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リコに繋がる線は細く頼りない。だけど、ほんの僅かな可能性に賭けてみたいのはなぜだろうね。
思えばここまで感情が揺れ動くことも、まったくなかった。何かと理由をつけて諦めたり、遠い話にしていた。でも…諦めたくないんだ。どんなに小さな希望だとしても。
ゆっくりと深呼吸を繰り返し、手を強く握ってみる。少しずつ戻ってくる手足の感覚。黙ってなんかいられない。
近くにあった上着をはおり、カードキーを手に取った。
軽く手を上げてタクシーに乗り込む。告げた行き先は…もちろん、シンの店だ。
ボロボロになった外観。灯りの乏しい寂れた飲み屋街の一角。あの日の記憶を頼りに何とかたどり着くことができた。
だけど…一体どうすればいいのだろう?もしかしたら連絡の一つぐらいあってもおかしくはない。警戒心を持たれたら、きっと何らかのアクションは起こるだろう。店の前で少しだけ悩んで腕を組んだ。
ただわかることは、もうここにしかリコに繋がる道はないということ。もし失敗したのなら…それはゲームオーバーを意味する。
ネガティブな考えだけが頭を支配する。それを振り払うかのように、重い店の扉を開いた。
相変わらず客のいない店内。そこに彼はいた。
『いらっしゃい…』
含みを持った挨拶。招かれざる客なのは重々承知で、近くのカウンターに腰を降ろした。
『今日は一人なんですね』
「ああ、近くで飲んでいてね。君のことを思い出したわけさ」
『今日も水割りで?』
「ああ…それで頼むよ」
トクトクと注がれる薄く色づいた液体。俺は手元に注意しながら、それを受け取った。
「よかったら君も飲んでよ」
目の前のグラスに酒と水を注ぎ込む。…これである意味同条件。グラスにさえ細工されていなければ…彼はそれを飲むはず。
だけど、結果は…お互いが動きを止めた。警戒心が口をつけるのを拒むように。
「どうしたんだい?飲んでいいよ?」
促すように、じっと彼の目を見つめる。明らかに目が泳いでいる。【隠し事があります】と顔に書いてあるかのように。
彼は意を決したように、口をつけ…一口飲んだ。薄く額に汗がにじんでいる。
「お前…わかりやすいな。何を隠しているんだ?」
『俺は何も知らない』
「そうは思えないけどな」
懐から一枚のCDを取り出すと、明らかに顔色が変わった。




