのだ。

 しかも、まだ戦いは終わっておらず、海中から増援が来ているにもだ。


「アイスヒート達の邪魔をするなら、オマエ達もモンスターごと始末するぞ!」

「落ち着いてください! わたしこそ、本当の竜人帝国皇帝の血を引くものなのです! なので是非、『巨塔の魔女』様にお取り次ぎを!」

「だ、か、ら! アイスヒート達にそんな権限はないんだ! 邪魔だからあっちへ行け!」


 妖精メイド達は忙しく救助活動、避難誘導等で貴族達に構っている暇が本気で無い。


 しかしアイスヒートは、海中モンスター達を一掃。

 次の増援がくるまで一人暇をしているように見えてしまう。

 実際は増援が来るかどうか警戒しなければいけないのだが……。

 しかも他妖精メイド達より身分が高そうに見える。

 結果、海中モンスター達の増援が来るまで貴族達に声をかけられ続けられるのだ。


 とはいえ救援にきたのに、竜人帝国貴族が邪魔だからと燃やし、凍らせるわけにはいかない。

 アイスヒートは声をかけてくる者達に対して怒鳴り、追い返しつつ、海中モンスターの相手もせざるをえなかったのだった。


本作『【連載版】無限ガチャ』を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


『無限ガチャ』10話アニメが今夜、放映されます。ついに『奈落』勢vs『白の騎士団』との戦い開始!

もう今からわくわくが止まりません、是非、皆様もお楽しみに!


――ちなみにまったく話は変わるのですが、

締め切り1日前に、ネット専用ノートPCが壊れました。

しかも購入して約2ヶ月で。

ネットをしていたら、急にブラック画面に。画面指示に従って立ち上げ直しても元に戻らず完全に壊れました……。

PCが無ければデータを送ることも出来ません(執筆データは幸運なことに無事でした)。

青い顔になって新しいPCを買いに走りました。

そして移動、購入して、セットアップして……予定していたスケジュールが狂って非常に苦労しました。

別に安物を買った訳じゃないのに、どうして2ヶ月で壊れるんだ……。マジで勘弁して欲しいですね……。


最後にアニメ関係として、『無限ガチャ』公式Xアカウント(@mugengacha9999)が開設されております! さらにアニメ公式サイトも立ち上がっていますので、是非チェックして頂けると嬉しいです!


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


次のアップは12月12日を予定しております。


また『小説家になろう』様の規約で、直接アマゾン等のアドレスを張っても問題ないとのことなので、下に明鏡シスイ作品(小説、マンガ)のアドレスを晴らせて頂ければと思います。

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00QSFLJ2E?_encoding=UTF8&node=465392&offset=0&pageSize=12&searchAlias=stripbooks&sort=author-sidecar-rank&page=1&langFilter=default#formatSelectorHeader


また最後に――【明鏡からのお願い】

『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想もお待ちしております。


今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
なんで救援してるんやろ? ま前に復讐のために地上と関わるのはやってるけど、基本的に復讐がなければ地上のことは興味ないって言ってたのに しかも、ヒューマン、エルフ、ドワーフ、オマケで獣人までは理解できる…
そういえば、ヒロを拘束して復讐は達成されたので、そろそろ「不老の腕輪」を外して「かわいいライト」から「イケメンライト」になるとか、如何ですか?
ウルシュに助けられた人から見たら、救世主?になるかも知れないな別の意味で アイスヒートの方は親族から親戚とか愛人等のって、どんだけ血のかけはなれた竜人達が居るのやら、何処かの娼婦に通ってる元国王と…
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