45話 人手を呼び込む努力をしていこう
村への帰着はやはり陽が落ちてからになってしまった。
それでも日没直後だったのはまだ良かった。
これが本当に暗くなってからだと歩くことすら難儀しただろう。
照明は持ってきてるが、照らし出す範囲はそれほど広くはない。
シイナの魔術による光もあるが、こちらは持続時間が短い。
何より、明かりを灯す事でモンスターを引き寄せる事になるかもしれなかった。
それが一番の懸念事項である。
そうならなくて本当に良かったと安心する。
「おかげさまで助かるよ」
村に帰って最初に向かったシイナの祖父は、届いた薬草を嬉しそうに受け取った。
大変だったが苦労した甲斐があったと思った。
それでもまだ家の中にある棚の大半が空っぽであった。
良くを言えばもっと欲しいところだという。
「だが、最低限必要なものは揃った。
これでたいていの事はどうにかなる」
ヨシフミとしても助かった。
翌日からモンスター退治を本格化させるつもりだったのだ。
そうなれば怪我人が出る可能性もある。
そうなった時の対処法が無いと困るのだ。
これで多少の怪我もどうにかなるはずである。
「お互い様ですよ。
俺らもお世話になるかもしれないですし」
「なるほどな」
薬草師の祖父は納得して笑みを浮かべた。
「分かった、何かあったらすぐに来てくれ。
出来るだけの事はしよう」
「お願いします。
そうならないようにしていこうとは思ってますけど」
これで治療手段は確保出来た。
それと同時にモンスター除けも当面は問題が無くなった。
採取してきた分でそれなりの期間は保つはずである。
ただ、村の安全の為にどうしても必要なものだから、定期的に消費されていく。
いずれは無くなるのは目に見えている。
そうした場合に採取にいかねばならないが、毎回同じ場所でというわけにはいかない。
全てを採取してしまう事になるからだ。
なので、可能な限りあちこちにある自生してる場所にいかねばならない。
ただ、それだとどうしても二日三日と時間がかかる。
その間、ヨシフミ達が護衛する事になると村を無防備にしてしまう。
モンスターが迫ってくるような事があれば村人達が対処するだろうが、被害は大きくなる。
それを避けるためにも、村人以外の護衛が必要になる。
(一度、村長に話をした方がいいだろうな)
寝床で転がりながら考える。
とにかく人手が必要だった。
単に村の防衛だけしてれば良いならともかく、他でも多少の働きをしようとしたら人数が必要になる。
交代要員がいないこの状況では、一つの事をやり始めたら、他の事に手が回らなくなる。
それを解決するために、更なる人数が必要だった。
そこで問題になるのは金である。
ヨシフミ達とて無給で働く慈善事業で来てるわけではない。
村からの報酬はともかく、モンスターを倒す事で手に入る核があるから来ている。
それが無ければ、さすがに来なかっただろう。
幸いなのは、思った以上にモンスターがいること。
おかげで核は普段の二倍くらいは稼げる。
それなりの腕があれば、十分に稼げるだろう。
問題は、そんな腕のある者が来てくれるかである。
高レベルならもっと割の良い仕事もある。
(まあ、言うだけ言ってみるしかないか)
来るかどうかは分からないが、打診してみるしかないだろう。
駄目でもともとで。
その為にも、どれだけ稼げるかを確かめておかねばならない。
「なるほど、分かりました」
村長は割とすんなりと頷いてくれた。
「そういう事でしたら、依頼を新たに出してみます」
「お願いします」
「しかし、来てくれますかね」
「それは何とも」
確証はない。
「ここでどれだけモンスターが出るか、どれだけ稼げるかが鍵ですね。
それ見て誰がやる気を出すかです」
「心許ない話ですな」
「でも、やってみない事には」
ヨシフミとて保障は出来ない。
、だが、伝えないければ絶対についてこない。
だからこそ、試してみようと思っていた。
「俺からもここの状況を伝えますから」
書くだけ書いてみようとは思った。
周旋屋のオッサンと、同業者達に。
(鋼鉄の連中が食いついてくれればいいけど)
わずかながら希望があるとすればそこだった。
「まずは、この辺りでどれだけモンスターが出るかをはっきりさせてからでしょうけど」
とりあえず一週間ほどモンスター退治をしてみてからになる。
今日、これからまた頑張らないといけない。
明日の17:00投稿予定
こちらは、明日の20:00予定。
「金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します」
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