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8話 ナズナ、アオユキ

「ご主人様! エリー! メイ! アオユキ! みんな、どこにいるんだ!?」


 気づけばナズナは一人、通路に立っていた。

 彼女は宙城とアークが重なり、地面に落下。

 その落下地点近くに、ご主人様――ライトが立っていたので、他レベル9999達に倣いすぐに側へと駆けつけた。


 地面に着地直後、魔方陣が展開。

 気づくと見知らぬ通路に立っていたのだ。


「あたい達、森からどこかに無理矢理、転移させられたってことか?」


 さすがのナズナも前後の状況から、自分達がどこかの場所に強制転移させられたことに気づく。


 彼女は大剣プロメテウスを手に、通路の前後を何度もきょろきょろ見比べる。


「う~~~ん……よし! あっちだな!」


 ナズナは前方を指さすと、走り出した。

 そちらを選んだ理由は彼女の勘だ。それ以上の理由はない。

 大剣プロメテウスで分裂。

 物量で捜索するアイデアも思いつかず、『SR 念話』、『SSR 転移』で移動も思いつかず、とりあえず走り出したのだ。


 ――走り出した直後。


『ドン!』と廊下全体が爆発したかのように振動する。


 ナズナがダンジョンのトラップ、攻撃魔術地雷を踏んだ結果だ。


「び、びっくりした!? なんだ今のは!?」


 しかしダメージはとくにない。

 ただ爆発音に驚かされただけである。

 ナズナは驚くが気持ちを落ち着かせると、再び駆け出す。


 走り出した結果、再び罠を踏む。

 今度は猛毒が塗られた槍が壁から無数に突きだしてくる。

 ナズナは器用に大剣プロメテウスで切り払う。

 彼女に刺さることはない。


 ……たとえ体に当たってもあの程度の槍では刺さらない上、猛毒も毒物完全無効化があるため無意味だが。

 当然、『毒物完全無効化』を貫通するほどの毒なら、毒化状態にさせることが出来ただろうが……。

 そんなある意味、希少な毒物など然う然うない。


 ナズナは切り落とした槍、トラップの残骸を前に首を捻る。


 彼女は首を捻りながら、再び歩き出すとまたすぐにトラップが発動!


「!?」


 今度は床そのものが消失し、底一面に無数の杭、さらに天井が砲弾のように発射される。 落とし穴&吊り天井トラップだ。

 このトラップに対してナズナは、砲弾のように発射された巨大な天井を大剣プロメテウスを高速で振るって刃で触れることなく剣圧によって遠距離から粉微塵に切断。

 そのまま落下しつつ、大剣プロメテウスを足下に投げ杭に突き刺すとその上に着地する。


 細切れになった天井の残骸が上から降って穴を埋めていく。

 ナズナは手で自分に当たりそうな天井破片だけ見切り、軽い調子で弾く。


 本来であれば天井砲弾&落とし穴の杭に潰され、即死するトラップだった。

 しかし、ナズナの驚異的技量、身体能力、レベルなどからすると遊戯でしかない。

 結果、彼女は妙な誤解をする。


「なんだここは? もしかしてここってアスレチック会場ってやつなのか?」


『無限ガチャ』カードから出た雑誌に、体を実際に動かして楽しむアスレチック会場アスレチックフィールドがあることは知った。

 ナズナ的には今までのトラップは特に脅威ではない。

 そのため、自分が今、なぜか遊び場――『アスレチック会場アスレチックフィールドにいるのでは?』と思ったようだ。


「? まぁいいか。とにかく、早くご主人様達を見つけないとな!」


 だが自分がどこにいるかは分からないが、とにかく今は同じように強制転移させられたライト達と合流するためナズナは穴から飛び出し、再び走り出す。

 その際、何度もトラップにかかるが、気にせず一人爆進するのだった。


 ☆ ☆ ☆


「~ゃに」


 アオユキは面倒そうに思わず鳴いてしまった。


 現在、彼女は強制転移させられた深海ダンジョンの『天井』を走って移動していた。

 転移後、アオユキは気づけば、一人広い部屋にいた。

 その際、すぐさま同じように強制転移させられただろうライト達へ『SR 念話』で連絡を試みるが失敗。

『SSR 転移』、『SSR 千里眼』も使用するがどちらも妨害されているのか使用できなかった。


 連絡が取れないのはしかたない。

 アオユキは割り切り、ダンジョン通路に出て、進む方向は勘で決めて移動を開始。

 その際、地面にはトラップが設置されているだろうと判断。

 いちいちトラップに気を配り移動するのも面倒なため、彼女は天井を爆走することを選択したのだった。


 四足姿勢で天井を高速移動する。

 落ちそうになると両手で天井を掴み、体を支えつつまるで地面を走るような軽快さだった。


「ーゃに」


 アオユキの読み通り、さすがに天井を走って移動する者は想定していなかったらしく、かなり長い距離を移動したが、一度もトラップには引っかからない。

 思わず、自身の判断に自画自賛の声を上げてしまうほどだ。


 それはそうだ。

 このダンジョンのトラップを作った竜人帝国側『マスター』達も、『天井を軽快に移動する侵入者』など考えてもいない。

 せいぜい、『飛行し移動する者がいるかも』と考えて、それようのトラップを準備した程度だ。


「!」


 しかし暫くして、その足が止まった。

 彼女は両指を天井に刺し、固定し、視線の先の広場に鋭い視線を向ける。


「…………」


 トラップに注意を払い過ぎて、相手の存在に気づくのが遅れてしまった。

 広場に先んじている者達に、自身の存在が既に察知されていることをアオユキは理解する。

 彼女は諦めて、天井から床に着地。


「んにゃ」


 面倒そうに一鳴きし、『獣の鎖(ビースト・チェイン)』を手に、先制攻撃を警戒しながら、広場へと歩み入る。


「アァァッ? 妙な気配だと思ったらガキ?」

「おい! ゴウ! あのナズナ(化け物)の例もあるんだ! 見た目で油断するなよ! それにこの青いのは、あの『巨塔の魔女』の側に居た奴だ! 絶対に魔女の関係者だぞ!」


 気配からライト達ではないことは知っていた。

 広場に居たのは――レベル9000前後の元魔人国側『マスター』リーダー格のゴウ。

 レベル8000超えの竜人帝国側『マスター』の一人、セスタだ。


 ナズナは既に『巨塔の魔女』の手下扱いのため、特に正体を偽装していない。

 しかし、アオユキはまだ正体を表沙汰にしていないため、ライトと同じように『SSR 道化師の仮面』系統の仮面を被り素顔を隠していた。


 しかし二人は魔方陣で強制的に転移される前、『巨塔の魔女』エリーと一緒にいたアオユキを目にしていた。

 なので相手も彼女が自分達の味方ではないことは理解している。

 それはアオユキ自身もだ。


「にゃ~……」


 彼女は面倒な相手と顔を合わせてしまったと再び一鳴きするのだった。


本作『【連載版】無限ガチャ』を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


いよいよ『無限ガチャ』コミックス12巻が来月5月9日(木)に発売します!

なので次のアップ予定日も、今回だけは5月9日(木)にさせて頂ければと思います。以後はいつも通り火曜日アップにもどしますので。

またいつも通り、コミックス購入者が読める購入特典SSを頑張って書かせて頂きました!


『無人島に誰か1人を連れて行くなら?』というタイトルです!

ライト、メイ、ナズナ、ユメ、他キャラクターが『無人島に誰か1人を連れて行くなら?』について答えます。どたばたする感じです! 是非お読み頂ければ嬉しいです。


またコミックス12巻もついにナーノ復讐編(ドワーフ王国編)に突入!

まだコミックスを読んでいない方は、この機会に是非、お手にとって頂けると嬉しいです!


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


次のアップは5月9日を予定しております。


また『小説家になろう』様の規約で、直接アマゾン等のアドレスを張っても問題ないとのことなので、下に明鏡シスイ作品(小説、マンガ)のアドレスを晴らせて頂ければと思います。

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00QSFLJ2E?_encoding=UTF8&node=465392&offset=0&pageSize=12&searchAlias=stripbooks&sort=author-sidecar-rank&page=1&langFilter=default#formatSelectorHeader


また最後に――【明鏡からのお願い】

『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想もお待ちしております。


今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
アオユキ1人対ますたー3人の戦いがどうなるのか…心配です… 1対3だもの…心配にもなるわ
[一言] しかしまあ本来だいぶ強いはずの連中がめんどくさいか
[一言] 『無人島に誰か1人を連れて行くなら?』 楽に過ごすならメイ 楽しく過ごすならナズナ と言う面白みの無い結論。
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