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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その5

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42話 手順はこのように、とにかくやってみるしかない

 巡回を終えて村に帰り、午後の食事となる。

 村長宅でそれを終えてから宿泊場所の納屋に戻り翌日の事を考える。

 単純に依頼をこなす事だけを考えるなら、今日と同じように巡回していれば良い。

 それで文句は言われない。

 だが、ヨシフミが欲しいのは稼ぎである。

(もうちょっとどうにかしないとな)

 その為に、少々危険であるが、モンスターをおびき寄せようと思った。



「そうですか」

 村長はそう言って考え込んでいく。

「出来れば危険は避けたいのですが」

「それは分かります。

 でも、この辺りに何が出るのか分からないとどうしようもありません」

 決して嘘ではない理由を口にする。

 主な目的は稼ぎであり、モンスターを倒して手に入れる核である。

 だが、何がどれくらい出てくるのか実際に見てみないと今後の方策を立てようもなかった。

 その為にも、一度モンスターを引っ張り出してみたかった。

 どれくらいそれらが出てくるのかも見極めたい。

 町の近くよりは多いというが、それがどれほどなのか見てみたかった。

 その為にも、村長に断りを入れておこうと思った。

 理由はどうあれ、モンスターを引き寄せる事になる。

 村に危険が及ぶ可能性もあり、勝手にやるわけにもいかなかった。

 それに、多少は準備も必要になる。

 黙ってやるにしても、誰かに目撃される可能性があった。

 そうそう隠しおおせるものでもない。

 また、隠す手間が面倒でもある。

 だから、了承をとりつけておきたかった。

「どうしても必要ですか?」

 村長の問いかけに、

「はい、でないと困ります」

と即答する。

 半分は嘘である。

 知らなくてもどうとでもなるだろう。

 だが、知っておけば今後の事を考えやすいのも事実だった。

 村長はそれでも考え込んだが、

「分かりました」

 最後は首を縦に振った。

「ただ、村に問題がやってこないようにしてもらいたい」

「努力します」

 確約は出来なかったが、最大限の注意を払うつもりだった。



 やる事は簡単だった。

 今までやっていたように、おびき寄せるための罠を張る。

 村から離れた所で、木々の間に渡した縄に餌を吊す。

 その周囲に鳴子をつけてモンスターの接近を察知出来るようにする。

 とりあえず一カ所だけそれを設置して様子を見る。

 そして、モンスターが出て来たらどうやって行動するかを伝えていく。

 作戦というほどたいそうなものではないが、やるべき事とその順番を伝える。

 今までのやり方と、見せてもらったシイナとナギの腕前や技術を合わせたものである。

 事前に練習が出来れば良かったのだが、そうしてる時間があるかすらあやしい。

 いきなり本番になる不安はあるが、今までの二人の経験を信じていくしかなかった。



 そうして待つ事二十分。

 待ちくたびれ始めた時に鳴子が鳴った。

 全員、静かに立ち上がって罠の方へと動いていく。

 音を立てないよう、相手に見つからないようにするのでゆっくりとしたものになる。

 前に立つナギが、ある程度進んだ所で止まり、前方の様子を見る。

 ヨシフミにはほとんど見えないが、視力の良いナギには何かが見えてるのだろう。

「犬、十体」

 相手の種類と数が分かった。

「ここから狙えるか?」

「いける」

「そうか。

 でも、もっと近づいてからにしよう。

 シイナの魔術で一気に片付けたい」

「分かった」

 ナギは不平も不満もなくヨシフミの指示に従ってくれた。

 ありがたかった。

 こういう時に自分のやり方や考えを通されると面倒になる。

 まとまって行動する際には、どうしても指示に従ってもらう必要がある。

 その都度誰かがあれこれ考えを出しはじめたらまとまりがつかなくなる。

 結果として、バラバラの行動になって結果が思わしくなくなる。

 そもそもの指示がどうしようもないほど劣ってる事もあればともかく。

 今はまだ良いとも悪いとも言えないので、まずは自分のやり方に従ってもらいたかった。

 ナギの考えてる事の方が優れてるにしても。

 また、そういった事は事を起こす前に出し尽くしておく事でもある。

 今になって言い出されても困る。

 言い出す機会を作ってないならヨシフミに問題があるが。

 そして、今回はそういった機会をそもそも作ってない。

 事を急ぐあまり、そうした場をもうけてなかった。

(今度、作戦会議でもするか)

 早いうちに、出来れば今日にでも。

 その為にも、まずは目の前の犬頭を倒さねばならなかった。



 距離を更につめ、ヨシフミにも見える位置まで近づいた。

 犬頭達は吊された肉に向かって飛びかかっている。

 そうした行動はここでも同じだった。

 おかげで隙がいっぱいある。

「それじゃ、やるぞ」

 そう言って他の者達を見る。

 皆、無言で頷いた。

「まずはシイナ。

 吊した肉の辺りで思いっきり光を出してくれ。

 一瞬でいい。

 めいいっぱい眩しく頼む」

「はいー」

「他の皆は、その間目をつぶっていて。

 シイナが光らせてから攻撃をしてくれ」

「でも、光を出したのをどうやって知ればいいのさ。

 目をつぶってるんだろ?」

「それはシイナに言ってもらう。

 シイナは、光らせ終わって周りが元に戻ったら声を出してくれ。

 大丈夫だって」

「分かりましたー」

「それからナギとアヤから攻撃。

 アヤは一回が限度だろうけど、ナギは出来るだけたくさん当ててくれ」

「分かりました」

「うん」

「サキは俺と犬頭の所まで。

 弓矢の邪魔にならないよう迂回していく。

 だけど、素早く急いで。

 連中の目が回復するより前に攻撃出来る所まで行く」

「はいよ」

「で、もし犬頭が逃げようとしたら、ナギが始末してくれ」

「うん」

 それが作戦というか行動する順番だった。

 最も効果が出るような行動順を考えるとそうなっていく。

 相手を行動不能にして、遠距離からの攻撃で数を減らす。

 それから接近戦で止めを刺す。

 いたって単純なものだ。

「それじゃ、やるぞ」

 そう言ってヨシフミはシイナを見る。

 シイナは意図を察して、コクンと頷いた。

 21:00に続きを公開予定

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