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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その8

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85話 裏に何かあるのではないかと考えてしまう

 それぞれの思惑や考えを踏まえながらも決定事項は開始されていった。

 村から離れた場所におびき寄せの餌を設置する場所が新たに設けられる。

 そこが新たなモンスター退治の場所となった。

 これらに朝、餌をつり下げ、昼以降に巡って倒していく事になる。

 それらと別に、村の防衛担当も用意された。

 ほとんど必要ない状態にはなっていたが、万が一を考えての事である。

 実際、冒険者が多数常駐するようになってから、村が襲われた事はない。

 おびき寄せの効果かもしれないと冒険者は考えていた。

 根拠がないのであくまで憶測、せいぜい状況証拠というものでしかないが。

 それでも村の近隣にも出てくる可能性を考えて、十数人が村の周囲で活動する事となった。

 村人や職人、カナエらの強い要望による。

 断る理由など全く無いので、ヨシフミもハルオミも快諾した。

 そんなわけで、常時三十人近くの冒険者が毎朝村から出発していく事となった。



 おびき寄せの餌は朝に設置していく事が基本となった。

 一晩中吊しておく事も考えたのだが、その場合、何がどれだけ寄ってくるのか想像が出来ない。

 夜の方がモンスターの活動が活発であると言われている。

 夜行性のモンスターも中にいるといわれてる。

 それらが集まってきたら、昼間の時以上の数が集まるかもしれなかった。

 そうなった場合に対処出来るかどうか。

 冒険者達にも不安があった。

 それらも考え、作業は朝だけに限る事にした。

 これがいつも活動してる場所だったら、朝晩の区別なく餌を吊していたであろう。

 危険なので人里近くでは禁止されている行為である。

 モンスターを大量に引き込む事になるから当然だ。

 それをあえてやろうというのだから、ヨシフミ達も大概である。

 ただ、禁止されてるのは人里近くであるので、ある程度離れた場所なら問題にはならない。

 むしろ、モンスターを人里から離しておけるので積極的に用いられる手段になる事もある。

 遠く離れた所でならば被害も出ないから、というのが理由である。

 わざわざ見つけるのも手間だから、という事情もあるだろう。

 場所によって理由や事情は違ってくる。

 ただ、近くでやるのは禁止で遠くでやるなら見逃されるというのは、どこであってもほぼ共通している。

 そういった意味では、今回はかなりの例外といえた。



 例外を認めさせた以上はそれなりの成果を出さねばならない。

 でなければ立つ瀬がない。

 正直、これを狙って言い分を認めたのか、などとヨシフミが邪推するのも当然である。

 カナエの心中は全く分からないが、どうしてもヨシフミはその可能性を考えてしまう。

 相手への不信感もきわまれりと言えるだろう。

 だが、そうやすやすと他人を信じるのも難しい。

 相手の心や考えは、神や悪魔といった頂上の存在の神通力でも用いねば分からない。

 魔術や超能力でも良いが、相手の心中を知るにはそういったものが必要だ。

 それを持たないヨシフミに、カナエの気持ちや考えなど分かるはずもなかった。

 言動態度からある程度類推する事は出来るかも知れないが、それすらも参考にしかならない。

 人は嘘がつけるのである。

 嘘は何も真相とはほど遠い出鱈目に限らない。

 相手を騙す、という一点があればおおよその事は嘘と言えるのではないだろうか。

 それを人はやる事が出来る。

 言動行動でそれとなく相手を騙す事が出来る。

 騙すという考えすらなく騙す事もある。

 嘘と知ってて嘘を吐く事もあるだろう。

 そもそも嘘と自覚しない場合もあるだろう。

 展性の嘘つきというか、「これはこういう事だから大丈夫」と自分の中で勝手にルールを決めてしまう場合などが当てはまる。

 それに従う限りにおいて、何も問題は無い、全ては正当だと判断する。

 実際には、人としての道理などから大きく逸脱しても、そういった考えである限り嘘を嘘と認知出来なくなる。

 こういった場合も含め、人は嘘をつける。

 だからこそヨシフミはカナエの真意を掴みかねていた。

 ある程度予想はしても、それが正しいと判断する材料がない。

 特に相手は貴族である。

 貴族は貴族のルールで動く。

 個人が勝手に自分に有利なルールを自分の中に作るのとは違う。

 貴族という階級や地位の中ではぐくまれ、貴族の中で用いられ、貴族にとって正当でまっとうなルールがある。

 それらを元に行動してるなら、考えをおこしてるなら、カナエはヨシフミ達とは違った基準で考えて行動する。

 気持ちすらもそういったルールに基にするだろう。

 人類という種族であっても、全く別の生物のように行動するかもしれない。

 だからこそ計りかねてるものがあった。

 危険と分かっているはずにもかかわらず、カナエが比較的近くでおびき寄せを認めた事を。

 何かしら裏があるのではという懸念がどうしてもぬぐいきれない。

 ヨシフミ達を信じて認めてくれた────と信じる事が出来なかった。

 何の裏もない、心底ヨシフミ達を信じて協力してくれてると思いたいが、なかなかそうはいかない。

(考え過ぎならいいけど)

 そう思いたかった。

 警戒は緩められないが。



 そうだとしてもやるのを認めたのも確かである。

 ならばそれを最大限に利用するしかない。

 やらねばならないのはもう決まってるのだ。

 だったら、不安があろうと何かしら策謀があろうとやるしかない。

 何かあった場合の対処も考えねばなるまいが、それは同時進行でやっていくしかない。

 今はまずモンスターの方が先になるので、それらは後回しにせざるえないが。

(余計な事を考えてるな……)

 陰謀論などはネタとしては楽しいが、自分が当事者になるのは勘弁してもらいたかった。

 こういった思いつきや不安が、ただの考え過ぎである事を願った。

 こちらの話もよろしく


「金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します」

http://ncode.syosetu.com/n7411dr//



「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj//

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