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サークルワールド HERO ~一期一会編~  作者: 葱原龍乃介
第六章 中央大陸英雄譚 ―騒乱―
50/90

暁アレス VS 天帝アーサー

アーサーは腰に付けた剣の鞘から、ゆっくりと剣を抜く



アレスは握った刀を更に強く握り締める



2人が走り出したのは同時だった





そしてその2本がぶつかったのも―――同時だった







     『(あかつき)アレス VS 天帝(あまみかど)アーサー』







キイィィッッンッ!!!


耳をつんざく程大きな金属音が鳴り響く

「ぐぅっ…! ぅぉあああっ!!」

激しいつばぜり合いを振り払い、後方へと飛び跳ねるアレス

「全…! 力…! だあぁぁぁっっ!!!」

アレスは自身のソウルを刀に纏わせていく

大きなソウルの『刃』を圧縮し、アレスはそれを振りかぶる

「『輪転斬翔(りんてんざんしょう)剣』っ!!」

振り抜いた刀から、斬撃が放たれる

しかし通常の斬撃とは少し違った

放たれた斬撃が『()()()()()』のだ

ゆらりゆらりと揺れている斬撃は、空中で回転しながらアーサーへと飛んで行く

(高威力の斬撃…いや…)

2()()…!」

良く見ると、2()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ

2つの斬撃が円を描きながら、まるでフリスビーの様に1つの回転する斬撃となってアーサーを襲う

しかしそんな攻撃すらも、アーサーは軽く払い除ける

「ハァッ…!」

ギャィィンッ!っと、甲高(かんだか)い音を出してそれを弾く

しかし、アーサーは違和感を覚える

(…これは…()()()()…!)

アーサーは気付いた

この斬撃の()()

『全力』と言いながら、剣を振り抜いただけで弾く事が出来るのはおかしい

実際はもっと高威力なのだろう

だが、わざとだった

わざと低威力にして放ったその斬撃を出した人物は、アーサーが気付いた時にはそこにもう居なかった

「上…!!」

バッ!…っと見上げた空中に、アレスは居た

先程よりも高密度のソウルを刀に宿して

「いくぜ…! 『竜牙斬翔(りゅうがざんしょう)剣』っ!!」

真っ直ぐ振り抜いた刀から飛び出た斬撃は、なんと()()()をしていた

大口を開けて鋭い牙を見せびらかして、今にも眼前の敵に喰らい付こうとする様な形をしながら、アーサーに飛んで行った

「ゴオォォォッッ!!」

竜の形をしたソウルの空を切る音が、竜の叫び声に聞こえる

「速い…!」

地面に着弾するまで1秒もかからなかった

ドォンッ!!っと激しい音を出し、衝撃と石つぶてを辺りに撒き散らす

しかし地面に穴を開けたそこに、アーサーは居なかった

巻き上がる土ぼこりから()()()()、既に違う場所に移動していた

反撃はしていない

アレスの次の攻撃に備え、身構えていた

スタッと地面に着地したアレスは、アーサーを見据えて更なる追撃をする

「『飛切(ひせつ)剣』!!」

切っ先をアーサーに向け、刀を真っ直ぐ伸ばし、まるで『突き』を繰り出す様な体勢を取る

そしてソウルを纏わして、真っ直ぐ突き出す

バシュッ!!っと刀から飛び出た小さな斬撃が、弾丸の様な速さでアーサーに向かって行く

しかしアーサーもこれを防ぐ

「ふっ!」

キンッ!っと剣を振って斬撃を弾く

だが、()()()()()()()()()()()

「『連激飛切(れんげきひせつ)剣』!!」

その飛ばした斬撃を、更に連続で繰り出す

バババババッッ!!っと、数十発の『飛切剣』がアーサーに飛んで行く

しかしこれも、アーサーは素早く腕を動かして防ぐ


ギャキキキキキキッッ!!


「これも…! 防がれた…!」

アレスは攻撃の手を緩めない

反撃に転じる隙を与えない

そうでないと、『王国騎士団特殊殲滅隊(とくしゅせんめつたい)団長』であるアーサーには勝てないからだ

「うおぉぉっ!!」

再びソウルを体に纏わすアレス

アーサーもそれに反応して、体にソウルを纏わす

ダッッ!っと強く地面を蹴るアレス

そしてアレスは、アーサーへと突っ込む

「『翔爪剣(しょうそうけん)』っ!!」

前方にソウルを纏わした剣を振る

すると上中下3方向に、まるで爪の様な引っ掻き傷を斬撃として飛ばした

3方向に飛ばされたその斬撃は、アーサーの頭と胴体と足に向かって飛んで行く

「ハァッ!」

アーサーが剣を縦に振ると、ギャイィンッ!っと音を立てて斬撃を一振りで()き消す

だが、またもや()()に、アレスは居なかった

「『爪墜剣(そうついけん)』っ!!」

アレスは地面を蹴って、空中に跳んでいた

そして空中でアーサーに向かって剣を縦に振り下ろす

剣先から、爪の様に縦に3方向に分かれた斬撃がアーサーを襲う

先程とは違い斬撃そのものは飛ばないものの、斬撃自体の大きさが少し大きい

一気に距離を詰めて強襲したアレスだったが、それでも冷静なアーサーは受け止めるのは危険と判断し、後方へとバックステップを行い回避する

攻撃が空振ったアレスは地面に着地すると、すかさず次の攻撃を繰り出す

「『疾爪剣(とそうけん)』っ!!」

足にソウルを纏わせ、全力疾走を見せるアレス

その速さは目では追えず、いつの間にかアーサーの後ろにアレスは居た


ギギギィィンッッ!!


一瞬遅れて金属音が聞こえた

上中下の3方向に、アーサーをすり抜けるその一瞬で斬撃を放ち、アーサーを斬り裂こうとした

だが金属音の指し示す通り、それは防がれる

クルッとアーサーとアレスは振り返り、再び向き合う

「う…おぉぉあああああっっ!!!」

アレスは雄叫びを上げる

膨らみ上がるソウルは、今までの技の比では無い

今までも全力だった

しかし、おそらくこの一撃が、()()()()()が放てる最高の一撃だろう

「『冥狼剣(めいろうけん)滅翔(めっしょう)ッ!!!」

アレスはがむしゃらに刀を振り、斬撃を飛ばしまくる

その斬撃をアーサーは正確に、そして最小限の動きで剣を振り、斬撃を弾いて防御していく

「うらああぁぁぁぁっっ!!」

…あまりにも無鉄砲

適当な斬撃を出し続ければ、いつかは当たる…そう思えるこの攻撃に、アーサーは少しがっかりしていた

当然アーサーも()()思っていたのは言わずもがな、数日前にアレスが自分に向かって啖呵(たんか)を切っていた事を思い出していた



『『ヒーロー』に簡単にはなれない事も…『ヒーロー』がどれだけ偉大なのかも知ってる…! だけど…俺は『ヒーロー』になる…! 誰かに言われて『ヒーロー』になりたい訳じゃない! 俺は俺の『()()』で! 『ヒーロー』になるって決めたんだ! 守りたいものを守り…! 救いたい人を救えるように…! それが俺の目指す『ヒーロー』だからっ…!』



そんな強い『意志』を持っていたアレスが、あまりにも単調な攻撃を繰り出している事に、少なからず()()してしまう

(…アレス君…これが君の全力か…? 私は…君に『期待』した事を後悔してい

そんなアーサーの思考は、途中で途切れる

それは、ふとアレスの目を見た瞬間、彼の目が『()()』をしていた目だったのを感じたからだった

()()()()()()()()()()()()()()

そう口では語らなくても、目で語っていた

(何か…()()…!?)

アーサーがそう思った時、既にアレスの技の()()()()()()()()()

アーサーは自分に、『()』を感じていた

自分に向かって来る斬撃に乗って、多くの風が自分に吹き付けるのを感じていた

そして、斬撃を放つアレスの周囲に、アーサーへと向かう風の気流が発生していた

アレスはこれを作り出していた

やたらめったらに斬撃を飛ばしまくり、()()()()()()()()()()()()()()()を作っていた

アレスはそれに乗せるつもりだ

()()()()()()()()()

「くらえぇぇぇぇぇっっっ!!!」

自分のソウルを大量に纏わせた剣を、力の限り振り下ろす

特大の斬撃が、アーサーに吹き付ける風に乗り、超速で飛ぶ

避けることは皆無(かいむ)、生半可な防御では防ぐ事は出来ても大きなダメージを負う

アーサーはもちろん瞬時に理解する

アレスがこれを狙っていた事と、『()()()()』を使わないと防ぎきれないという事を――


「『天光剣(てんこうけん)―――


















激しい閃光…(とどろ)く衝撃…巻き起こる砂煙…

聞こえるのは、アレスの呼吸する声だけだった

「はぁっ…! はぁっ…! はぁっ…!」

アレスは呼吸を落ち着かせる

()()()()()()()

そう直感するものの、ある程度はダメージを与えてはいるはず…

そうなれば、あとは隙を見てレインカを救出しに


「…流石…『英雄(ヒーロー)』を目指しているだけはある…」


―――そこで、全ての考えを捨ててしまった

考えるよりも、目の前に広がる光景に唖然(あぜん)とし、アレスの目は見開く

アーサーがまだ立っている事は予想出来た

しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()その姿は、予想出来なかった

「……!!」

驚きのあまり、呆然(ぼうぜん)と立ち尽くすアレス

「…何を驚く事がある…?」

そんなアレスに、アーサーは清らかな声で語り掛ける

「君の目の前に居る私が…()()()()()忘れていたのか…?」

堂々たる出で立ちから、何の(おご)りも謙遜(けんそん)も無く、ただただありのままの事実を告げる

「君の目の前に居るのは…『王国騎士団特殊殲滅隊団長』…そして…大陸最強の『聖騎士(せいきし)』の一人…『天帝アーサー』だ」



          ゾクッ



「『獣心化(ドライブビースト)』ッッ!!」

言葉で表すなら反射的にだった

あるいは野性のカンだった

攻撃が全然効かなかった事に愕然(がくぜん)とする暇も、『どんな技を使って俺の攻撃を防いだんだ!?』と考察する暇も無かった

(ほとばし)る『戦意』

聡明(そうめい)たる『行動』

冷静なる『魂』

彼が純粋に『強い』からこそ、ここまでの地位と権力、そして『()()』を築き上げる事が出来た

アーサーはそれを()に出す

『王国騎士団特殊殲滅隊団長』であり…『聖騎士』である自分を…

そんなアーサーに呼応する様に、アレスは自分のセンス『獣心化(ドライブビースト)』を発現させる

…この場合は、発現()()()()()の方が正しいかもしれないが

文字通り全身で警戒心を表すアレス

狼の力を宿すセンス『獣心化(ドライブビースト)』…

頭頂部に生えた黒毛の獣耳、ソウルで作られた鋭利な爪、目付きや小さな牙も特徴になった今のアレスは正に『獣人』

アレスはその姿で、最大最高の戦闘体勢を取る

アーサーを迎え撃つ…そして『倒す』

そして…『レインカを救い出す』

その為に、その為だけに






だが、先に言っておこう



これから述べる事は事実で…何をしても変えられない運命である







         この戦いで…















    ()()()()()()()()()()()()()()






Q.技の名前とかいつ決めてるの?

ていうか、技を身に付ける暇とかあるの?

「ん~…俺は修行している途中でいっぱい決めたな。 それからは…なんか旅の途中で『こんな感じの技を出したい』って決めて、名前も大体決めてるって感じかな?」

「あんたフワフワね…私もそんな感じだけどね…」

「…わたしも…似ていますね…」

「まぁそもそも、『技』ってのはイメージだ。 いわゆる『型』を身に付ける…そんな感じだ。 必勝の『型』…具体的なる『攻撃』のイメージ…それを『技』って言うんだ。 だからアレスやミーシャやスイの様に、『イメージによる技の形』と『それに見合う技の名前』を、暇な時や旅の途中で決めておく。 それを実際にエニグマとかの戦いとかで『技』として完成させるんだ。 もしくはぶっつけ本番だな」

「まとめると…」

「技や名前はいつも考えている!」

「…そんな感じですね…」

「んじゃ、また次

「おい!!」

「んぉう!? だれだお前!?」

「なんだ今回の技の量!! まとめるのも大変なんだぞ!? アレス!! 技を出しすぎだ!!」

「えぇっ!? そんな事言われても…」

「ていうか、あなた誰よ!?」

「俺はお前らの生みの親…そう言えば分かるだろ!?」

「…もしかして…この小説の…?」

「そうだ!! 葱原だ!! いくらアレスを活躍させようとしてるからとはいっても、技を出しすぎなんだよ! こっちの身にもなれ!」

「えぇ~~…俺が悪いのか…?」

「次回も次回で! 技が大量に出る予定なんだ! よし! 次はそいつ呼んで説教してやる!!」




続く…

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