6話 メイvs黒3
『魔力糸』のナイフで黒と切り結んだ。その際、黒の能力によって『「魔力糸、界」』の時のように一方的にナイフが元の魔力となって霧散した。
メイ自身がどれだけ抵抗してもだ。
隙が生まれ蹴られたが、距離を取ることはできた。
メイはこれ幸いに頭を回転させる。
(私はナイフの『魔力糸』を解いていない。見られただけで一方的に元の魔力に強制的に戻されてしまう。どう考えてもあの目が原因でしょう。恐らく、あの目が彼の恩恵)
では、黒の恩恵は、『魔術を強制的に解除、元の魔力に戻す恩恵なのか?』と考えるが、メイは胸中で否定する。
(仮にそうだとして、私が見られた瞬間、吹き飛んだり、引き寄せられたりする理由に説明がつかない。それに瞼を閉じ、開くと瞳の魔方陣が回転している……。複数の力を宿した恩恵の可能性が高い)
推測だが、その仮定が一番納得できた。
もしこの仮定が正解なら、非常に強力な恩恵である。
ずっと身につけていた目隠しも、強力な恩恵を封印するための物だと考えたら筋が通る。
瞼を開くたび、吹き飛ばしたり、引き寄せたり、魔術を霧散させる力などあったら、おちおち目を開けられない。
普段は封印しておいた方が逆に便利だ。
(目隠しを外した今なら、鑑定が通るかもしれませんね)
メイは改めて黒を鑑定。
目隠しをしていた時は一切鑑定できなかっが、今度は一部読み解くことができた。
(男性、レベル9??? 恩恵は……『ランダム魔眼』。その能力は――ただの鑑定ではこれ以上、分かりませんか)
ライトの『無限ガチャ』カード、強化などを使用すればもっと詳細な情報を得られそうだが、今にも斬りかかろうとしている黒を目の前にそんな余裕はない。
胸中で愚痴りそうになると、一転。
目の前から黒が消失し、背後に気配を感じ取る。
メイのアイテムボックス内部で『とあるカード』が消費されたのを察するが、そっちに構っている暇は無かった。
背後からの一撃を回避しつつ、山勘で蹴りを放つ。
メイの運が良かったお陰で、黒に蹴りがクリティカルヒット!
ダメージを彼に与えることに成功する。
黒がダメージと、まさか今の一撃が回避された上、手痛い反撃まで喰らうとは考えておらず、動揺してくるのが伝わってくる。
瞬間移動のように突然、背後に黒が移動。なぜかメイのアイテムボックス内部で『とあるカード』が消費されたことで『魔術が勝手に解放、元の魔力に戻って霧散する』現象の方法も突き止めた。
彼女は一息つくと、彼に指摘する。
「先程の背後に回りしかけた攻撃のお陰で、貴方が『魔力糸』を無力化した方法、私を吹き飛ばし、逆に引き寄せたりした力のタネが分かりました。『ランダム魔眼』それが貴方の恩恵なのですね。さらに別の手も使っていたようですし」
「…………」
メイの言葉に黒が同意するように睨み、腹部を押さえていた手を離し、黒刀を構え直す。
メイ自身、黒からの返答は期待しておらず、『魔力糸』でナイフを作り、同じく構え直した。
その際、『魔力糸』ナイフを背中に、黒の視界から隠す。
(私のアイテムボックス内部で『UR 時間停止破壊』カードが消費されたことから、彼はあの瞳で一時的に私の時間を停止させて素早く背後に回り込んだのでしょう。そして、切り捨てる寸前で解除する前に、『UR 時間停止破壊』カードのお陰で私が復活。回避して、反撃することができた。あの瞳が『時間操作』の力を持っているなら、『魔術が勝手に解放、元の魔力に戻って霧散する』現象も説明できます。あの瞳の力で時間を巻き戻しているのでしょう)
メイの予想は正解だった。
現在、黒の瞳は『時間操作』になっている。
彼が見た者、物の時間を操作することができる魔眼だ。
(だとしたら、勝手に霧散されないようあの視界に入れなければいいだけです)
手の内が分かれば対処方法も判明するのが道理だ。
(目の六芒星、『ランダム魔眼』という恩恵名から、能力は恐らく6つ。時間操作、吹き飛ばし、引き寄せで3つ。あと未知の力は3つ)
さらに彼の行動から、一度、瞼を閉じて能力を切り替えないと、別の力は使えない。
目隠しをしていたことから、黒自身、この力を完全に扱い切れていないなどの弱点も把握する。
情報戦だけ見るとメイが有利そうだが、実際は……。
(『「魔力糸」、界』から脱出するため、相手が切り札を使用。お陰で一部、鑑定で情報を得ることができました……が、私自身、もう一度『「魔力糸」、界』を使用できるほどの魔力はなし。相手は戦闘慣れして、あと三つの力も未知数。戦闘が得意ではない私には少々荷が重いですね……)
だがライトのためにもこんな所で足踏みなどしていられない。
(メイド道とは死ぬことと見つけたり――ライト様のためにも危険な橋を渡りきってみせます!)
メイは覚悟を固めて、最初に仕掛ける!
ナイフを背後に隠したまま、間合いを詰めた。
黒が迎撃のため剣を振るうが、ナイフで弾く。
彼は弾いたナイフの時間を巻き戻し、魔力に戻して霧散化しようとするが、
「させません!」
「ッゥ!?」
それより早くメイがナイフを振るう。
黒は霧散化させるため、ナイフを視界に納め時間を巻き戻す必要がある。
瞬時に元の魔力に戻すことができる訳では無い。
どうしてもタイムラグが発生してしまう。
故に高速で切り結んでいる間は、魔力への霧散化を気にする必要は無い。
メイ本人を止めようにも、『UR 時間停止破壊』カードで無効化。
むしろ停止するため相手を凝視する必要があるので、近接した高速戦闘には不向きだ。逆に隙が生まれてしまう。
黒は目を閉じ、別の魔眼に切り替える選択をする。
彼が瞼を閉じ、新たな魔眼を選ぶ。
「!?」
メイの一撃が空振り。
黒刀が振るわれるもナイフでギリギリ弾くが、体が泳ぎ隙が生まれる。
その隙を狙い黒が先程メイにやられたように回し蹴りを腹部へ。
防御が間に合わず、メイはもろに一撃を受ける。
いくらレベル9999でも、この蹴りの一撃は辛くメイの口から空気と悲鳴が漏れ出しまう。
黒の攻撃は終わらない。
蹴り飛ばされたメイを狙い追撃。
「ぐぅ……ッ!」
メイは蹴りの一撃に苦しみながらも、黒の追撃をギリギリで防ぐ。
しかし、まるで『未来が視えている』かのように、黒はメイの防御をすり抜け肩を黒刀で突く。
深々刺さった黒刀を引き抜き、一閃。
メイがナイフを割り込ませたお陰で致命傷には至らなかったが、袈裟斬りにされてしまう。
「まだ、です!」
メイは血を流しながらも、前に出た!
黒はそれすら知っていたかのように、迎え撃つ。
メイのナイフをあっさりと回避。
彼女の腹部に黒刀が突き刺さり、背後に突き抜ける。
「ああぁ……ッ!」
「!?」
メイはそれでも前に進む!
これは黒も予想外で黒刀を引き抜き退避しようとするが、彼女が素手で刃を掴み自分から体に押し込む。
メイは手にしたナイフを振り上げ、下ろす――が、その力は弱く黒の鎖骨辺りに軽く刺さっだけだった。
黒自身、メイの攻撃に脅威がないのを知っていたように回避しなかった。
むしろ、止めを刺そうと腕に力を込める。
メイ自身、抗うように腕に力を込め黒刀を止め続ける。
メイ、黒の戦いに決着がつく。
本作『【連載版】無限ガチャ』を読んで頂きまして誠にありがとうございます。
今年は嬉しいことが色々ありました!
来年も頑張っていければと思います! 本作を読んで下さいまして&応援してくださいまして本当にありがとうございます。本当に皆様のお陰です!
それでは皆様、良いお年を!
次のアップは1月7日を予定しております。
また『小説家になろう』様の規約で、直接アマゾン等のアドレスを張っても問題ないとのことなので、下に明鏡シスイ作品(小説、マンガ)のアドレスを晴らせて頂ければと思います。
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また最後に――【明鏡からのお願い】
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