青原ミーシャ & スイ VS 対人戦闘生体兵器:E.S.サイク・ロプス
―――シード視点―――
気になる事がいくつかある…
1つは『目的が分からない』事だ…
レインカを連れ去った事やこんな騎士の本部に連れてきた事もそうだが…一番は『なぜ騎士がレインカを連れて行ったのか』…と言う所だ…
レインカを連れて行って何か意味があるのか…?
騎士がこんな事をする必要があるのか…?
そしてこれは『騎士全体』で行った事なのか…?
分からない…
…1つは『ここはどこなのか』と言う事だ…
古い遺跡の様に見えるが…どこまで続いているんだ…?
今こうして通路を駆け抜けてはいるが、時々通路が左右にあってどこかに繋がっているみたいだ…
つまり通路が分岐して枝分かれしている…と言う事だ…
どこまで繋がっているのかも、どこから繋がっているのかも分からない…
あのユゥカってやつは、あの広場は『処刑場であり実験場』…そう言っていたが、この遺跡も…それと関係してるのか…?
…そして最も分からないのは
「…! シード!」
シードは考えていた事を途中で投げ出してしまう
アレスが自分を呼んだからだ
「どうしたアレス…!?」
シードはアレスを見る
するとアレスはもう腰から刀を抜いていた
シードは直感で前方を見る
そこに居たのは…
ミーシャとスイは開いた檻を真っ直ぐ見る
そこから来る何かを見る為に
ズンッ…ズンッ…ズンッ…
魂理工学隊団長であるユゥカの話によると、彼女が自ら創り上げた生命体らしい
間違いなく人外である
何故なら彼女自身が『エニグマを人工的に』と言っていたからだ
そんな生物が…ようやく2人の前に現れた
「ォォオ…オアアアァァァッッ…!!」
けたたましい叫び声を上げながら、それは現れた
「なっ…何よ…これ…!?」
「…っ! 想像以上…ですね…!」
一言で言えば『巨人』…
次に出てくる言葉は『怪物』…
合わせて『巨人の怪物』…それが最も合っていた
体長は軽く4メートルあるその青白い巨体は、目が2つでは無く、大きな目が1つギョロッと2人を見下ろしてうなり声を上げている
額から伸びた一本角と髪が一本も無い頭皮から、『鬼』とも言えてしまう
肉体は筋骨隆々、太く大きいその腕は人を握り潰すのも容易だろう
当然の如く足も大きい
踏み潰されれば『死』は免れない
腹筋の割れたその体は、ボロボロで所々擦りきれた衣服の上からでも強靭であると見てとれる
そんな『強さ』が現れるその肉体よりも、もっと気になる所がある
それがその生物の肩や腰、脇腹や太ももといった数ヶ所に付けられた魂機だ
何らかの機械であるのは分かるのだが、一体それが何かは分からない
ユゥカによれば、『戦闘力向上と制御の為』の魂機らしいのだが、その辺りの機能は本人しか分からないだろう
大事なのはこの生物が圧倒的な力と威圧感を持っている…それだけだった
…そんな生物を見て、ミーシャとスイはたじろぐ
するとどこからともなく声が響いた
「『…『恐怖』は…大切な感情よ。 それ無くして、戦いは出来ても生き残れはしないわ。 『斬られる事』…『殴られる事』…つまり、痛みを知り、怪我を負う事に対しての危機管理能力が無ければ、『避ける』、『防御する』等の回避行動は出来ないのよ。 …そして、それは『逃走』も含まれる… 立ち向かうだけが、残された手段では無いわよ?』」
ユゥカは諭す様に囁く
しかしそんな問い掛けにも、ミーシャは強気で言う
「う…うるさいわね! 怖くないわよ…! 私は…逃げもしないし隠れもしない…! 戦って…勝つ…! 勝ってレインカちゃんを助けるの!!」
そしてレインカは若干震えながらも銃口をサイク・ロプスに向ける
すると隣に居たスイが、1歩前に進む
スイもまた、ミーシャと同じく強気で返事をする
「…わたし達は…ここに『戦い』に来たわけでは…ありません… レインカさんを…救いに来たのです… ですが…もしもわたし達の進む道を阻むのであれば…誰であっても…排除します…!」
スイは片方の剣先を同じく向ける
「『…なるほどね… 『決意』は変わらない…それなら見せて貰おうかしら? 貴方達の…『力』と『決意』を…』」
ユゥカがそう言い終わると、サイク・ロプスは雄叫びを上げる
「グゥッ……ゴオオオオオォォォッッ!!!」
そんな雄叫びにも怯まず、2人は戦闘を開始する
「『火連突弾丸』!!」
ミーシャの左手に持った単発小銃『カーズ52』から、火属性のソウルを纏った弾丸が非常に短い間隔でドドドンッ!っと3発撃ち出される
連続して撃たれた弾は1つの大きなまるで『火の矢』の様になり、サイク・ロプスの腹部に向かって飛んでいく
更に――
「…『モルスニード』…!」
その火の矢弾丸に合わせ、スイは両手に持った両刃剣を高速で連続突き攻撃をする
ジュゥアッッ!っとミーシャの弾丸が腹部に、ズザザザザッッ!っとスイの剣が右脚部にそれぞれダメージを与える
「ガゥアアッ!」
そんな攻撃を意に介さず、サイク・ロプスはスイを右手で振り払い、払い除けようとする
バッ!っと後方へ跳び、それを回避するスイ
すかさずミーシャが追撃する
「『土塊硬連射』!!」
今度は右手に持った自動連射小銃『マーク11』から撃ち出された弾丸が、サイク・ロプスの左足へと向かって行く
ドドドドドッッ!!
「グオォォッ!?」
サイク・ロプスは不思議な感覚を覚える
撃たれた左足がほとんど痛く無かったからだ
痛く無い代わりに、動かなくなってしまった
何故なら、撃たれた左足が何か土の塊で覆い尽くされてしまっていたからだ
地面と足が1つの岩石に似た土の塊で繋がれ、ガッチリと固まってしまっていた
土属性のソウルによる岩石生成弾丸…ミーシャはそれを撃ち出したのだ
「今よスイちゃん!!」
そうミーシャが声を出した時、 既にスイは地面を強く蹴ってサイク・ロプスよりも高い場所に居た
空中で体をひねりながら、サイク・ロプスの首を見据える
「…『ミディアスラス』…」
ひねった体を元に戻す勢いそのまま、両手に持った剣にソウルを多く纏わせて刀身が2倍程に伸びた剣を、首目掛けて思いっきり振り抜く
ザザシュッッ!!
2本の剣が、確実に首を斬った
しかし、サイク・ロプスの首は繋がったままだった
「…っ!?」
これにはスイが一番驚いた
全力…では無いとは言え、自分のソウルを纏った剣のニ撃を何の防御もせずに耐え抜いたのだ
「ガガゥゥァッ…!!」
サイク・ロプスは痛がる仕草はするものの、致命傷にまでは発展していなかった
ザッと着地したスイは、自らの持つ剣に纏わせたソウルを見る
「…これは…!」
なんと、纏わせたソウルの刃が、サイク・ロプスに当たった所から先が真っ二つにパッキリと折れて無くなってしまっていた
「…スイちゃん…! それって…!」
それが意味する事は1つだった
スイが敵を斬る為に纏ったソウルよりも、サイク・ロプスの肉体そのものがそれよりも硬度である…という事実だった
「『気付いたようね…』」
ユゥカは静かに語り出す
「『サイク・ロプスの肉体硬度では無く…貴方達の非力さに…』」
ユゥカは挑発する
「な…なによ!? だからなんだって言うのよ!」
事実、ミーシャの放った『火連突弾丸』はサイク・ロプスの腹部に直撃したにも関わらず、痛がるどころか気にも留めていなかった
ちょっとした焦げが付いた程度だった
つまりは、そういう事だった
「『貴方達は『弱い』のよ。 サイク・ロプスは確かに私の創り上げた生物…『強さ』を兼ね備えた生命体であるのは事実だけど、それ以上に『実験体』なの。 強度も知能も、そして『実力』もまだ低い…にも関わらず、貴方達はその実験体に敵わない程更に弱い…だから無駄よ。 大人しく踊りなさい。』」
「ォォォオオオオオオッッ!!」
ユゥカの声に呼応する様に、サイク・ロプスが雄叫びを上げて2人を襲う
「!! スイちゃん!」
サイク・ロプスが高く振り上げた腕を、スイ目掛けて降り下ろす
しかしスイは、華麗にその攻撃を見切る
「…『モルスクルタ』…」
スイは剣を持った腕を交差させて腰へと向け、納刀した様な体勢を取る
そして降り下ろされた腕を避けて懐に潜り、一気に間合いを詰めて2本の剣で交差する様に斬り付ける
ザザンッッ!!
「ガウゥッ!!」
左足に傷を負わす
…が、やはりかすり傷程度しか与えられない
「…まだ…!」
スイは素早くサイク・ロプスの足下を通り抜け背後に回り込み、距離を取って次の攻撃体勢に移る
サイク・ロプスはそんなスイを首を回して視認する
それを狙っていたかのように、スイは目線をミーシャに向けて合図をする
ミーシャはそれを受け取り、ピストルをサイク・ロプスに向ける
「『水斬圧弾丸』!!」
「…『ジラスラージュ』…!」
ミーシャはピストルから、水属性の弾丸を撃ち出す
スイは剣を十字に交差させて振り抜き、ソウルの十字斬撃を飛ばす
ピストルの弾丸は水属性のソウルを圧縮した塊を撃ち出し、空中でその形が変わり、まるで水属性のソウルの斬撃を飛ばしたかの様な弾丸を撃ち出す技…それが『水斬圧弾丸』
通常よりも多く、そして密度の濃いソウルを固めた斬撃を十字の形にして飛ばすが、威力の強い反面、反動や隙も大きい為ある程度敵から離れている今の様な状況で繰り出せる技…それが『ジラスラージュ』
両挟みされた技を喰らったサイク・ロプスは、その衝撃に痛みの声を叫ぶ
「グゥァアガァァアッッ!!」
だがそれはただの呻き声では無かった
『痛み』に対する『怒り』…
『痛みを受けた事』に対する『2人への怒り』が、その声には含まれていた
「!! スイちゃん! 逃げてっ!!」
がむしゃらに腕を振り回してスイに近付きながらのサイク・ロプスの攻撃に、スイは巻き込まれそうになる
「…っ!」
それを避けるスイ
だが、身軽なスイでも全てを避ける事は出来なかった
ドグォッッ…!!
「…ぁっ…!!」
辛うじて剣にソウルを纏わせて防御するが、サイク・ロプスの握りこぶしをまともに喰らってしまう
勢い良く、吹き飛ばされるスイ
「…! スイちゃん…!」
運良くミーシャの近くに飛ばされたが、床にぐったりとうつ伏せで倒れる
そのスイの様子を見て、ミーシャは両銃を突き出す
「『光閃眩弾丸』!! 『光閃眩連射』!!」
ミーシャのピストルとサブマシンガンから照射された大きめの1発と小さめの6発の弾丸は、光り輝く弾丸だった
サイク・ロプスは自分の目の前に飛んできたその弾丸を弾こうとする
しかし振り抜いた右腕が弾に当たる直前、その弾丸が弾けた
ピカアァァッッ!!
「ガアアァァアッッ!!?」
激しい閃光が辺りを照らす
暗い広場を光が満たす
あまりの強烈なる閃光に、サイク・ロプスの単眼は耐えきれなかった
目を両手で覆い隠し、苦しむ様子を見せる
(強烈な閃光を放つ弾を撃つ技…か… サイク・ロプスには効果大ね… 単眼なのが仇となったかしら…)
ユゥカはその様子を広場上部にある部屋から見ていた
マジックミラーの様な、向こう側から見れば石に見えるその一室の内側から、ユゥカは鋭い眼光で睨む
そんな中、ミーシャは両腕を胸の前で交差させて『練魂』をする
ソウルを特殊な細胞を持つ体内、もしくはミーシャの装着する『練魂籠手』の様な装備で行う、『ソウルを属性付きで形状を任意に変えた状態で放出する』為の作業…それが『練魂』である
その放出されたソウルの力を『魂術』と呼ぶ
…時間にして6~7秒後、ミーシャはピストルを倒れているスイに向けて言う
「『エムズキュア』!」
ピストルから…正確に言えば銃からでは無く銃口の先から何か光の球がスイに向かって放たれる
それがスイに当たると、スイ自体が淡い光に包まれる
「……ん…ぅぅ…」
するとスイの体から傷が治っていく
完全では無いものの、殴られて飛ばされた際の地面に叩きつけられて赤くなった所や擦り傷が、赤みが薄くなり傷口が塞がっていく
そしてスイはスッと立ち上がる
「…痛みが…」
どうやら痛みも引いていったようだ
「大丈夫スイちゃん!?」
「…はい…ありがとうございます…!」
スイはミーシャに礼を言うと、即座に戦闘体勢を取る
ミーシャも同じく、目線と体をサイク・ロプスに向ける
「『…『魂術』も使いこなすのね… 素晴らしいわ』」
「ケガを治すのはシードの専売特許じゃ無いもの…!」
ミーシャは不敵に笑う
「『シード君…あの青年の事ね。 アレス君といいあの青年といい、少し自己中心的じゃ無いかしら…?』」
ユゥカは冷たくそう尋ねる
「…それが何よ…?」
「グオオオッッ!!」
サイク・ロプスは目が正常に戻ったのか、ミーシャ達を見つけて攻撃しようと駆け寄って来る
「「…!!」」
2人は適当に暴れまわるサイク・ロプスの攻撃を避ける
その間にも、ユゥカは2人に尋ねてくる
「『あの2人…貴方達を信用して先に行ったのは良いかも知れないわ。 それでも、アレス君は何かを知っていて故意に隠している様子だったわ。 それにシード君も、何か考えているのに誰にも言わなかったようね。 私から言わせれば、どちらも自分自身だけで考えて行動しているだけの、ただの我が儘な子供ね。 貴方達に相談すらもせずに自分だけで解決して納得しようとしている…自己中心的だと言えるのでは無いかしら?』」
そんな吐き捨てる様な態度を取るユゥカに、ミーシャやスイは怒りの表情を見せる
「な…何よ! あの2人をそんな風に言わないで! …まぁ…確かに間違っちゃいない…けど…」
ミーシャは怒りと同等の、同意の感情も見せていた
「…ミーシャさん…納得しないで下さい…」
スイが冷静につっこむ
「…自己中ならあなたもそうじゃない! こんな…人工的に創った生物で私達を襲うなんて…! レインカちゃんを誘拐するなんて…! 『実験』でもなんでも…私達の迷惑も考えなさいよ!!」
サイク・ロプスの攻撃を避けながらユゥカに叫ぶ
スイも同じ気持ちのようで、キッとキツい視線を向ける
「『……』」
「な…なんとか言いなさいよ!」
サイク・ロプスに弾丸を浴びせながら言う
「『…貴方は…『人』の限界を超えたいとは思わないかしら?』」
「!?」
ミーシャは突然そんな事を言われ、体が硬直する
「…! ミーシャさん…!」
スイの言葉でハッと我に返り、ミーシャはサイク・ロプスの足蹴りを避ける
「『≪E .S ≫…貴方達は聞いた事無いはずよね。 私が追い求めた研究の成果よ。 これは…世の中の『人』の為なのよ』」
「ど…どういう事よ!?」
ミーシャとスイは、サイク・ロプスの猛攻を避け続ける
「『人はとても『弱い』のよ。 傷付いて倒れれば死んでしまう。 それは…『魂』も同じ事よ。 私はそれを解決するために研究を進めて来たわ。 そして辿り着いた答えが…『エニグマの力を取り込む事』…私はそう結論付けたの』」
ピッ
「グウゥゥァァッッ……!……」
突然サイク・ロプスの動きが止まる
「えっ…!?」
「…なにをしたのですか…?」
ミーシャ達はユゥカの意味深な言葉により、息切れをしながらも体を止める
そしてユゥカは語るのを止めない
「『『支配』…『破壊』…『侵略』…そして『死』… 人にとって、この世界はありとあらゆる『脅威』で溢れているわ。 だからこそ『力』が要るのよ。 他者を蹂躙出来る程の、圧倒的なる『力』が…ね… 支配をはね除ける程の力…破壊を止められる力…侵略を防げる力…あらゆる『脅威』から身を守れる力が、人には必要なのよ… ならばどうするか…? 簡単だわ。 その脅威そのものを使えば良いのよ。 全大陸で脅威を振り撒く存在『エニグマ』…私は、その力を人体に適応させる事を目指したわ。 『核』さえあれば肉体を再生出来る生命力、人体を簡単に引き裂ける攻撃力、異形の姿を見せる体躯…それらを人体に適応させ、『人』を超えた『人』を目指したのよ。 実験は順調では無かったわ… それでも、≪E.S≫と名付けたその計画は完全では無いにしても成功し、『形』として現す事が出来た… そして私はその技術を元に、『エニグマを人為的に生み出す』事にも成功したわ。 …そして…完成したのが、貴方達の前に居る『サイク・ロプス』よ。 ただ生み出しただけでは無いわ。 『コントロール』…つまり、制御する事も可能にしたからこそ『完成』したの。 貴方達に猛威を振るうその存在も、私が押したたった1つのボタンで大人しく出来る… それを使い…騎士である私が、エニグマの脅威から…そして『人』の脅威から人を守る… そう…私は…『エニグマの力で人を守る』研究を完成させたのよ』」
「「………」」
ユゥカは自らの研究を、淡々と語る
しかしその言葉達には感情が込もっていた
喜怒哀楽では無い
彼女の心に深く根付く、自分を突き動かす『原動力』と呼べる強き『意志』…
それが、そこにはあった
ミーシャとスイはそれを黙って聞いていた
「…あなたの言いたい事は分かったわ…」
「…そうですね…ユゥカさんが自身の研究について…どれほどの『決意』を持ってのぞんでいたのかも…伝わってきました…」
ミーシャ達は彼女と『共感』出来る所があった
ミーシャは過去に『海賊』に襲われ、それが元で海の平和を守る『海洋武装兵団』になった
『人の脅威』…人の恐ろしさと言うのは、嫌と言うほど理解している
スイも自らの体に『エニグマの力』を宿している
誰がどうやってその力をスイに与えたのかは分からない…が、それが原因でスイは昔の記憶が無い
『エニグマの力』…エニグマの恐ろしさと言うのは、嫌と言うほど理解している
彼女の『意志』は、2人に届いてしまった
…しかしそれで、2人の『意志』が変わる事は無かった
「けどね…それでもレインカちゃんを攫って良い理由にはならないわ! 人を守るという意志は大事…だけど…はっきり『間違っている』と言えるわ! 人の為って言っているけど…結局それは自分の為じゃない! 『人の限界を超える』…!? 『人』は『人』を超えたら…『人の魂』では無くなってしまうわ!! 『脅威そのものを使う』…!? 『脅威』を乗り越えるからこそ『人』は強くなるのよ!! 『エニグマを人為的に』…!? あなたは『命』をもてあそんでいるだけよ!! 人の『強さ』は『力』じゃない…! 『魂』の『強さ』が『力』になるのよ!!」
「…その通りです… エニグマの力は…『脅威』そのものです… わたしが…一番よく知っています… 確かにこの力は…だれかを守る事はできると思います… ですが…だれでも扱える訳ではありません… 『できる』『できない』ではなく…『エニグマ』という力を…人として扱える…ユゥカさんのように…『人としての道を外れた使い方』を…わたしは『間違っている』…そう言えます…!」
2人の訴えが届いたのか、ユゥカは何もせずただ黙っていた
「……」
サイク・ロプスも、電池が切れたおもちゃの様に動かなかった
「『…若いわね…』」
「…?」
そうボソッと呟いたユゥカは、その声だけで彼女自身が哀愁に満ち満ちていた事が分かった
「『若さは人を進ませる…けど、それが正しい訳じゃ無いわ。 進ませた歩を止めるのも正すのも、いつだって大人だったわ。 それは『大人が正しい』からよ。 貴方達の知らない正しさが、私にはあるの。 その『正しさ』を知りたいのなら…勝ち取ってみなさい。 それも…若いからこそ出来る事よ…?』」
ピッ
「ウゥ……グガガアァァァッッッ!!!」
叫び声をけたたましく上げ、サイク・ロプスは再び動き出した
「言われなくても…! 絶対倒してやるんだから!」
「…戦闘再開…ですね…!」
銃を向け、剣を構え、臨戦態勢になる
緊張感の空気が漂う
殺意が空間を支配する
戦いは加速し―――やがて終結する。
Q:技が多くて覚えられない
「技・センス集を見なさい!」
「…え? 終わりかよ…?」
「なんか今回、色々まとめるのが多くてめんどうだから短いらしいんだ」
「…それでは…次回お会いしましょう…」




