プカプカ
あの夏の日の思い出
久美浜の海で 君はプカプカと浮いていた。
夏空の雲を見ながら。
七つ違いの君の弟は 君の真似をしながら浮いてみようとしたけど、浮かべず、沈んでいく。
君はずっとプカプカ気持ち良さそうに、穏やかな波、海原にプカプカずっと浮いていた。
あの時、君の弟には浮かぼうと思うな、体の力を抜いて、波に身を任せと言ってあげた方が良かったかと今なら言えそうな気がする。
僕も君もずっと夏空の雲を見ながらプカプカ浮いている。
穏やかな海原、逆らわずいつまでもプカプカ浮いていた、あの夏の日、君は初めて得意気な笑みを浮かべていた。
そして時は行く。
穏やかな夏の海原の上で。