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捧げる者  作者: 深香月玲
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64 水着だらけ

「どんどんどんぱふぱふーなのー。これよりカナタの正妻決定戦を開催するのー。」


「望むところよ。受けて立ってあげるわ。ついでにカナタの起たせたものも受けてあげるわ。」


「自分とカナタの絆を証明するのだ。負けるわけにはいかないのだ。」


「プリム、目にもの見せてやるのじゃ。」


「カナタの身も心もうちらのものにゃ。」


「勇者なんかひとひねりなの。ぼこぼこにするの。」


「あーしが酒を選んでる間に変なことになってるなし。」


「せっかくの休息が残念なことになってしまったでござるな。」


本当になにがどうしてこうなった。


「それでは一回戦は「たたいてかぶってじゃんけんぽん」。競技の説明は不要ですね。二本先取した方の勝利となります。」


フィオレンティーナが進行役を始めちゃったよ。もう好きにしてください。

ええと、何から説明しようか。ここはパイパイって大都市の大型温水浴場施設で、麗しい水着姿のプリメーラたちとひと時の休養を楽しみに来たはずだったのだが、どこからか勇者がその情報を嗅ぎつけてきてなんやかんやで今に至ったということでいいだろうか。


それで「たたいてかぶってじゃんけんぽん」だが、どうにも決着がつきそうにないんだけど。勇者は抜群の反射神経で防御するし、一方のプリメーラは不可侵剣聖の二つ名に恥じぬ避けっぷりだ。周りの檄も横から殴れだの突きを繰り出せだの物騒なことになってきたところで引き分けが宣告された。


それにしてもプリメーラは何を着て何をしていても目を惹くね。彼女の赤い髪と同じ色の水着がとても似合っている。女性らしい体型を余すところなく程よく包み隠す布の大きさが抜群にいいです。腰には薄い布を巻いていて、その布越しに見える御御足も素敵です。

ちなみにセットフィーネは紫の妖艶な前も後ろも露出の多い正直大丈夫なんですかっていうぐらい攻めていて、サンクレイドは普段の和装を思わせるような落ち着いた黒の装い、ヌフクールは普段と変わらないような感じもするがこれはこれでちゃんと水着らしい。キャトレーブは動きやすそうな上下が別れた橙色を基調にしたもの、ディスマルクは小さい体にはあまり似つかわしくはない豊満な胸の谷間を強調するような形の白を基調にしたものを身に纏い、ユイトセインのは…学園の時の水泳の授業の時に見た同級生を彷彿とさせるような紺の上下一体型です。

一応、勇者の出で立ちも言っておくと、こちらも彼女の白金髪と同じ色のところどころキラキラした上下がつながった水着からお色気とは評しにくいが元気溢れる肢体を惜しげもなく披露しています。


「二回戦は「のってけのってけ波乗りでぽん」。こちらの対戦は同時に波に乗っていただき、先に板から落ちた方が負けとなります。妨害することは認めますが技能(スキル)の使用は不可とします。」


なんだろう。その最後の無理やりな「ぽん」は。とっても気になるんですけど。

継続的に大きな波を発生させている幅20mぐらいの水路に移動して、いざ対戦を始めようとしたのだが問題があったようだ。


「波乗りなどやったことがないのだ。しばらく練習しないと無理そうなのだ。」


「波乗りなんてできなくても全然悔しくなんかないんだからね。」


プリメーラも勇者も抜群の平衡感覚をもっているだろうから初めてだろうが問題なくできるかと思われたのだが、意外にも何度挑戦しても全くと言っていいほど波に乗ることができずに水の中へと落ちるばかりだったのだ。ということで二回戦も引き分けになりました。


「三回戦は「カナタの全てを〇✕でぽん」。こちらの対戦は早い者勝ちで二問先取した方の勝利です。カナタさんに関する問題を読み上げていきますので、その答えが合っていると思うなら〇、間違っていると思うなら✕の方に飛び込んでください。正解の方は柔らかい緩衝材がありますが、不正解の方は泥まみれになりますのでご覚悟ください。ちなみにカナタさんの正妻になる方なら知ってて当たり前の問題となっております。」


やっぱり「ぽん」をつけるんだね。もう気にしないことにしよう。

次に移動してきたのは砂浜の先に〇と✕の壁がある娯楽場だ。一般の人でも同じように楽しめるようになっていて、フィオレンティーナが言ったように不正解の方は泥まみれになってしまうが、美容にもいい成分がたっぷり含まれていてお肌がすべすべになるそうな。


「それでは第一問。カナタさんの誕生日は小五の月の三日」


ここまで聞いたところで勇者が勢いよく駆け出すと、あっという間に壁までの30mを走り抜け〇に勢いよく頭から飛び込んだ。その直後、水が撥ねるような音がしたので不正解らしい。


「カナタの誕生日は小五の月の三日だから〇で合ってるはずじゃない。なんで不正解なのよ。」


勇者には僕の誕生日なんか教えていないはずだが何故知っている。それが怖いわ。そして、泥をもう少し何とかしてから戻ってこい。そこら中に泥を飛び散らかすな。


「問題は途中でした。全文はこうなっていました。カナタさんの誕生日は小五の月の三日ですが、カナタさんのお父上であるジョー様の誕生日も小五の月の三日である。〇か✕か。」


「それは✕に決まっているのだ。ジョー殿は大一の月の二十二日なのだ。」


「その通りでござる。常識なのでござる。」


セットフィーネやユイトセインも確かにと言わんばかりに深く頷いているけど、なんでみんな知ってるのだろう。


「何を不思議そうな顔をしておるのじゃ。カナタの妻になろうとする我らがお義父さまの誕生日ぐらい知っていなくてどうするのじゃ。」


あ、そうなんですね。当たり前のことなんだ、ってなるかーい。僕の個人情報の全てが調査済みのような気がしてきて怖いんですけど。


「勇者が不正解でしたのでプリメーラ殿が一問先取となります。それでは第二問。カナタさんの通常時の長さは9cmですが、」


やめなさい。下ネタ勇者に余計な情報を与えるんじゃありません。こら、勇者。親指と人差し指で「こんなものなのね」って納得するのはやめなさい。


「公然の秘密にしようと思ったのですが、カナタさんからの苦情が入りましたのでこの問題は無効とします。」


「せめて問題の全文だけでも披露してほしいんだけど。」


却下です。激しく首を横に振って我が意を主張する。


「残念ですがダメだそうです。それでは改めての第二問。カナタさんの握力は右が50㎏、左が48㎏である。〇か✕か。」


「くっ、フィオレンティーナめ、これは難問なのだ。」


「そんな握力で胸を揉みしだかれたらすごいことになりそうね。想像だけでカナタの手形が浮き上がりそうだわ。」


勇者よ。相変わらずの思考回路に唖然とするばかりだよ。どこの誰が全力でおっぱい揉むんだよ。勇者が訳の分からない妄想に浸っている間にプリメーラが意を決して〇の方に突っ込んでいったが、水飛沫の音はしなかったのでどうやら正解だったようだ。僕も正確に知らない数字だったけどどうやって調べたんだろう。


これで三回戦はプリメーラの勝利となって一歩優位に立ったんだけど、四回戦は勇者が勝利して互角に持ち込んだ。ちなみに勝負の内容は僕が投げ込んだ球を水中から探して持ってくるというものだったのだが、はじめから多くの球が沈ませてありプリメーラには見つけることは困難というか無理だったのを勇者が僕のわずかな臭いを嗅ぎ分けて掴んだ勝利だった。

一勝一敗二引き分けからの最終戦は僕と体を寄せ合ってどれだけじっとしていられるかという対決だったけどどっちも開始の合図の前ににじり寄るのを止めることが出来なくて両者失格となった。


「合法的にカナタと肌と肌を合わせるのを長時間楽しむことも考えなくはなかったけど、身体の方が我慢できなかったわ。ワタシのカラダをこんな風にした責任はいつかとってもらうんだからね。」


「カナタと肌が触れあってるのにじっとしてるなんて無理なのだ。」


それぞれ言い訳してたけど、早々に終わってくれて助かったのは僕の方だったかもしれない。だって、ねえ。柔らかな感触が体のあちこちに人肌の温もりと一緒に伝わってくるんですよ。いろいろ反応しちゃうじゃないですか。気付かれる前に終わって本当に良かったよ。

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