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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その5

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44話 先にこちらも片付けておかないと先々困る事になるだろう

「それじゃ、案内頼む」

「うん」

 頷くナギを先頭にして出発する。

 続くのはヨシフミとアヤにサキ、そしてシイナ。

 この他に二人ほど村の者がついてくる。

 彼等は荷物持ちになる。

 これらで薬草採取に向かう事になった。



 昨日の今日であるが、モンスターの脅威は無視出来なかった。

 そうそう人里を襲うような事は無いが、数が集まればどうなるか分からない。

 実際、今までにもそういった事はあったという。

 今後同じ事が起こればどうなるやら。

 それを考え、可能な限り早めにモンスター除けなどの薬草を採りに行く事にした。

 それがすぐ次の日になるとはさすがにヨシフミも思わなかったが。

 気がかりなのは、その間の村の事だった。

 もし、ヨシフミ達が出ている間にモンスターが出てきたら大変な事になる。

 壊滅する事はなくても被害は出る可能性があった。

 備えがあると言っても、簡単な柵と、ちょっとした堀が周囲にあるだけ。

 ネズミ相手ならともかく、犬頭だとそれだけでは足りない。

(もうちょっと防備があればいんだけど)

 そうそう簡単でない事は分かってる。

 だが、どうにかして作ってもらいたい所だった。

(それか、人がいればな……)

 現在の村人の数では対処が難しい。

 特に若い人間が少ない。

 そこをどうにか出来れば、モンスターへの対処も格段に楽になる。

 ヨシフミ達がそれなのだろうが、もっと人手が欲しかった。

(いっそ、冒険者がもう一組来てくれれば)

 呼び込むだけの材料があればそうしたいものだった。

 ヨシフミが行動するにしても余裕が出来る。

 だとして誰が来てくれるのか、という事になるが。



 そんな心配をしながら進んで行く。

 やはり、アヤとサキが遅れ気味になっていった。

 山を歩いていくのだから仕方ない。

 それも道のほとんどない所をだ。

 簡単に進めるわけもない。

 一応、それらしき跡はあるのだが、大半が草でおおわれている。

 そこをナギが山刀で切り開きながら進んでいる。

 村で人がいなくなってからなかなか来る事が出来ず、その間にこうなってしまったらしい。

 以前はもう少し道が開けていたという。

「少し来ないとこうなる」

 ナギは淡々とした口調で呟いた。

 おかげで予定より遅れ気味になってしまってるとか。

 それでもまだ日帰りで村に帰れるくらいの余裕はある。

 焦らずに進んでいくしかない。

 それに、モンスター除けも持ってきている。

 完全ではないとは言うが、遭遇する可能性はかなり下がっている。

 警戒はしつつも、それ程緊張する事もない。

 ただ、視界の悪さはやはり気にはなる。

 山の中と町の近くではやはり何かが違う。

(何事も無ければいいけど)

 こればかりは祈るしかない。



 上って下ってまた登り。

 そんな事の繰り返しで進んで行く。

 目的の草は山の中にいくつか点在している。

 これから向かうのはその中でも一番近い所だという。

 それでも結構歩いているのだから結構な労力だ。

 他の所は一日ではとても戻ってこれないというのだから、他を選ぶわけにもいかないが。

 それでも時間は容赦なく経っていく。

 日の出を少し過ぎたあたりに出てきたが、それがもう昼くらいになっていた。

 予定より遅れている。

 途中、アヤが限界を迎えたので休みを入れてるのが大きい。

 村に置いていくよりはと思ったが、今後があればそこは考え直すしかない。

 何せ、運動とは無縁そうなシイナですらついてきてるのである。

 年齢的にそれほど大差ないが、生まれ育った場所の違いは大きいようだ。

 なお、シイナは十四歳。

 ナギは十六歳だという。

 それでも疲れに差が出ている。

 アヤが悪いというわけではないが、やはり適材適所に配置していくしかない。

 技術的に見れば、家の手伝いなどは出来るのだから、今後同じような事になったら、村で村長の手伝いでもしててもらおうと思った。



 そんなこんながありつつも目的地に到着する。

 泉の湧いてる場所であり、その辺に薬草などが生えている。

 そこで、めぼしいものを集めていく。

 取りすぎると今後採取が出来なくなるから、程よく残していかねばならない。

 シイナがそれらを採取していき、二人の荷物持ちに渡していく。

 慣れたもので、二人はそれらを手際よくまとめて背負い袋に入れていく。

 それらを見ながら、ヨシフミ達は周囲の警戒にあたる。

 モンスター除けの草もある事から、まずもってモンスターは近寄ってこないらしいが、油断は出来ない。

 近寄ってこないかもしれないが、遠巻きに見ている可能性はある。

 そうなったら、さっさと退治しておきたかった。

 どこで襲われるか分からないし、村まで連れて行くわけにもいかない。

 見つけたら、可能な限りその場で倒しておきたかった。



 そういった懸念もなく、作業は終わりを告げる。

 荷物持ちの背負い袋には薬草が詰め込まれ、代わりにその中に入っていた弁当が無くなっている。

「あとは帰るだけか」

 来た道を戻るだけだが、同じ行程を繰り返すと思うとうんざりする。

 ここまで半日かかったのだから、残りも半日はかかるだろう。

 暗くなる前に村にたどり着きたいが、どうなるかは分からない。

(アヤの荷物は持ってやるか)

 自分が動きにくくなる事を覚悟する。

 モンスターに出くわした時に対処が遅れるが、移動速度が落ちるよりは良い。

(明日、筋肉痛にならなきゃいいけど)

 自分も、アヤも、サキもである。

 その事を気にしながらも、ヨシフミはアヤの荷物を持って歩き出した。

「…………俺は?」

 サキの声は極力無視した。

 20:00に続きを公開予定

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