表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

566/573

21話 エピローグ

 竜人帝国側『ますたー』達の『P・A』――『プロジェクト・アーク』、この星からの脱出を阻止してから数日後。


 エリーから、ヒロ達の記憶情報を引き抜いたことを知らされた。


 執務室に僕が座り、その前にメイ、エリーが立つ。


 アオユキは彼女の切り札『眷属徴収』の反動でダウン中。

 ナズナはユメと遊んでいる。


 僕は椅子に座りながら、緊張した面持ちでエリーからの報告を耳にした。

 ある意味、僕がこの復讐を始めた切っ掛け、原因、全てを知ることになるからだ。


「――以上が、ヒロさん達の記憶、(ヘイ)さんからはメイさんと協力して口頭説明で得た情報になりますわ」


 エリーの分かりやすい説明を受けつつ、会議前にメイから渡された資料に目を通しながら話を聞き終えた。


 まずヒロ達が言う『C』とは?

 彼はどう認識しているのか?


『C』が人種として存在しているのは認識している。

 そして、旧文明を滅ぼした邪神(当時は『魔王』とも呼ばれていた)を操る存在が『C』。

『C』が邪神の上に立ち、旧文明を滅ぼし回っていたのをヒロ、ゴウだけではなく、黒、カイザーも目撃している。

『C』が邪神(魔王)を好きなように操っていたのと、彼女自身が『自分はこの世界の神』を自称していた。

 そのためヒロは『もっとも、ボクが全力を出してもこの世界の支配者である「C」を殺せる可能性はほぼ0でしたけどね。本当に嫌になりますよね?』と口にしたようだ。


 また『C』は旧文明でも人種に混じり生活していたらしい。

 邪神の上で指揮していた姿が、見た目から一目で人種だったとのことだ。

 恐らく『C』は人種。

 故に『C』は人種からしか生まれないと彼らは考えて居たようだ。


 僕は資料の該当ページを改めて確認しながら、『女神教』の物語を思い出す。


「……『女神教』が広げている女神の物語に『世界を創り出した女神が、気まぐれで地上を見て回るため自身の一部を人種に変えて、大地に下りる』という童話があったね」


 人種に姿を変えて下りた女神様は楽しく地上を見て回るが、そのあまりの美しさに男性なら誰もが一目惚れし、求婚してしまう。

 人種だけではない。

 エルフ、ドワーフ、獣人、魔人、竜人種――種を問わず人種女神様の美しさに惚れて求婚するのだ。


 困った女神様は、求婚してきた男性達に無理難題を要求する。

 当然、無理難題のため、誰も達成できず、最後は女神様が天へと帰る――という子供に聞かせる童話だ。


 種によって女神様の姿が変わる。

 また話によっては、誠実に無理難題を達成した者と約束通り夫婦となり、『仲良く地上で暮らしました』というオチがつく場合もあった。


「もしかしたら、この童話も事実を元に作ったのかもしれないね……」

「ライト様の仰る通り、その可能性はありそうですね」


 他にも気になる点として、


「『邪神』、『魔王』と呼ばれる怪物は、伝承では勇者達の手によって倒されたとされているが、ヒロ、ゴウは勇者の存在を知らなかった。黒さんの証言曰く、『前世、カイザーを殺害したのが聖剣の勇者だった』と。しかも、勇者達は種の味方所か『しー』側、むしろ敵だったらしいね」


『女神教』の教えでは勇者×4+聖女によって、邪神(魔王)が倒されたことになっている。


「こうなってくると聖女も胡散臭い存在になるね。むしろ『しー』とは聖女のことを指すのかな? もしくは『しー』、『聖女』、『女神』、この3つは全て同一人物と考えてもいいかもしれないね」

「その可能性は高いと思いますわ。勇者が種を裏切った以上、聖女、女神も『しー』側と考えるのが自然ですもの」


 エリーが僕の独り言に同意してくれた。


『C』と『邪神』から無事に生き残ったヒロ達は、過去の出来事を考えると、未だ地上が滅びず存在していることに気持ち悪い違和感を覚える。

 過去を知る彼らからすれば、再び世界を滅ぼす準備をどこかで『C』がしていると考えてしまうのは必然だ。

 故に邪神を操る『C』は、また一般人種に紛れて生活しているはず。なので、力に目覚める前に殺害することを決意する。しかし相手はこの世界の神的存在。殺せる可能性は低い。

 だが手をこまねくわけにもいかず、『C』っぽい、神っぽい存在、人種を探して殺害することを計画。また自分達のような存在、仲間を集めて戦力強化を狙った。

 結果、恩恵()は持っているが、自分達のように前世を持たない『偽ますたー』は殺害することにした。

 疑わしいため、『C』の可能性があるためだ。


 村人を皆殺ししたのも、『偽ますたー』を生み出す土壌があるなら、今後、『C』が生まれる可能性がある。だから、殲滅した。

 そして確実に殺害するため、ヒロ自ら足を運んだ。


「以上が現在分かっている情報か……」


 結論を言えば、ヒロ達が、『C』という存在を恐れ、始末するため僕のような『偽ますたー』達を殺害して回っていた。

 全ては自分達が助かるため……。


 たまたま僕は運良く生き延び、元『種族の集い』への復讐、自分が殺されそうになった真実を知るために動き出した。

 そして、復讐を終えて、真実を知ることが出来たわけだが……。


 復讐はともかく、『これが両親、村人殺害、故郷破壊の真実です』と言われても、腑に落ちなかった。

 なぜか納得できないのだ。


(どうして納得できないんだ? ヒロ達当事者から直接取り出した情報のはず……)


 なのに腑に落ちない。


 引っかかっている理由の一つとして、


(ルカンが最後自爆したのは……『しー』と連絡が取れて、自分が死亡しても『しー』、『邪神』が最終的に僕達を殺すと確信していたからじゃないか?)


 だから、捕らえられて情報を抜き出されるより、自爆自死を選んだのでは?


 そう考えると筋は通るのだが……。


(あの時のルカンに死ぬことの恐怖は一切なかった。『しー』に対する狂信から死を恐れていないというより、再び自分が僕達の前に姿を現し、『雪辱を果たす』という感じだった)


 ヒロ達を捕らえられたお陰で、色々と真実を得ることが出来たが、『ルカン』という存在が異質過ぎて腑に落ちないのかもしれない。

 実際、『ルカン』についてヒロ達の情報を漁ってもらったが……。


『C』のスパイだったとはヒロ達自身、一切知らなかった。

 ミキ、カイザー、黒達のように前世で『邪神』、『C』に殺害された側。

 故にヒロ達、竜人帝国側についてこの星から脱出するために動いていた。

 アークがある海底ダンジョンを発見したのもルカンだ。

 ヒロ達のレベル上げを海中で手伝いもしていた。

 それ故、彼がスパイなどとは一切考えていなかったようだ。


 回収した頭部からエリーが記憶を読み取ろうとしたが、流石に無理だった。


 僕は暫し押し黙り、メイ、エリーに口を開く。


「メイ、エリー、調査ご苦労様。色々、真実を知ることができて僕は満足したよ」

「お褒めに頂き、ありがとうございます」

「ライト神様が満足して頂けたのなら、これに勝る喜びはありませんの」


 二人は僕の褒め言葉に嬉しそうに口を開き、一礼してきた。

 続けて口を開く。


「この件は満足しているけど、僕が戦った『ルカン』についてはまだ懸念があるんだ……。もしかしたら、彼の仲間……最悪『しー』が『邪神』を連れて僕達に襲いかかってくるかもしれない。過去文明を滅ぼした時のように」

「『しー』と内通していた竜人帝国側『ますたー』の裏切り者ですね」

「ライト神様と戦い最後、意味深な台詞と共に自爆したお方ですわね。では、早急に対『しー』、『邪神』対策を検討させて頂きますわ!」

「二人とも頼むよ」


 僕は2人に対『C』、『邪神』対策を立てるよう指示を出した。


 杞憂に終わればそれでいいのだが……。


 2人が退出するのを見送りつつ、僕は胸中で妙にぬぐえない危機感を覚える。


(どうしてだろう……なぜか嫌な予感がぬぐえない。これは本当に『しー』や『邪神』が攻めてくるかもしれないという不吉な予感なのか?)


 僕やメイ、アオユキ、エリー、ナズナ、他『奈落』最下層の皆がいれば、過去文明を滅ぼした『C』、『邪神』が相手でも簡単に負けるとは考えられない。

 にもかかわらず、僕は嫌な予感を止めることができなかったのだった。


 ☆ ☆ ☆


 ――とある深海遺跡。


 年齢は15歳前後。

 髪は緩やかなパーマを描き、肩にやや触れる程度の長さで、以前は全裸だったが、現在は衣服に袖を通していた。

 背中にマントをたなびかせ、短いスカートの下にはタイツを履いている。


 彼女はセミロングの髪を華麗にたなびかせると、乱杭歯の巨大生物の上に立ち、高々と1人宣言する。


「『C・U』様のため! 『Einqru(シングル) AI(エーアイ)』、アイが物語を正規に戻すため、あの黒髪の少年、『巨塔の魔女』、その他諸々! 邪魔する蟲共は全て叩き潰してやりますわ!」


 竜人帝国側『マスター』の1人で、裏切り者だったルカンの同機個体、『Einqru(シングル) AI(エーアイ)』のアイがライト、『巨塔の魔女』エリー、他関係者達を皆殺しにすると宣言。


 彼女達は宣言を実行するため、深海遺跡から外へと動き出すのだった。


本作『【連載版】無限ガチャ』を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


『無限ガチャ』アニメ5話が無事に放映されました!

これも本作を読んで下さり応援して下さっている皆様のお陰です、本当にありがとうございます!

5話のダーク、ネムム、ゴールドの戦闘がアニメで見られて感無量です(正直、明鏡が想像した以上に動きまくっていたので、驚きました)。

そして何より今夜は6話が放映されます!

明鏡自身、個人的に楽しみにしているあのシーンがついにアニメで見られるなんて! 本当に今から楽しみでたまりませんよ。


また3ヶ月刊行の第2弾! 『無限ガチャ』コミックス19巻が発売しました。

表紙はリリス単独!

リリスの凜々しい覚悟を決めた姿が格好良く、非常に目を引く表紙だと思います。

大前様、素晴らしい表紙とコミカライズを本当にありがとうございます!


また『無限ガチャ』コミックス19巻発売を記念して、購入者特典SSをアップしたいと思います。

いつも通り活動報告にアップするので、チェックして頂けると嬉しいです。


最後にアニメ関係として、『無限ガチャ』公式Xアカウント(@mugengacha9999)が開設されております! さらにアニメ公式サイトも立ち上がっていますので、是非チェックして頂けると嬉しいです!


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


次のアップは11月14日を予定しております。


また『小説家になろう』様の規約で、直接アマゾン等のアドレスを張っても問題ないとのことなので、下に明鏡シスイ作品(小説、マンガ)のアドレスを晴らせて頂ければと思います。

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00QSFLJ2E?_encoding=UTF8&node=465392&offset=0&pageSize=12&searchAlias=stripbooks&sort=author-sidecar-rank&page=1&langFilter=default#formatSelectorHeader


また最後に――【明鏡からのお願い】

『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想もお待ちしております。


今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
取り逃すことは絶対にないとわざわざ断言してまで印象付けてたからここで何もないとなると後々まで引っ張るつもりかな?そうなるとやっぱり構成的にも怪しいユメがC?もしくはCに成る?
兄と妹がどうやってヒロの襲撃から生き残ったのかは謎のままだな
ライトたちの復讐は閉幕しましたが、制御室のようなところでライトに対して逆ギレしたゲームマスター的な少女(仮)はAIでアイでしたか。 正規の物語と言う事は、この世界はやはりゲームの世界みたいですね。 ど…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ