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精霊生活に安息を  作者: 鮭ライス
プロローグ 東の森林
6/80

6.腐ったあいつと、羽のある小さいあいつ。

半分寝ながら書いたから、だいぶ意味わかんない。


 ハルトがこの森を抜けてから、一週間ほどたったある夜のこと、そいつはパトロールしている俺の前に悠然と歩いてきた。

 右足を引きずり、左手はあらぬ方向に曲がり、歯は抜け落ち、右目はなく、肌は土気色をしている。

 そう、そいつはまごうことなきゾンビ。奴はゆっくりと、ただひたすらに、まっすぐ突き進む。森の中なので、当然木にぶつかる。それでも怯まずまっすぐ突き進む。その様子はまさに、狂気。意思がないので狂気も糞もないな。

 マジでなんだこいつは。いや、ゾンビなのはわかっている。どこから来たんだ。

 こいつの進行方向から後ろには崖、その下は海。どうやったってそっちからは来れないはず。何かがいる時が付いてから駆け付けたので、あらわれた瞬間は一切見ていない。

 とりあえず報告でぃ。


『エストイア(様)。なんかゾンビがいます』


『わかった。討伐して構わん』


 アイアイサー。ゾンビで通じるんだな……。まあ、そんなことはどうでもいい。

 こないだ実践したらできた新技を見せてやる。

 辺りの木の葉っぱを10枚ほど拝借。それを高速で回転させる。

 いくぜ、フシ○ダネ!


「葉っぱカッター!」


 無駄に掛け声を上げて葉っぱを飛ばす。体のあちこちに傷を付けたが、そこまで効いていないようだ。

 よし、今度はゼニ○メ! 君に決めた。


「みずでっぽう!」


 叫ぶワードが絶妙にダサい。技名なのに叫ぶとダサいとはこれいかに。威力は言わずもがな、まったく効いていない。

 ここで炎なタイプの技を使うわけにはいかない。ゾンビは多分、普通のタイプだ。なれば、

 ルカ○オ!


「きあいだま!」


 魔力を圧縮し、打ち出す。どっちかと言うとエスパー技っぽいけど、気にしたらいけない。

 奴の土手っ腹に、風穴を開けてやったぜ。

 しかし、その程度では全く怯まぬゾンビ。奴は、頭と胴体を分けてやらなきゃ死なないタイプのようだ。

 仕方がない、あれを使うしかない。菜っ葉でも避けられなければヤバかったあれだ。頭上に魔力を圧縮し円盤状にする。後は高速回転させて、


「気円斬!」


 一気に前方に飛ばす、木を切ったらエストイア(様)に怒られるので、避けながらゾンビの首へまっしぐら。スパンッと音はならなかったが、ゴトッと首は落ちた。これで流石に死んだだろう。近付いてみても、動く気配はない。

 最後だけなんか違うけど、気にしたら負ける。


『ゾンビ討伐、完了いたしました』


『何を遊びながら倒しておるのだ。もっとさっさとやれ』


 怒られちった。でも、技再現シリーズはなかなかの出来だ。ポケ○ンで統一すれば怒られなかった気もするが、そんなことない気もする。

 ゾンビには効かなかったけど、一つ以外は戦闘で難なく使えるだろう。みずでっぽうはリアル重視を止めるしかないな。前向きに検討しておこう。


 にしても、あのゾンビはいったい何だったんだろうな。試し切りに丁度良かったからいいけど。


 あ、なんか飛んでくる。視界の中に、蝶の羽を持つ人型の何かが写っている。


「ちょっとあんた! 人のゾンビ勝手に倒さないでくれる!」


 そうか、お前のゾンビだったか。

 見たところ、白いワンピースを着た少女に羽が生えたような外見だが、大きさは15センチほどだ。


「人んちに勝手に入ってきて何を言うか」


 どっちも人って言ってるけど、相手も俺も人じゃない。あいつは多分妖精とかそんなんでしょ。


「人んちって何よ。ここは森でしょ、別にあんたの家だなんてどこにも書いてないじゃないの」


 これに答えたら、何か小学生の喧嘩みたいになりそうだからやめておこう。俺はオトナだからな。


「ぐうの音も出ないようね。精霊風情が、いきがるんじゃないわよ」


 顔がないから、沈黙をいいように解釈された。面倒臭いやつだな。とりあえず報告しておこう。


『なんか、ゾンビの所有者を名乗る変な奴が現れました。コロコロしますか?』


『ふむ、応援をよこすから足止めしといてくれ』


 足止めかぁ。足止めねぇ。で、何すりゃいいんだ? 物理的に止めておけばいいかな。

 妖精はまだ何か言ってるけど、気にせず以前と同じような糸を作り、魔力で動かして、足と木の枝を一瞬で縛り付ける。


「……これに懲りたら、二度と同じようなことをしな――ちょ、何よこれ! ほどきなさい!」


 服が捲れて半裸の少女が中釣りになってるー。犯罪臭がするな。羽が生えてるから多分セーフ。我がことながら倫理観がひどいな。

 妖精が、叫びながら抜け出そうと羽や手足をじたばたさせる。ここは生ぬるい目で見守ってやろう。


「この下種野郎! ほどけってんだよ」


 流石に危ない絵面なので、応援が来る前に別な体勢にしておこう。脚を枝に縛り付けて無理やり座らせた状態にしておいた。


「むがー! うごけないい」


 こいつ魔法とか使えないのかな? すぐ逃げられると思ったから、あえて放置してたのに。


「何なのよこの糸、魔力が吸われて魔法が使えないじゃないの」


 だそうです。そんな機能まであったとは、魔法ってとっても不思議。


 そんなこんなで応援にルーがやってきた。久しぶりにやってきたおいらの兄弟のルーだよ。


「あいつがゾンビを率いていた変な奴か」


「ああ、そうだ」


「誰が変な奴よ。二匹に増えやがって! アタシに何をするつもりよ!」


 俺にも分からん。足止めしろとしか命令されてないからな。とか思ってたら、クイもやってきた。


「げ、やっぱりいかれ妖精のラリだ」


「誰がいかれ妖精よ!」


 クイはやってきて早々に、そんなことを言う。ルーが俺の疑問を代弁してくれた。


「いかれ妖精? 前にもここに来たのか?」


「うん、前はでっかい毛虫を連れてきたね」


「無視してんじゃないわよ!」


 でっかい毛虫って、想像するだけで鳥肌立ちそう。

 クイが言う、


「さて、今回の目的をじっくり聞かせてもらわないとね」


 どうやら尋問が始まるようです。


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