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精霊生活に安息を  作者: 鮭ライス
エルフの里
65/80

60.恐ろしく素早い話し合い。俺でなくても見逃しちゃうね。

前回のあらすじ

 ハルトがいた。森にいたのもハルトだった。

おわり!


 ランベルトは一度話を止めてこちら――俺が肩にいるだけで、あくまでもミリアの方――を見る。


「どうだ? 怪しそうなところはあったか?」


「特に無いと思う。嘘もついてないみたい」


「そっか」


 なぜにミリアにそんなことを聞くのかと思ったら、エスパーミリアを頼っていたのか。あのエスパーは俺に対する特攻じゃなかったんだな。


 ランベルトはハルトの方へ顔を戻して、話を再開する。


「目的は話せないって言ったけど、お前が調べたのは謎の魔法が使われた場所だろ? あれの正体は何か知っているか?」


「知ってたんですか……。あれの正体が何かは知りませんけど――もしかして、僕たちがやったと考えてるのですか?」


「そういう事だ」


 察しのいいハルト。俺だったら聞き逃しちゃうね。

 ハルトは動じていないが、アリルは犯人扱いされていたと気が付いて焦った顔をしている。


「証拠なんてないですけど、僕たちは調査に来ただけですよ」


 悪魔の証明か。

 小学生の頃、女子の箸が盗まれた事件があったな。四時間目の体育で俺が一人で保健室に行ったくらいで犯人扱いされたんだよね。俺のランドセルや机の中から出てこなかったので、担任が助けてくれたんだよな。あの時は助けられたと思ったけど、今思うに、いじめに気が付いていない無能な担任ではあったな。


 閑話休題。

 ランベルトがこちらを向くと、ミリアは首を横に振った。嘘はついてないってことかな。ま、俺は初めからハルトのことは信じてたし。嘘じゃないっすよ、マジマジ。


「そんならいいんだ。けど、一つだけ質問いいか?」


「はい、どうぞ」


「さっき、まだ個人の問題だって言ったな。それはこの先被害が拡大するってことか?」


 それはヤバいっすね。


「いえ、僕にも分かりません。けど、他の場所でも起こるのではないかと推測しています。現に、あの森の外でも似たようなことが起きた場所を知っていますから」


 マジかよ。


 ランベルトがそれについての説明も聞いたところ、幾つか分かったことを整理してみた。


 ほかの場所とは東の森林のさらに東。そこは、今までいなかったガイコツの魔物がいたようで、その周辺を探してみたことで、山の麓でいくつか空間が抉られたような場所が在るのに気が付いたらしい。

 今回も今まで見なかった不思議な魔物が森から出てきたのを見た人がいて、それで調査に来たのだそうだ。


 途中で自慢げに状況を語りだした空気の読めないアホな妖精がいたが、アリルが口を塞いでくれた。俺的にはハルトとラリの出会いのことだったので、そっちの話も聞いてみたかったのだが、突然声を出して余計に話がややこしくなるのが目に見えていたから自重した。


「んじゃ、俺は先に宿に戻ってるぞ。今回の話をまとめて報告しなきゃならねぇからな」


 そう言ってランベルトは食堂から出て行った。ハルトはアリルとラリの二人以外、誰にも話していなかったようなので、閉鎖的なエルフが知っている情報ではないだろう。そのうち、東の方へも調査へ向かうことになるのではなかろうか。それが俺たちでないことを祈っておくことにした。


「ロー、そろそろ出てきていいんじゃないですか? うずうずしてて鬱陶しいですよ」


 ハルトが来た辺りから本当は話しかけたかったのだが、特に話したいことも無かったので今回は会わなかったことにしようかなって思ってた。

 ま、まあミリアが鬱陶しいって言うんじゃしょうがないよね?


 ミリアの後ろでボフッと幼女版で顕現して、何食わぬ顔でランベルトのいた席に座る。……他のみんなの視線が痛い。

 ミリアが呆れたように溜息をついて、


「この子はローです。私の精霊です」


 お前のじゃないぞ。と思いつつ、頭だけ下げる。

 アリルは昨日会っているが、寝てたので名前と精霊だってことは多分知らないだろう。そして、ハルトには名前を名乗っていなかった気がするので俺から言わなければバレないと思う。別に、バレたくないわけじゃないけど。


「精霊、だったんですね」


 アリルが驚いている。久しぶりにこの姿で人間だと騙せた気がするな。ハーフエルフとエルフは精霊に慣れてるからか、すぐバレるんだよな。

 そう思っていたら、いつの間にか俺の後ろに回り込んだメオが俺の体を脇の下から持ち上げ、空いた席に自分で座り、膝の上に俺をのっけた。

 完全に子ども扱いだ。解せぬ。


「急にどうしたんですか? 抱っこしてほしかったんですか?」


 メオがそう抜かす。それは抱っこしてから言うセリフじゃない。


「ローがハルトに話したいことがあるようだったので、出てきたら?って言ったんです」


「え、僕に?」


 ビックリしつつも、ハルトはこっちをまじまじと見つめてくる。


「あ、もしかして、あの時の精霊様!?」


 察しがいいハルトに頷いて返す。


「こんなところで会えるなんて嬉しいです。森から出たことがないって言ってましたけど、外に出してもらったんですね」


 ハルトのテンションが高い。他の皆は適当に駄弁っている中、こちらはハルトの話を聞いていた。

 曰く、

 俺のおかげで今の自分がある。オストルから帰る時に森を通りたかったが、連れが二人いたので断念したけど、こっちにいるなら寄らなくて正解だった。

 だそうだ。


 俺がハルトにしたのは木の実を持ってったぐらいな気がするんだけどな。何で人生レベルで救ったみたいになっているのだろうか?


「どうですか? 外の世界は」


 うーん、どうって言われてもなぁ。


「知らないものがいっぱいあって、不思議だなって感じかな」


「それなら良かったです。詳しくもない僕なんかが勝手に説明してしまって、外に出てつまらなかったなんてことになったら悲しいですからね」


 紹介されたっけ? 質問して答えてもらっただけじゃね?


「あ、そうだ。思ったんですけど、精霊様はもっと大人な女性だと勝手に想像してたんですよ。意外とそうでもないんですね」


 これはミリアの趣味です。


「でも、可愛いですよね」


 俺が何か言う前に、メオが口をはさんできた。

 一瞬ぽかんとしつつも、ハルトは答える。


「ええ、そうですね。か、可愛いです」


 男に可愛いと言われる時が来るとは……とても複雑な心境である。

 すると、メオが俺の耳元に口を寄せて、


「耳、赤いですよ」


 そう囁いてきた。

 う、うるさいわい。


「あー! ハルトが女の子口説いてる!」


 ラリの唐突な茶化しがハルトを襲う。


「ハ、ハルトさん。私はやっぱり、仲間としか、思われてないんですね……」


 アリルが小声でそういうのが聞こえた。


「ちょっと待って。違うから。メオに可愛いですよねって聞かれたから返事をしただけだって」


 ハルトが弁明していらっしゃる。


 モテる男はつらいっすねぇ。まぁ頑張ってください。


どうでもいいけど、ハルト×ローはBLなのか?

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