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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その8

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89話 本当にやるのかよと驚くしかない

(とんでもねえ事を考えるもんだな)

 カナエの所を辞したヨシフミは、呆れ半分、驚き半分でカナエの考えを思い返す。

(モンスターの移動経路遮断ねえ……)

 以前そんな話を聞いた気もしたが、まさか実行しようとするとは思わなかった。

 確かにそれが出来れば、モンスターによる被害も減るだろう。

 しかし、カナエにも言ったがやる為の手間がかかりすぎる。

(さすがに無理だろ)

 そう思えてならなかった。

 カナエに言った通り、まずはその途中に拠点を作り、そこから少しずつ前進するのが一番だと思えた。

 それにしたって手間と資材と労力が必要になる。

 実行するとなるのは無謀に思えた。

 なので、それらが実現するとは思えなかった。

 実際、それから何ヶ月かはそういった話も出てこなかった。



 しかし三ヶ月後。

 事態はいきなり走り始めていく。

 カナエに集められた者達は、それを聞かされる事になる。

 居合わせた者達は呆気にとられた。

「この村を経由して、山間部に進出し、モンスターの移動経路に防衛拠点を作ります」

 居合わせた者達はそれが何を意味してるのか分からなかった。

 だが、会議の場におかれた机と、そこに広げられた地図を使っての説明にすぐに理解をする。

「最終的にはここを目指しますが、そのためにまずこのあたりに経由地点を作ります」

 そう言って示していく場所を見て、これからなされようとする事の大きさを理解した。



 言ってることはヨシフミが伝えた事をほぼそのまま踏襲するようなものだった。

 モンスターの移動経路になってる山間。

 比較的標高の低いその部分を目指し、村から少しずつ進出する計画のようだった。

「これについては、領主である父も賛同しています。

 この経路についても、現在手元にある情報を元に作成されたものです。

 必要になる資材や人員、資金などについても試算が出されてます」

 それだけ本気ということなのだろう。

「もちろんこのまま実施するというわけにはいきません。

 地図だけでは分からないこともあります。

 実際に赴いて計測しなくてはいけない事もあるでしょう。

 そういった事についてはこれからになります。

 ですが、こうした計画があるという事をまずは知っておいてください」

 そこでカナエは一区切りを入れる。

 居合わせた者達はそれでも言葉を発しない。

 ただカナエに目を集中させている。

 視線を受け続けるカナエは、再び口を開いていく。

「冒険者の皆さんには、今後そうした活動の護衛をお願いすることにもなると思います。

「それはかまわんけど」

 ハルオミが発言していく。

「そちらで兵士を動かさないのか?

 もちろん、仕事として報酬を払ってくれるならやるけど」

「それも考えてるのですが、現在動かせる兵士がいません」

「戦線の方にとられてると?」

「そういう事です」

 モンスターとの境界線上に軍勢の大部分が展開してるという事である。

 その為、予備兵力もろくにないのだろう。

「兵士の育成も考えてますが、出来上がるのはかなり先の事になります。

 申し訳ありませんが、冒険者の方々にその間は頑張っていただければと考えてます。

 強制は出来ませんが」

「なるほどね」

 ハルオミとしては別に構わないと思っていた。

 報酬すらいらないと思ってる。

 寝床と食事を用意してもらい、モンスターの核を好きに出来るのならば。

 下手に報酬を支払われるよりそちらの方が儲けは大きい。

 何より活動範囲が拡がる可能性がある。

 村を中心とした場所だけでなく、中継地点となる場所も逗留可能になるならば。

 行動する場所が拡がれば、それだけ倒せるモンスターの数も多くなる。

 特に村から遠い場所であれば、どれだけ引き寄せても問題は無い。

 対応出来る限界はあるが、儲けに直結するのは確かだった。

 少なくとも、村から歩いて行ける範囲で活動するという危険を冒す必要は無くなる。

 冒険者としてもありがたい事である。

(こりゃ、上の方にも掛け合わなきゃならんかもな)

 ハルオミの下にいる人数だけでは足りなくなるかもしれなかった。

 本気で実行するなら、早急に伝達しなくてはならない。

 この付近一帯を鋼鉄支隊でまかなう事が出来れば、収益の安定にも繋がる。



 村長もカナエの言葉に驚いている。

 村の拡大拡張に続き、更にその先を目指すような計画が出て来るとは思っていなかった。

 この村をモンスターを倒すための拠点とし、麓の町などへの脅威を減らすつもりだとは思っていたが。

(まさかこうなるとはな……)

 予想を超えていた。

 しかし、すぐにこれによる利益と損失を考えていく。

 決まった事ではあるだろうが、村の利益を考えていかねばならない。

 稼ぎが増えると言っても、それだけで納得するわけにはいかない。

 人が増える事による騒動も含めて考えていかねばならない。

 特に治安については要注意となる。

 もう既に元々の村人の方が少数派になっている。

 それらが形見の狭い思いをしないようにしていかねばならない。

 どれだけ村が発展しようとも、その為に住民が抑圧されては本末転倒である。

(どうしたもんだか)

 ここに来て村長も本腰を入れて考えていかねばならなくなった。



(本気かよ)

 カナエの話を聞いたヨシフミの感想である。

 やるならその方が良いとは思う。

 そもそも自分が言った事でもある。

 だが、本当に実行するとは思わなかった。

 やるにしてももっと先の、何年も経ってからだと思っていた。

 それが今、こうして急遽始まろうとしている。

 ここまで三ヶ月しかかかってない。

 政治に関わる決定にしてはかなり早い方だろう。

(そこまで急ぐ事か?)

 そうせざるをえない理由もあるかもしれないが、急ぎすぎに思える。

 もっとどうにか出来ないのかと思った。

 他にやるべき事もあろうだろうに、とも。

 ちょっと考えてる事を活動報告に書いてます。



 こちらの話もよろしく


「金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します」

http://ncode.syosetu.com/n7411dr//



「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj//

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