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精霊生活に安息を  作者: 鮭ライス
プロローグ 東の森林
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1.たまにはゆっくり休みたい

一章のまとめを作りました。

この話が面白くなくても、そちらから読んでみてください。


 どーっも!「ロー」です。前世での名前は木之瀬太郎って言います。

 「ロー」って名前は神木(様)につけてもらいました。

 太郎の「ろう」からとったわけではない。

 今は木の精霊なんかやってます。

 木之瀬だけに木の精霊ってか?

 なめてんだろ。そりゃ、小学生ぐらいの頃にはそうやっていじられたこともあったよ。


 カブトムシ? 呼べねーよ。

 お腹すいた? 何もねーよ。


 そもそもさ、俺が木の精霊だったら、うちの母さんも父さんも兄貴も木の精霊だっつうの。

 誰だよこんなしょーもない理由で生まれ変わらせたのは。

 会う機会があったらぶん殴ってやる。

 

 おっと、取り乱してしまった。あんまりいい思い出じゃないから、ついついな。

 にしても――


『森の西側に人間が入った。悪そうな雰囲気だから、何かしでかす前に追い返せ』


 くっ、こいつ直接脳内に。

 まあ、いつものことだが。


 この声の正体は俺たち木の精霊が仕える東の神木「エストイア」(様)だ。

 毎日毎日、不眠不休で奴隷のように俺たちを働かせる”ご主人様”ってことだ。

 さっきまでも、「ごめーれー」で南側のパトロールをさせられていた。

 

 精霊は体がない精神体だ。眠くなることも疲れることもないからぶっちゃけ働き詰めでも問題はない。ただ、俺だけは前世の記憶があるからか、割とよくダラダラしてえなとか、眠みぃとか思ったりする。言ってみたりもする。たいてい無視される。無視されなくとも――


『早よ行け』


 こんな感じで命令してくる。

 ちなみに命令は無視できない。既に体は北西のほうへと向かっている。ただ、せめてもの抵抗としてゆーっくり移動してたのに。

 

 あー、だるい。昼寝したい。


 そんなこんなでちょっと早めに移動中。そしたら、東のほうから高速接近反応がある。多分あいつだあいつ。あいつじゃわかんないって? あいつってのは俺と一緒の時期に生まれた精霊、つまり兄弟の「ルー」だ。多分さっきまで東のパトロールしてたんじゃない?


「おい、ロー。ダラダラしてんじゃねぇよ。さっさと行くぞ」

 

「うーっす、先行っとけ」


「今、西の巡回はナッセの奴だぞ」


 うげっ。あのチクリ魔か。厄介な。


「わかったんなら早くいくぞ」


 あぁ、テレポートとかほしい。そしたら一瞬で行けるのに。

 うーん。前世でもおんなじこと考えたなぁ。


 因みに、俺の前世の最後はとてもあっけないものだった。


 テンプレ異世界ゴーゴートラックが後ろから突っ込んできたんだ。でも轢かれなかった。

 他のトラックにひかれて異世界に転生するようなマヌケな奴と一緒にしてもらいたくはないな。とか考えながら、華麗に避けたはずだった。


 避けた先の地面が陥没してなければ


 そのあとは足をすくわれてすってんころりん後頭部を強打して、ついでに異世界に転がり込んだってわけだ。

 

 さて、一番のマヌケは誰だろう?


 知らんな。


 にしても、魔法あるんだからテレポートくらいあるっしょ。

 ないの?まじで?


 そんなことを考えていると森の西側についたようだ。どのくらい掛かったかな。多分五分くらいかな。

 ルーが近くに隠れている――人間には見えないから隠れる意味はないとか言っちゃダメ――ナッセに声をかけた。


「ついたぞ、人間はどうだ?」


「ああ、まだ特に何もしていないから大丈夫だ。いつも通り幻術でこっそり向きを変えさせるぞ」


 人間は腰に刃物のような物を差し、背中には登山でもすんのかってくらい大きな荷物を背負った男のようだ。


「クイの奴は配置についているのか?」


 「クイ」も精霊だ。多分北のパトロールでもしてたんじゃない?


「ああ、大丈夫だルーとローも配置につけ」


「了解した」


 「了解できない」って言いたい。言わない。めんどくさいことになるから。

 だから俺も一応、


「りょーかい」


 とだけ言っておく。


 今から行われるのは対侵入者用排除陣形による4人(?)での多重幻術だ。

 基本的には、二人でもは発動できる。だから、俺とルーはイレギュラー対策の補助要員でしかない。居てもも居なくても滅多なことじゃ変わりないってことですね知ってます。

 やっぱ来る意味なかったっす。

 まあ、無事終わったもう一回言おう。


 ナッセとクイが魔力を練り始めたようだ。


 ナッセは方向感覚を狂わせる魔法を、

 クイは視覚を狂わせる魔法を、


 同時に放った。


 すると、その男は徐々に左へと曲がっていき、あっという間に森の外へと進路を向けていた。


 うん、やっぱ来る意味なかったっす。


「成功したな」


 ナッセが言う。

 フラグじゃないよね?


「じゃ、俺とローはエストイア様に報告に行ってくる」


 ヘイブラザー。なぜ俺も行かなくちゃならんのですか。


「何嫌そうにしてんだ。早くいくぞ」


「あっはい」


 またバビューンと森を抜けて、やってきましたのは、おおよそ森の中央部にある神木の御座います祠となっておりマス。※誤字じゃないよ、マジだよ.


 詳しく言うと、神木の太さは直径30メートルほどで、木の根元には祠がある。祠は、横1メートル高さ1.5メートルほどの、お地蔵様とかが入ってそうなやたら日本風な木の小屋だ。根本にあるといっても、祠を木が呑み込んでいるというか、木の洞に祠があるというか、そんな感じだ。

 神木は、辺りに木を寄せ付けないように孤独にそびえ立っており、一番上は一度木の上に出てみないと見えない。以前見たときは、辺りの20メートルはあろうかという木の3倍はあった。


 ルーが少し畏まって言った。


「エストイア様。西より来る人間を追い払ってまいりました」


 お前は見てただけだがな。俺もだけど。


『ご苦労。持ち場に戻って引き続き、巡回を頼む』


 くっ、こいつ直接(以下略)

 やはり仕事がまたやってきた。めんどい。


 休息は、ないのですか?


 まあ、ないのでしょう。

話は未定→目途が立ちました(36話時点:終わるとは言っていない)


一応、一日一話投稿したい。


感想、評価をいつでもいいのでください(直球)

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