第二十四話 戦乱の始まり その二十四
更新です。Twitterでも活動しているので是非。「あやかしばかし」という作品も連載しているので見てみてください。
晴人は作戦の流れを左右するのは「個」であると考えていた。それは軍人としての個々人の練度という話ではなく、盤面の行く末を左右できる程の個の存在を警戒していた。ヨーロッパ連邦にも特務大隊のような遊撃特殊部隊が存在している。それぞれが個として強力なファーレスを持ち、それを乗りこなす技量があった。
東亜軍や帝国軍にもそういった部隊や組織があっても不思議ではない。そう考えている晴人は常々その情報を得ようと試行錯誤していた。それが実ったのが半年前、新インド経済圏で発生した襲撃に援軍要請を受けて正式に介入した時だった。結果的に言えば東亜軍によるものなのだったが、作戦の指揮を執っていたと思われる機体の中に「特殊作戦部隊」についての情報が残されていた。
具体的な情報は手に入らなかったが、特務大隊に相当するファーレス部隊の存在とハンブルグ事変で奪取されたデータを元に独自の形で開発された機体が運用されていると確認ができた。今回のような大規模な侵攻には恐らくどういった形でも介入してくる、もしくはすでに介入しているはずだと晴人は考えていた。
そしてそれは帝国軍にも当てはまることだ。むしろ、帝国軍に倣って東亜軍がファーレスによる特殊部隊を運用していると考えていた。国の形を改める前の旧特殊部隊をそのまま移行しているのか、新造したのかはまだ判明していないが、帝国軍の特殊部隊はファーレスの運用だけでなく、ファーレスの性能を使った諜報や工作活動を行ってくる可能性が十分に考えられる。
そして、晴人の懸念はすぐに当たることになった。
当初の作戦通りに敵船艦を誘い込み、海上に残る艦と港に侵攻してくる艦に分断し、それぞれに各艦、各部隊が応戦。東亜軍もこちらの動きに対して積極的に反撃をかけた。国防軍は相手に攻めさせて隙を作り、そこに一斉攻撃を仕掛けるなど東亜軍の動きを利用しつつ、攻勢に出て着実に敵を追い込んでいった。
表面的に見れば互いに撃ち合い、双方に被害が出ているように見えるが、押されているのは東亜軍の方であった。東亜軍としても日本軍としてもこの展開は互いに想定通りの展開であり、敢えて時間を使っているように見えた。
作戦通り国防軍によって分断された東亜軍は誘導された岸に接岸し、甲板と開いた艦横からファーレスと歩兵部隊が陣を取った。国防軍のファーレス部隊も東亜軍と睨み合うように配置に着き、作戦司令部からの指示を仰いだ。
晴人達特務大隊は中央に位置取り、いつでも殲滅できる態勢で気を見計らっていた。
『隊長、船見です。艦内にまだ敵ファーレスが六機程残っています。こっちから仕掛けますか?』
『ファーレスはどの位置だ?』
『艦扉脇に二機、艦内船首方向に三機、艦内中央に一機確認しました』
「船見、中央にいる機体の情報をくれ。最優先だ」
『了解です。サーマルカメラで見える範囲だと武装はブレードとマシンガン。機体のカメラだと姿は確認できません』
『和真、気になってるのか?』
「前に出てるのが東亜軍なら艦内にいるのは帝国軍だ。数が六なら少数精鋭の部隊、あっちの特務が出てきてるってことだ」
『特務大隊に伝える。時間をかけるのはまずい。正面の東亜軍を抜けて艦内に突撃し、帝国軍の動きを止める!いいな!』
『了解』
大隊長である安藤の剣幕がことに重大さを如実に物語っていた。断定はできないが、帝国軍は東亜軍を盾に艦内から何かをしようとしている。それがこの戦局、ひいてはこの戦いの意味を決めるものだと晴人は直感的に感じ取った。
安藤は晴人の声音から事態の緊急性を読み取り、全体に指揮を出した。あれを止めろと。
見慣れた空同じ景色に今日が流れてく




