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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その8

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71話 下見・下調べは作戦の基本のはず

「それじゃ、行こう」

 仲間を引き連れて森の中へと進んでいく。

 先頭をナギに任せ、ひたすら奥へ。

 今回、彼女に道案内をしてもらう必要があるので、それも理由である。

 これから行う事の条件を満たす場所はないかと聞いたら、心当たりがあると言う。

 ならばと頼んだ次第だ。

 ただ、村から結構離れている。

 それが面倒ではあった。

(けど、その方が好都合だし)

 やろうとしてる事を考えればその方が良い。

 とにかく今はそこに行ってみるしかなかった。



 それほど険しいというわけではないが、いつもの道からは外れていく。

 踏み固めた道すらない中を進んでいくので手間がかかる。

 こういった所に慣れてるナギはともかく、他の者はついていくのがやっとだ。

 ヨシフミですら少々辛いと思っている。

 先頭を歩くナギが時折立ち止まってヨシフミ達を待ってくれてるのがありがたい。

 だが、それはナギにそれだけ余裕があるという事でもある。

(どんだけ凄いんだよ)

 単純な体力の話だけではないだろう。

 慣れ親しんでるという事が大きく影響してるはずだ。

 技術レベルだけではあらわせないものがあるのだろう。

 だが、ヨシフミとて野外活動における技術はレベル2である。

 辛いと思いつつも体の方は段々と慣れていく。

 いくつかのコツも掴み、だんだんと動きが良くなっている。

 それを見ているナギも驚いている。

(やっぱり、凄い)

 戦闘能力だけではない。

 時折見るいくつかの場面における鋭い部分に驚嘆する。

 それだけヨシフミが色々と積み上げてきたという事である。

 出会って日は浅いが、そういう部分は素直に認めていた。

 これなら一緒にやっていっても問題は無いだろうと。

 多少、かつての仲間を重ね合わせて見てしまってもいるだろう。

 ヨシフミほど強くはなかったが、それでも頼れる仲間だった。

 それが今はいないのが悲しくはある。

 だが、日々の忙しさは感傷にひたらせてくれない。

 思い出が浮かび上がってきたのも一瞬である。

 すぐに周囲に注意を向け、危険がないかを確かめていく。

 いつどこでモンスターが出て来るか分からない。

 いつもと違う場所に出向いてるから余計に緊張した。



 予定より十分以上時間がかかったが、目的地にたどり着く。

 一目見てヨシフミは、

「これはいいな」

と感じた。

 自然に出来た窪地で、結構な大きさがある。

 楕円形に拡がるそこは、幅が広いところで三十メートルほど。

 長さというか、縦に長い部分はおそらく一百メートルをこえている。

 窪んでる部分と、それを囲むような高くなってる場所との高低差があるのがありがたい。

 目測だが、三メートル以上はかたい。

 お椀やボウルのようにへこんでるから一カ所に集めやすく、外に逃げにくい。

 勾配の下りの方なら逃げ場はあるが、高い所へ向かってくるのは難しい。

 切り立った崖という程では無いが、結構な急斜面なので登るのは困難なはずである。

 下りていくのはさほど難しくないくらいの斜面なので、全く不可能という事ではないが。

 それでも攻撃する場合にはかなり有利になるはずだった。

「弓で狙えば、結構いけそうだな」

 ぱっと見たところ、そういう風に見える。

「でも、木が生えてるからそう簡単にはいかない」

 ナギが専門家らしく意見を口にする。

 確かにその通りで、窪地の中も木々が生えている。

 さほど密度はないが、それが矢を妨げるのも確かだ。

 だが、先制攻撃ではともかく、接近戦になったら弓矢は扱いづらい。

 仲間がモンスターと接触した瞬間に、弓矢は使う事が出来なくなる。

 乱戦では絶対に使用できない。

 味方に当たる可能性を考えれば、当然のことである。

 なので、最初の段階である程度数を減らすのに使えればそれで良かった。

 せいぜい、接近戦から離れた所にいるものを狙う機会があればその時にでも、というくらいだった。

 逆に言えば、接近するまでには最大限に活躍してもらわねばならない。

 そこで少しでも敵が減れば接近戦もやりやすくなるのだから。



「魔術の方はどうだ?」

「ちょっと距離がありますねー。

 ここにいっぱいいるとなると、全部に影響させるのは無理です」

「やっぱり駄目か」

 魔術も万能ではない。

 影響を及ぼせる範囲が決まっている。

 それはレベルによるものであったり、消費する魔力によって変わってくる。

 今のシイナの能力では、広い窪地全体に閃光を及ぼす事は出来なかった。

「でもさ、小刻みにあちこちに発生させるんならいけるんじゃないか?」

「うーん、出来なくはないですね。

 それでも隅の方には届かないです」

「そっか。

 じゃあ、届く範囲でいいからモンスターの目をくらませてくれ」

「それでいいんですかー?」

「構わないよ。

 さすがにここ全部に効果を及ぼせるとは思わないから」

 シイナに無理を強いるつもりはない。

「だったら、届く範囲に集めればいいだけだしな」

 それである程度の解消をはかるつもりだった。

 上手くモンスターを誘導出来るように罠を仕掛けておこうと思った。

 そもそもとして、窪地の全部を使えるとは思っていない。

 人数がいるとはいえ、二十人に届くかどうかという程度の数ではそこまで覆いきれない。

 ある程度モンスターを誘導出来るようにしておかねばならなかった。



「最終的には俺達が突っ込む事になるけどな」

「腕がなるね」

 サキは妙に自信たっぷりに言う。

 しかし、そんな態度を真に受けるわけにはいかない。

「そういう事は、レベル3になってから言え」

 いまの所刀剣のレベル2が最大であるサキは、まだ戦力として及第点に達してない。

 あくまでシイナによって目が見えなくなったもの相手だから戦える。

 また、ヨシフミの援護や補助として一緒に行動する事でどうにか戦力たりえてる。

 まともに動けないモンスターを片付けるなら良いのだが、単独で動かす事が出来ない。

「でも、動けないやつにとどめを刺していけよ」

「分かってるって」

 自覚があるのでサキもそれ以上に偉そうな事は言えない。

 周りが見えなくなってる敵を集中して狙い、確実に数を減らす事を優先するつもりだった。

 でなければほとんど役に立たない事は彼女自身が理解している。



「それとお前らだな」

 アヤとハルに向かっても言っておく。

「この辺りからモンスターを狙う事になるからな」

「はい」

「うん」

「そうそう当たらないとは思うけど、それでも上手くやってくれ」

 レベルを考えれば当たるなんて考えられないが、それでも二人には事前の射撃を頑張ってもらわねばならない。

 接近戦での活躍は全く期待できないし、他に戦闘に参加する手段がない。

 それでも頭数を少しでも減らし、多少でも戦果をあげてくれればありがたかった。

「気楽にやってくれ。

 下手に力んでもしょうがないからな」

 意気込む二人にそうも言う。

 気持ちはありがたいが、気持ちだけでどうにかなる事ではないのだから。



 場所の視察はそんな調子で終わっていった。

 そして、長居は無用とその場を後にする。

 いつもと違って、すぐに駆けつけられる範囲に仲間はいない。

 下見が終わったのだから、すぐにでも帰らねばならなかった。

 しかし、そうそう思い通りにいくものでもない。

 木々を伝って脅威が迫ってきていた。

 こちらの話もよろしく


「金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します」

http://ncode.syosetu.com/n7411dr//



「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj//

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