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…これもまた、一つの謎を呼ぶだろう。
懸念していた通り、ディスクが無造作に入っている。よほど俺を信頼しているのか…もしくは罠か。
気づいた上で、泳がされているのかもしれない。
手に取ったディスクを眺めながら、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
胸の鼓動が意識とリンクするように、耳の中で鳴る。
どうする?
無意識に自分に問いかける。このままにしておけば、戻れるかもしれない。何も知らなかったフリを続けて。
ただ…心からの欲求は正直だった。見たい。知りたい。もっと深くまで。…君のことを。
…ザアザアと水の流れる音はまだやまない。なぜか震えが止まらない。
俺は思い出したように、袖口でディスクの表面を拭った。指紋がついているかもしれない。些細な疑心暗鬼は、闇の中へと俺を引きずり込んだ。
…昨日は…そのまま触ってしまった。バレているかもしれない。一度芽生えた疑惑の根は、心の中をかき回す。
…その時、シャワーの音が不意に消えた。
ビクリと背中を震わせ、それをカバンの中に放り込んだ。
不自然じゃないように、少しカバンから距離を置いて、滝のように流れ出る冷や汗を拭った。
ガチャリ。扉が開く。
『…サッパリした。唯人さんも入ってきたら?』
「いや…出かける前に浴びたから」
『でも…なんだか汗をかいてるみたいよ?』
…彼女を一人にするわけにはいかない。その隙に何をされるのかわからないから。
リコを信じたい気持ちと、不安な気持ちが入り交じって吐き気がした。
相反する二つの想いを抱えたまま接するのは、俺には到底無理な芸当だ。
その場をごまかすように、一緒にいたいから、リコが眠ってから入るよ、と告げて、使ったカップをシンクに下げた。
『ねえ?唯人さん…』
まだ酔いが回っているのだろう、甘い声で俺の名を呼ぶ。
「なに?」
『本当に明日…一緒に来てくれる?』
…そうだ。何も言わずについてきて欲しいと。そんな約束をしたんだ。
「行き先さえ秘密なのか?」
『うん…まだ言えないんだ。だから…明日一緒に…』
酔いが抜けないのか、傷ついたレコードのように同じセリフを繰り返す。
「わかったよ。それなら早く眠らないと。リコも酔ってるみたいだし…」
『唯人さんも一緒に寝てくれる?』甘えた顔で言われたら、断れるはずもなく。
だけど…眠るわけにはいかないんだよ、リコ。
…あの秘密に近づくためには。




