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星降ル夜ノアリアドネ  作者: 東上春之
第一章 戦乱の始まり
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第十三話 戦乱の始まり その十三

更新です。Twitterでも活動しているので是非。「あやかしばかし」という作品も連載しているので見てみてください。

 倉庫に一人となった晴人は目の前に立つサンライズに思いを馳せていた。


(こんな形でまたお前を使うことになるとは思わなかったよ。それに)


「俺の知らないアタッチメントも付いてるし。ちゃんと扱えるのかこれ」


 晴人の知らない間に増えていた機能は二つ。どちらも今まで引き出しきれなかった機体のポテンシャルを十二分に引き出すために付け加えられた新機能。

 サンライズには第七世代機を開発する過程で試験的に導入された「疑似関節スケール」を全身に搭載し、駆動性と瞬発力が他の第六世代機とは一線を画す反面、その動きに耐えきれる程のしなやかさを現行の内部装甲では実現できなかった。


 第六世代機に搭載されている疑似関節スケールは関節部のみかつ機能に制限が加えられた仕様になっており、フレームに加わる負荷を許容可能な範囲に調整した形で採用されている。

 サンライズの全身に採用されているスケールは本来かけられている制限を解除し、足りなかった内部フレームの強度をフレーム自体にエネルギーを通し続けることでその点を克服し、圧倒的な運動性能を発揮している。


 この機体はフレーム強度を確保する関係上、他の機体と比較してエネルギー効率が悪く、短期決戦型になりやすいという明確な欠点が存在する。持久戦に持ち込まれればエネルギーに余裕のある倉敷の機体が自然と有利になる。


「これより倉敷勇、祈上晴人による決闘を執り行う。両名はファーレスに搭乗し、演習場中央に集合せよ」


 岩崎によるアナウンスが演習場内に響き渡り、晴人と倉敷だけでなく、演習場に集まった全ての生徒が息を飲んだ。これから始まるのは単なる決闘ではない。

 集まった生徒達にとっては入学早々式をぶち壊した新入生「祈上晴人」を執行部に所属し、士官科の中でも特に戦闘面に秀でた「倉敷勇」が懲罰を与えるために行われる決闘であるという認識である。


 しかし、晴人にとってこの状況は何者か、ほぼ確実に宮内に仕組まれたものであり、式で宮内からの挑発を受け取った時点では仮に決闘まで行ったとしても上手い具合の落とし所と自身の今後について決める程度の「機会」にするはずだったのだが、晴人の想定以上に宮内は晴人の素性についてかなり怪しんでいて今回のスムーズな決闘の準備やサンライズの納入など実力を見せろと言わんばかりの「舞台」に変わってしまっていた。


(まぁでも負けたら退学だからな。全くの同タイミングで損耗率を八十%に届かせれば引き分けになって有耶無耶にできるかもしれないけど再戦になる可能性が高いよな)


「あ、ジャンヌに連絡しないと。予定よりも長引いたから先に帰ってほしいって伝えないと」


 決闘騒動がなければ今頃ジャンヌと出掛けていたはずなのにと思い、学校側から用意された物とは別のプライベート端末から電話をかけようとするとジャンヌから「遅すぎだ」とメッセージが入っていた。


(まずっ、絶対怒ってるじゃん)


 ジャンヌからの催促もといお怒りにすぐさま返事をすると「早くしろ」と端的な返信が返ってきた。


(はいはい。そんなに待たせることはないよ)


 端末をしまい、片膝立ちにしたサンライズの脚を登り、胸部コックピットに搭乗した晴人。ファーレスの起動に必要なのは生体認証と専用端末のセット。コクピットに座り、座席左側面に端末をセットすれば機体の第一段階のロックが解除される。

 第二段階の解錠には事前に登録されている指紋・網膜・声紋などの生体認証をパスすることでエネルギーが供給され、機体が起動する。


『指紋認証、照合完了。網膜認証、照合完了。声紋認証、』


「搭乗者CA一〇〇一士官科祈上晴人」


『照合完了。第六世代試験機「サンライズ」起動します』

勢いが大事。

『』は通信音声のイメージです。

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