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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その6

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46話 依頼するにもこれくらいはしておかないともめ事になりうる

「それじゃ、やっていこう。

 手順はこの前と同じ。

 出て来たら、魔術で目を潰して、それから弓矢とクロスボウ。

 数が減ったところで、俺とサキで攻撃。

 この繰り返しでいく」

「「「「はーい」」」」

 四人の声が重なる。

 聞き分けのよい幼稚園児、あるいは保育園児を相手にしてるような気分になる。

 そういった所に出向いた事はないから実際はどうだか分からない。

 だが素直な返事に何となくそんな気がしてしまう。

 ここにいるのは、それらに通う者達より十年は年齢が上だが。

「…………安全に気をつけて、無理しない、無茶しない、無謀は駄目だぞ」

「「「「はーい」」」」

 やっぱり引率の先生のような気分になる。



 そんな気分と裏腹に、やってる事はかなり危険が伴うものになる。

 敵はほとんど無力化されるから脅威とは言い難いが、少しでもしくじってしまえば形勢は変わる。

 極端な話、一体でも閃光を見てなければ、それだけで無傷の状態で残ってしまう。

 ヨシフミのレベルが高いからどうにかなるが、何かの拍子に手順が狂えば大きな損害になりえる。

 それでもおびき寄せてるモンスターが相手なら間違いが起こる可能性は少ない。

 怖いのは遭遇戦だった。



 移動中のモンスターに出会った場合、小細工を使ってる余裕はない。

 シイナの魔術を使おうにも、下手をすれば仲間を巻き込む事になる。

 この場合、正面からぶつかっていかねばならなくなる。

 そうなると、ヨシフミが中心になるしかない。

 それは良いのだが、ここのモンスターは数が多い。

 ヨシフミが何体かを相手にするにしても、大部分のモンスターが他の仲間に向かう可能性が高くなる。

 そうなったらひとたまりもない。

 サキのレベルはまだ低く、犬頭と言えども正面切って戦える程では無い。

 ナギの弓は頼りになるが、それも接近されてしまっては意味が無い。

 それに、急所を貫いたならともかく、そうでなければ動きを止める事は難しい。

 例え手負いであっても、それなりに動く事が出来る状態ならば十分に脅威になる。

 そうなったらどうにもならないので、見つけ次第ナギには攻撃をするように言っている。

 また、アヤも狙えるならクロスボウで攻撃をするように言っている。

 シイナの閃光は、出来るだけヨシフミ達の背後から、とお願いしている。

 それで多少はあいての目がくらめば、と期待してのものである。

 ただ、至近距離でなければほとんど意味はないと思った。

 試しに、十メートルから二十メートルほど離れたところで閃光を放ってもらった事がある。

 確かにまぶしいが、行動を阻害するほどではない。

 カメラのフラッシュくらいであろうか?

 直視したら確かにいくらか目がくらむだろうが、離れていればその可能性も激減する。

 それでも可能な限り放つよう言ってはいる。

 太陽を背にして戦うくらいの効果は期待出来るだろうからだ。

 それでも、出来るだけ遭遇戦にならないよう願っていった。



 幸いにしてそこまでモンスターは徘徊してないようで、出会い頭の戦闘は起こらなかった。

 たいていが餌に群がり、一網打尽にされていく。

 倒したモンスターの数は概ね一百から一百二十の間で推移している。

 頑張ればもっと倒せるかもしれない。

 今のところそこまで頑張る必要がないが、今少し稼ぎが必要な場合には都合が良い。

 それに、ヨシフミには必要ないが、他の所はそうではない。

 通常ならモンスターが大量に出るのは頭の痛い問題になるが、冒険者の場合だと少しばかり事情が変わる。



 倒せるモンスターが増えるという事は、それだけ稼ぎが増える事になる。

 それだけのレベルと人数がいなければならないが、人数の多い冒険者の一団だとこれが重要になる。

 当たり前だが、人数が増えればその分出費が増える。

 五人の一団と十人の一団では、必要になる費用が二倍になる。

 両者が同じ数のモンスターを倒せば、一人当たりの収入は減る。

 そのため、出来るだけ多くのモンスターを倒すか、報酬の高い仕事を選ぶ必要が出てくる。

 こういった事情があるため、鋼鉄支隊のような大手は希有な存在なのだ。

 冒険者の一団の人数は、概ね五人から十人あたりにおさまる。

 それは、一度に倒せるモンスターの数と、抱える事が出来る人数の関係による。

 なので、モンスターがそれなりに出る地域は割と重要視されている。

 モンスターが強すぎても多すぎても危険が増えてしまうが、一定の数が見込めるならば稼ぎ場所になりえる。

 この村はそういう場所になり得た。

 懸念するべきは、いまだ遭遇してない猿と熊である。

 そう呼ばれてるモンスターがいるのは分かってるが、出会ってないのでどれだけ危険か分からない。

 そこが気になるが、人数がいればどうにかなる問題かもしれない。

 実際、今まではどうにかなっていたのだから。

 一定以上のレベルに至った者達ならば、安定した稼ぎ場所になるかもしれなかった。



「その事をここに書いてあります」

 そう言って手紙を村長に渡す。

 この村におけるモンスター事情をまとめたものだ。

「必要になるレベルや人数なども一緒に書いてあります。

 それを見れば、周旋屋や冒険者に必要な情報が伝わるでしょう」

「しかし、それだと来ない者達も出るんじゃ……」

「そういう者も出ます。

 しかし、一番怖いのは必要な情報を出されない事です。

 それだと良いか悪いかの判断が出来ません。

 その方が敬遠する理由になります」

「そういうものか……」

「はい。

 実際、俺もこの村からの依頼を受ける時、大丈夫かどうか迷いましたから」

 何にせよ情報が足りないのは困るのだ。

 そもそも何も分かってないならともかく、分かっていて隠蔽されてると面倒になる。

 依頼人からすれば、少しでも不利な情報を隠しておきたいと思うのだろう。

 だが、それだと余計に混乱が発生する。

 この程度なら大丈夫だろうと思って、必要なレベルに達してない者が来る事もある。

 求める人数がに達してない事もある。

 これらの逆に、無駄に高いレベルの者や、必要以上に大勢で押しかけるという可能性もある。

 分かってる事をしっかりと伝える方が、そういった問題が発生しにくい。

 それでも依頼を受ける者が出ない場合もあるが、それは運が悪いと思って諦めるしかない。

「出て来るモンスターの種類と数。

 これが分かってれば、向こうもどんな人間が必要かは分かるので、妥当な人間が来ますよ」

「本当ですか?」

「確実とは言えませんが。

 でも、俺ならこれくらいの情報は欲しいですよ。

 でなけりゃ、怖くて依頼なんて引き受けられません」

「はあ……」

 村長はまだ納得してないようだが、ヨシフミははっきりと言った。

「この情報があれば、多少はまともな人間を送ってきますよ。

 そうでなければ、周旋屋相手に文句を言ってください。

 今後他の周旋屋に仕事を依頼する事にするって言って」

 周旋屋は一軒だけではない。

 同様の仕事をしてる所は幾つもある。

 それらがしのぎを削ってる状態だ。

 なので、信用に関わるような事は極力避ける。

 その為、依頼に対しては基本的には誠実に対応しようとする。

 もちろん悪徳業者もいるので、全ての周旋屋がそうだとは言えない。

 ただ、ヨシフミの所属してる周旋屋はそこそこ信用は出来た。

 この村からの依頼を紹介した時の対応や、それまでの態度からもそう思えた。

 少なくとも阿漕な事をいつもしてるような事はない。

 赤布旅団の件はあるが、そういった存在はどの周旋屋でも発生しうる事だ。

 周旋屋だけに非があるわけではない。

「では、そうしますか」

 村長も最終的には承諾した。

 訝しんではいたが。

 20:00にこちらと以下の続きを公開予定。



「金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します」

http://ncode.syosetu.com/n7411dr//

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