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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その4

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30/93

30話 どでかい大当たりなんてそうそうあるもんじゃない

「けど、このままじゃな」

 手に入れた稼ぎを見ながら考える。

「全然足りない」

 稼ぎを見て呟く。

 今回のモンスター退治で一人あたり銀貨五枚ほど手に入れいている。

 ヨシフミはアヤの分も含めて十銀貨以上になる。

 自由に使えるのはそのうち七銀貨前後になる。

 それでは足りない。

「あの子を買い取るにしても、これじゃあな」

「やっぱり、二百銀貨くらい必要なんでしょ?」

「ああ、アヤがそれくらいだったしな」

 多少前後するにしても、それほど差が出るとは思えない。

 この調子で稼いでいっても、買い取り金額に到達するのに八ヶ月から十ヶ月はかかる。

 およそ一年だ。

 その間、売られないように金を積んでいく事になるだろう。

 となれば、本当に引き取れるのは更にその後になる。

「どこかで大きく稼ぐ必要があるな」

「でも、どうすんのさ」

 サキが思案顔で尋ねていく。

「稼ぐっていったって、今以上は無理でしょ」

「まあな。

 レベルが上がってもすぐに稼ぎが増えるわけじゃないし」

 倒せるモンスターの数が増えるか、より強力なモンスターを相手にしない限り不可能である。

 となれば、レベルが今より三つ四つは上がらないと難しい。

 それこそ一年二年先の事になる。

「なんか割のいい仕事でもあればな……」

 虫の良いことを考えていく。

 そんな話、そうそうあるわけもない。

「地道に頑張るしかないのかな」

 サキの言う通りである。

 やってる事を確実にこなし、金を貯めていくしかない。

「頑張るしかないですね」

 アヤがくやしそうに呟く。

 一番これを残念に思ってるのは彼女である。

 だが、出来ない事を嘆くつもりもない。

 少なくとも今は、売られていった時よりは良い状況なのだ。

 何も出来ずに流されてるのとは違う。

 自分でハルの身柄を引き受ける可能性がある。

 それだけでも大きな違いだった。



「なんかいい儲け話ないの?」

 特に期待する事無く受け付けで尋ねる。

 居合わせたオッサンは、

「あるわけないだろ」

とはっきりと告げてくれる。

「使えねえな、それでも周旋屋かよ」

「だったらもっとレベルを上げてこい。

 人数も増やしてな。

 そうしたら、大規模で金になる仕事を回してやる」

「低レベル少人数で儲かる仕事をとってきてくれよ。

 周旋屋だろ、営業だろ」

「そんな仕事があったら、俺がやってるわい。

 だいたいエイギョウってなんなんだ?」

「他の連中を押しのけて仕事を強奪してくる連中の事だよ。

 だいたいが割に合わないものばっかりだけど」

「そりゃあ大したもんだな」

 皮肉と嫌みたっぷるにオッサンは言ってくれた。

「まあ、金が欲しいならがんばって働け。

 レベルを上げたら声をかけろ。

 そうすりゃ俺も幾らか仕事を回してやれる」

「そらどーも」

「その前に、鋼鉄にもっていくがね」

「はいはい……」

 ここ最近の仕事の流れからすれば当然だろう。

 それは分かるのだが、もう少しどうにかならないだろうかと思ってしまう。

「だいたい、仕事が欲しいならそこに貼り出してるだろうが。

 適当なのがないかみつくろっておけ」

 そう言って、受付の横の壁を指す。

 掲示板になってるそこには、様々な仕事が貼りだしてあった。

 引き受け手を求める仕事がずらっと並んでいる。

 それを見て、自分達なら大丈夫だろうと思った者達が、それを手にとっていく。

 だが、ヨシフミでは荷が重い物がおおかった。

 それか、稼ぎが少なくて、モンスターを倒していた方が金が貯まるものだけになる。

「他にはないのかよ」

「そこに無いのは、レベルが高いか人数が必要なもんだけだ。

 鋼鉄支隊でもなけりゃ引き受けられんもんばかりだぞ」

「嘘だろ……」

「事実だ」

 となれば、今できる事はほとんどない。

 地道にモンスターを倒し続けるだけだ。

「まいったな」

 奴隷商にいたハルを入れて人手を増やしたいが、それはやはり先になりそうだった。

 それでもしぶとく何か無いかと掲示板を眺めていく。

 どんな仕事があって、どういう条件で、どれくらいの報酬になるのか。

 旨みが無ければ引き受けるつもりはないが、どういうものがあるのか調べておいて損は無い。



(安いか危険かのどっちかなんだよな……)

 当たり前だが、そのどちらかに偏る内容がほとんどだった。

 安いものはその分引き受ける事が簡単で、報酬が安い。

 しかし確実に金が入るので、長期間続けるならそれなりに金も貯まる。

 あるいは危険で達成困難だが、報酬もそれだけ高くなる。

 こちらは実力が備わってれば挑戦する価値がある。

 ただ、どれも鋼鉄支隊が引き受けなかったものという事で、全体的に払いが悪いように思える。

 割に合わないというよりは、全体的にレベルの低い仕事が多いような気がした。

 高レベルが求められる作業は鋼鉄支隊などが引き受けてるのだろう。

 悪い事では無い。

 その分、安全で誰でも出来る仕事という事だ。

 そこそこのレベルで引き受けられ、なおかつ報酬が確実に手に入る。

 モンスターを相手にするより確実で、長く続ければそれなりに安定した収入を得られるだろう。

 ハルの事が無ければヨシフミも手を出したい所だった。

(安全、確実に稼げるからなあ……)

 それは大きな魅力である。

 危険と隣り合わせが基本の冒険者にとって、安全というのは大きな魅力だ。

 引き受ける事が出来るならさっさとやりたいくらいだった。

(しっかし、鋼鉄さんも割と良心的なもんだな)

 そうも思う。

 分の悪い仕事だけ残していく、という事は無いようだった。

 他の冒険者達が受諾可能で、安全性が優先された仕事が多い。

 危険な作業がないのを見ると、そちらは鋼鉄支隊で受け持ってるという事なのだろう。

 それだけ鋼鉄支隊の実力が高いという事でもある。

(真似は出来ないな)

 そこまで行こうとも思ってないが、こういう形で力量を示されると実感する。

 彼等と自分の違いを。

 それを嘆くつもりはないが、やはり少し悔しいとは思う。

 それだけの意地がヨシフミにもあった。

 今の場所に留まっていたくない、もっと上を目指したいという。

 あまり焦るつもりもないが、上昇志向と言えるものはもっている。

 それが刺激されていた。

(まあ、それはそれ)

 気持ちを切り替える。

 そんな事より金である。

 この中にもうまい話がないか、その端緒がないかと探っていく。

 もしかしたら何かがあるのではないかと期待しながら。

明日の17:00に続きを公開予定

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