序章
初めて書きます。目指せ、毎日更新!
現在、日本の四季は夏である。うだるような暑さの中、Tシャツ・短パン・サンダル姿で無精髭を生やした男が朝からファミレスに来ていた。
男は店内に入ると迷うことなく店の奥の席に着き、モーニングセットを注文した。
彼の名前は、星谷セイ。27歳。今から3ヶ月前の4月半ばに給与の低さと転勤の多さに嫌気が差し、仕事を辞めてしまった男である。
そんな彼が朝からファミレスに来るのには理由がある。
「はあ〜〜、今日も暑いな。早く仕事見つけないとなー。、、、って毎日ここに来てるのもこのためだから今日もやるか!」
セイはつぶやきながら、スマートフォンをいじりだす。
スマフォの画面には、カードゲートワールド(CGW)というアプリが起動している。
世界中で人気のトレーディングカードRPGである。無課金にも優しく、中学生から大人までとても人気のあるゲームだ。
無課金に優しいにも関わらず、セイは退職金をほぼ課金していた。節約するため、ファミレスにはWifiと冷房を求めて来たのだった。
「あああ〜〜、貯金もあとわずかなのに、このカード欲しいなー。」セイは頭を抱えた。
すると、足音が近づいて来た。
「お待たせしました。こちら、モーニングセットになります。ごゆっくりどうぞ。」
モーニングセットとランチセットで夕方まで毎日居座っていたせいか、若い女性店員は呆れた目でこっちを見ていた。
セイはスマフォの画面に目をやり、ログインボーナスを受け取っていた。
すると、コーヒーカップの水面が揺れているのに気がついた。。日本は地震国なのだからと、気にせずゲーム画面に戻る。
突如、画面がブラックアウトし、周囲で携帯が鳴り響きだした。地震速報である。
女性店員の悲鳴が聞こえる。セイは直ぐにテーブルの下に隠れた。一番店の奥ということもあり、出口まで辿り着けるとは思わなかったからだ。
女性店員の方を見ると、ファミレスの出口から天井が次々と落ちて来ていた。
セイは死を覚悟した。